打ち粉とは?使う理由や使用例をご紹介!
作成日: 2020/04/15
手作りのパンやクッキーのレシピでは、必ずといっていいほど「打ち粉」と記載されています。生地を捏ねたり伸ばしたりする際に打ち粉がないと、なかなか作業がスムーズに進まないものです。そもそも打ち粉とは何の粉?と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、打ち粉の種類や使用効果について解説し、打ち粉の使用例もご紹介します。
打ち粉とは?
打ち粉とは、手粉とも呼び、クッキーやパン、麺などの生地を伸ばすとき、台やめん棒に振る粉のことです。打ち粉に使う粉は、作る料理によって種類を使い分けます。レシピに指定がないとき、打ち粉として一般的に良く使われているのは強力粉です。強力粉以外だと、作る料理に合わせて薄力粉や片栗粉、そば粉などが打ち粉として一般的に使われています。また、これらとはまったく別の意味になりますが、揚げ物の衣をつける前に、素材に粉をまぶしておくことも、「打ち粉をする」といいます。この場合、良く使われている粉は薄力粉やてんぷら粉などです。
打ち粉をする理由
お菓子やパンの生地に打ち粉を使う理由は、手や調理器具に生地がベトベトとくっつかないようにするためです。生地を伸ばす台やめん棒に薄く打ち粉をしておくだけで、スムーズに生地を捏ねたり伸ばしたりすることができるようになります。生地がくっつきにくくなれば、当然無駄な生地のロスを減らすことができ、時短にも繋がります。つまりは、作業の効率化を図ることができるというわけです。ただし、打ち粉はなるべく薄く均一に振るのがポイント。あまり振りすぎてしまうと、生地自体に打ち粉がどんどん吸収されていき、仕上がりが粉っぽくなったり硬い食感になったりする恐れがあるからです。
一方、揚げ物の工程において打ち粉をする理由は、2つあります。1つ目は、衣と素材の「つなぎ」としての役割です。天ぷらにしても、フライにしても、まずは素材に粉をまとわせておくことで、卵液やバッター液などと馴染みやすくなります。そうすると、油で揚げたときに衣が剥がれてしまうのを防ぐことができるのです。2つ目は、食感を良くするため。素材から出る水分を打ち粉が吸着してくれることにより、衣がべちゃっとならず、サクッと軽い食感に揚がります。特に、水分が多い魚介類などは、打ち粉をするとしないとでは仕上がりに大きく差が出るので、覚えておくと役立つでしょう。
打ち粉を使う料理とは
生地を捏ねたり伸ばしたりする際に使う打ち粉。打ち粉に使う粉の種類は、料理ごとに使い分けると説明しました。主に強力粉を打ち粉として使うのは、パン類やクッキー、パイなど、小麦粉を使った洋菓子類です。強力粉は小麦粉の種類の中で最も粒子が粗い「硬質小麦」という部類に入ります。サラサラとした触り心地で水分を吸湿しにくいため、柔らかい生地でも扱いやすいのが特徴です。うどんやパスタなどの麺類を打つ際の打ち粉には、小麦粉よりもデンプン質の多い片栗粉を使います。これは、生地の材料のほとんが小麦粉であるため、打ち粉に小麦粉を使うとどんどん生地に入ってしまい、ベタベタしてしまうからです。
一方、同じ麺類でも、そばには専用の「花粉」と呼ばれる打ち粉があります。花粉とはデンプン質の多いそば粉のこと。通常はそば粉を入手する際にセットで購入することが多いですが、ない場合は片栗粉で代用可能です。また、「餅とり粉」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これはその名の通り、餅を丸める際に使う打ち粉のことです。餅とり粉の主成分は片栗粉やコーンスターチなどが多いですが、米粉を使う場合もあります。
打ち粉を上手に活用して、料理の腕を上げよう!
「打ち粉」という言葉の意味は、パンやクッキーなどの生地を扱いやすくする「手粉」を指す場合と、揚げ物の際に行う下ごしらえの工程を指す場合と、2通りあります。生地を扱うための打ち粉は、作る料理によって種類を使い分けることがポイント。特に粉の指定がない場合は、一般的に強力粉を使用します。打ち粉を使いこなすことができれば、料理の腕もワンランクアップするのではないでしょうか。