DELISH KITCHEN

ういろうとは?特徴や羊羹との違いをご紹介

作成日: 2024/05/14

和菓子の中でも素朴で上品な味わいが魅力的な「ういろう」という名物があります。この記事では地域によって個性が異なるういろうの特徴や由来、作り方までご紹介します。

目次

  1. ういろうとは?
  2. ういろうの歴史や由来
  3. 地域ごとで違うういろうの特徴
    1. 名古屋ういろう
    2. 山口ういろう
    3. 阿波ういろう
  4. ういろうと羊羹との違い
  5. 自宅で簡単!ういろうの作り方
    1. 材料 【バット(15×20cm)1台分】
    2. 手順
  6. 素朴で上品なういろうの魅力

ういろうとは?

「ういろう」は米粉やわらび粉などに砂糖や水を混ぜて練り込み、蒸しあげて作る伝統的な和菓子の一種です。

一般的には名古屋名物としてイメージされることが多いかもしれませんが、実は山口や徳島でも名物とされており、名古屋のういろうとは違った特徴があります。他にも京都や小田原など日本全土で広く親しまれています。

味の種類も多く、子供から大人まで好まれる和菓子です。

ういろうの歴史や由来

ういろうの起源は江戸時代だといわれています。

最初にういろうを作った人物は当時薬屋を営んでいた外郎(ういろう)家の「陳外郎」であり、外国使節団の接待のために考案したことが始まりであるとされています。そのため今でも漢字では「外郎」と表記されています。

当時のういろうはその時代、大変高価だった黒砂糖と米粉を練って作られていました。後に黒砂糖しかり砂糖が廉価で広まるにつれて、全国各地で広まっていったとされています。

また、ういろうは室町時代から存在していたといわれており、その時代はお菓子ではなく「薬」として知られていました。これもまた薬屋であった外郎家が作った薬であったために「ういろう」「外郎」と呼ばれていたそうです。

ちなみに、江戸時代には外郎家の薬を題材にした歌舞伎の演目「外郎売」が作られ、薬の効能をトンチを織り交ぜて表現されています。また、同じ時代に作られた十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも、 お菓子のういろうを食べようとしたところ、薬のういろうを食べて苦笑いするという話がコミカル に描かれています。

このように「ういろう」の歴史は古くからあり、芸事や物語の題材に使われるほど、多くの人に親しまれていました。

地域ごとで違うういろうの特徴

ういろうは地域ごとに様々な違いがあります。
特に、名古屋ういろう、山口ういろう、阿波ういろうは日本三大ういろうと呼ばれていますが、それぞれ特徴に大きな違いがあります。以下で詳しく説明していきます。

名古屋ういろう

名古屋ういろうは米粉と砂糖が主原料で、重量感とつきたてのお餅と変わらないぐらいもっちりとした食感が特徴です。

山口ういろう

山口ういろうはわらび粉を使用しており、名古屋ういろうと比べるともっちりとした食感は少し抑えられていますが、わらび餅のようにぷるんとして弾力のある食感と、なめらかな舌触りが特徴です。

米粉の代わりにわらび粉が使用されている理由としては、当時の山口では、お米が大変貴重で、原料の米粉を庶民が手に入れるのは簡単ではなかったそうです。その分上質なわらび粉が多く生産されていたため、代わりにわらび粉を使うようになったといわれています。

阿波ういろう

阿波名産の和三盆や砂糖、塩を混ぜて生の餡に加え、上新粉や餅粉を加えたものです。もちもちした食感と、あずきの素朴な味わいが特徴です。

ういろうと羊羹との違い

見た目は類似していますが、ういろうと羊羹には決定的な違いがあります。
まず原材料が大きくことなります。ういろうの主原料は先ほどの説明どおり、米粉やわらび粉、上新粉であるのに対して、羊羹の原料は主に小豆あんと寒天です。

また、作り方も大きく異なり、ういろうは生地を蒸して作るのに対して、羊羹は練り上げて固めた練り菓子です。そのため食感も、ういろうはもっちりとした柔らかさがあり、羊羹はよりしっとりとして滑らかな口当たりとなっています。

自宅で簡単!ういろうの作り方

ういろうは自宅でも簡単に作ることができます!材料も少なく、スーパーで簡単に手に入るので、ぜひ一度作ってみてください!

材料 【バット(15×20cm)1台分】

薄力粉・・・・・・・100g
砂糖・・・・・・・・60g
水・・・・・・・・・200cc
桜の花の塩漬け・・・8個(お好みで)

手順

①桜の花の塩漬は、さっと水で洗う。ボウルに水(分量外:適量)、桜の塩漬けを入れて30分程浸し、塩抜きする。

【ポイント】
桜の花の塩漬けがない場合でも美味しく作ることはできます。より本格的に作ってみたい方はぜひお試しください。

②ボウルに薄力粉、砂糖を入れて混ぜ、水を少しずつ加えて混ぜる。

③バットにクッキングシートを敷き、②をこしながら流し入れる。

④蒸し器に湯を沸かし、バットをのせて中火で20〜30分蒸す。

【ポイント】
途中湯が少なくなったら足してください(バット入れる時)火傷に注意してください!

⑤粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間程冷やす。8等分に切る。

⑥ ①(塩抜きした桜の塩漬け)の水気をキッチンペーパーでふき取り、⑤の上に1個ずつのせる。
今回ご紹介したレシピは以下のページで動画でも確認できます。よりわかりやすく見たい方はぜひチェックしてみてください!

また、様々な味付けで楽しむういろうのレシピもあわせてご紹介しますので、ぜひこちらも試してみてください!

素朴で上品なういろうの魅力

ういろうは古くから愛されてきた日本の伝統的な和菓子です。地域によって個性は異なりますが、いずれも素朴な味わいと上品な風情が人気の理由でしょう。手間暇をかけて作られるういろうには、職人の技と心意気が込められています。

老舗の名店で味わえば、ういろうの魅力が存分に堪能できるはずです。でも自宅で手作りするのもおすすめです。作る過程を通して、ういろうへの理解が深まるかもしれません。ぜひ、素朴で上品な味わいを体験してみてはいかがでしょうか。

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