イベリコ豚とはどんな豚？味わいやランクについても解説します！

イベリコ豚とは？

イベリコ豚は、主にスペイン西部からポルトガル東部で飼育される高品質な豚です。イベリア種100%の純血、またはイベリア種とデュロック種（イベリア種50%以上）を交配した豚のうち、スペイン政府が認証したものを「イベリコ豚」と呼ぶことができます。黒い脚と爪が特徴で、スペイン語で「黒い脚」（pata negra）とも呼ばれることがあります​。

イベリコ豚といえば「どんぐり」？

イベリコ豚といえば、どんぐりを食べて育つという点で広く知られています。特にベジョータ（bellota）と呼ばれる最高級のイベリコ豚は、放牧され、どんぐりやハーブなどの自生植物を食べて成長します。この食生活が肉質に大きく影響し、特有の風味をもたらします。しかし、全てのイベリコ豚が放牧され、どんぐりを食べている訳ではありません。エサや飼育環境により、イベリコ豚の品質もランク分けがされています。

イベリコ豚のお肉の特徴

イベリコ豚の肉は、肉質が良く、さっぱりとした甘みのある脂身が特徴です。
詳しく分けてみると、イベリコ豚の「メス血統100％」の場合は肉質は少しかためになります。一方「オス血統75％〜100％」の場合は、メスに比べ肉質は柔らかいです。
純血に近づくほど、脂が肉と混ざり合うため、肉質はまろやかで霜降りのサシが少ない状態になります。また、どんぐり由来のオレイン酸を含みます。

イベリコ豚のランク分け

イベリコ豚は、飼育方法や食生活に応じて以下の3つのランクに分けられます。この基準は2014年にスペイン政府勅令新規定で定められました。

BELLOTA (ベジョータ)

最上級ランクのイベリコ豚です。モンタネーラと呼ばれる放牧期間中はどんぐりの森で放牧され、どんぐりの他、自然植物のみを食べて育ち、その後も人工飼料などの補完飼料を食すことなく育てられたイベリコ豚です。放牧は10月1日〜12月15日、屠畜は12月15日〜3月31日に行われます。


その他以下の基準があります。
・放牧開始時のロット平均体重が、92〜115kgであること。
・60日以上の放牧期間中に、体重が最低46キロ増加していること。
・出生後、最低14ヶ月飼育されていること。
・セリにかけられている個体の重量が115キロのもの。（イベリア種50％以上の血統の場合）
・セリにかけられている個体の重量が108キロのもの。(イベリア種100％の純血の場合）

CEBO DE CAMPO (セボ・デ・カンポ)

放牧で育てられたイベリコ豚で、草などの自然植物や穀物などの補完飼料も食べながら育ったものです。この農場の広さには規定があり、10キロ以上のイベリコ豚の場合、一頭当たり最低100㎡以上の面積がないといけません。屋根がついている場所でも可能です。

しかし、以下も条件です。
・セリに野外農場での飼育期間が最低60日あるもの。
・出生後、最低12ヶ月飼育されていること。

CEBO（セボ）

穀物飼料のみで育てられたイベリコ豚です。放牧はされず、どんぐりも食べず、穀物の飼料を食べて育ったものです。放牧されないため、比較的狭い豚舎で育ちます。
血統は50％のものが多く、肥育期間が短いため、安価で流通されることが多いです。

また、以下も条件になります。
・体重110キロ以上のイベリコ豚の場合、一頭あたり最低2㎡ある農場で飼育されていること。
・出生後、最低10ヶ月飼育されていること。

イベリコ豚を食べてみよう！

イベリコ豚は、その特有の飼育法と食生活から、他の豚肉にはない豊かな味わいがあります。特にどんぐりを食べて育ったベジョータは、最高級の肉質と脂身が特徴です。飼育環境によってランク分けされていますが、その特徴を知ることでより美味しいイベリコ豚に出会えることでしょう。機会があれば、ぜひ食べてみてくださいね♪