
あらめとは?ひじきとの違いについても解説
作成日: 2022/06/09
海藻にはわかめやひじき、昆布などさまざまな種類がありますが、あらめという海藻の名前を聞いたことはあるでしょうか。海中ではわかめに似ていますが乾燥させるとひじきに似ている食感に特徴がある海藻です。
今回はあらめとはどんな海藻なのか特徴や旬を解説するとともに、ひじきとの違いもご紹介していきます。
あらめという海藻について
ここではあらめという海藻について解説していきます。
特徴
あらめは太平洋沿岸に広く分布している褐藻綱コンブ目コンブ科に属している海藻で、長さは20㎝程、大きなものでは1mほどにも成長します。大きく分けると昆布と同じ仲間になりますが、わかめのように葉の部分が枝分かれしている見た目が特徴です。
あらめは海で採取した後天日乾燥して渋みを取り除き、蒸し加工、圧搾、裁断、乾燥という工程を経て出荷されます。あらめには別名も多く、地域によってはカジメ、マタカジメ、シワアラメやチリメンアラメなどさまざまな名前で呼ばれています。
産地・旬
あらめは三重県伊勢志摩の特産品で、伊勢神宮にもお供えされたこともある日本固有の海藻です。養殖はできないため流通しているものはすべて天然もので、現地では素潜りで採られていますが、近年素潜り漁者が減少しており収穫量も減少傾向にあります。
分布場所は岩手県より南の太平洋や瀬戸内海などで、三重県をはじめ千葉県や山口県などでも採取されます。春~初夏にかけて旬を迎えますが、産地以外ではほとんど乾物で流通しているため一年中食べることができます。
あらめとひじきの違い
海の中でのあらめはわかめに似ていますが、乾燥させるとひじきに近い見た目が特徴です。ひじきは褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科に属しており、あらめとは異なる仲間に分類されます。
ひじきも流通する際に蒸し加工が行われますが、裁断はせずそのままの形で乾燥されています。また、あらめとひじきでは食感が大きく異なり、あらめの方がひじきよりも歯ごたえがあります。調理の際、ひじきは水で戻すと時間がかかりますが、あらめは短時間で戻るという違いもあります。使用する時は調理時間やお好みの歯ごたえで選んでみてくださいね。
あらめの主な栄養
ここではあらめに含まれる主な栄養素を見ていきます。
基本的な栄養素
あらめ 蒸し干し 100gあたりについての栄養は以下の通りです。
・カロリー 183kcal
・たんぱく質 12.4g
・脂質 0.7g
・炭水化物 56.2g
食物繊維
あらめにはひじきと同じくらいの食物繊維が含まれています。
あらめ 蒸し干し 100gあたり
・食物繊維 48.0g
干しひじき 100gあたり
・食物繊維 51.8g
あらめには炭水化物が56.2g含まれていますが、そのうち食物繊維が48.0gとなっています。食物繊維を摂りたいという方にはぴったりの食材ですね。
ミネラル
海藻類にはミネラルも含まれていることで知られていますが、あらめにもナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれています。
あらめ 蒸し干し 100gあたり
・ナトリウム 2300㎎
・カリウム 3200㎎
・カルシウム 790㎎
ナトリウムは人体に必要なミネラルの一種で、ナトリウムは細胞外液の浸透圧を調節し細胞外液量を保つといった役割を持っています。摂りすぎるとむくみや口の渇きなどが起こります。
カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調整に働きます。体内のナトリウムの排出を助けてくれる作用があるため、塩分の摂りすぎを調節します。
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルです。含有量は体重の1~2%で、そのうちの99%は骨及び歯を形成するために存在し、残りの約1%は血液や組織液、細胞に含まれています。
β-カロテン
あらめにはビタミン類も含まれており、特に多いのがβカロテンです。βカロテンは体内でビタミンAに変わり、強い抗酸化作用があることで知られています。
あらめ 蒸し干し 100gあたり βカロテン 2700㎎
あらめの食べ方
あらめは産地では生で流通することもあるが、基本的には乾物として流通しています。生のものが手に入った場合は、水でざっと洗ってから火を通して調理しましょう。乾物はたっぷりの水で約10分戻した後、ひじきと同じように炒め煮などに調理できますよ。
他には刻んで叩いたたたきとろろ、甘辛く煮た佃煮、味噌汁の具、酢の物、天ぷら、サラダ、炊き込みご飯などの和食と相性がよく幅広く使うことができるのでぜひ試してみてくださいね。
あらめを一度味わってみよう
あらめの特徴やひじきとの違いをご紹介しました。あらめの見た目はひじきに似ていますが、歯ごたえのある食感があり戻し時間が短いため料理に使いやすいという特徴があります。
乾物なら入手は難しくないため、好みの調理法で普段の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参照】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」(2022/06/09)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」(2022/06/09)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」(2022/06/09)
・厚生労働省e-ヘルスネット「カロテノイド」(2022/06/09)