和三盆とは?普通の砂糖と何が違うの?分かりやすく解説♪
作成日: 2023/08/30
「和三盆」とは、徳島県や香川県で作られる高級な砂糖のこと。素材や製法が普通の砂糖(上白糖など)とは異なります。
お供えものや干菓子に使われますが、どのような特徴があるのでしょうか。今回は和三盆について分かりやすく解説します。
和三盆について知ろう!
まずは、和三盆とはどのような砂糖なのかについてみていきましょう。
和三盆とは
和三盆(和三盆糖)とは、徳島県や香川県などで作られる砂糖のこと。口溶けがよくきめ細かい、上品な味わいが特徴です。上白糖とは違い、竹糖(ちくとう・たけとう)という徳島県・香川県に生息する在来品種のサトウキビを原料に作られます。
和三盆といえば、淡い優しい色合いの「干菓子」を思い浮かべる方も多いですよね。古くからお茶や抹茶と一緒に食べられることから京都のイメージが強いですが、実際には和三盆のほとんどが香川県や徳島県で生産されているんですね。
和三盆の味・特徴
和三盆は粒子がきめ細かく、ほどよい口溶けで、すっきりとした上品な甘さが特徴です。そのまろやかで優しい上品な甘さは、様々な料理やお菓子にも使うことができるんです。上白糖と比べ、上品で優しい風味になりますよ。
そんな和三盆のおいしさの秘密は製法にあります。
製法の中で、何度も何度も糖を練る工程が行われ、これを「研ぎ」と呼びます。近年では機械的に練って作られるものもありますが、伝統的な製法で作られる和三盆では、職人さんが手で糖を練ります。この工程は釜の上で行われ、この作業を3回繰り返すことから「和三盆」という名前が付けられました。
伝統的な和三盆の製法
ここからは伝統的な和三盆の製法について解説します。
和三盆は大きく分けて、5つの工程を経て作られます。
1.搾汁する
まず、 和三盆の原料である竹糖を11月から12月ごろに収穫し、甘い汁をしぼります。このしぼり汁を加熱しながら丁寧にアクを取り、ろ過して不純物を取り除きます。
2.汁を煮詰める
ろ過した液を、更に濃縮されるまで煮詰めていきます。
3.冷ます
出来上がったものを甕(かめ)に移し、ゆっくりと冷まします。こうして白下糖(しろしたとう)が完成します。白下糖とは、固体の結晶と液体の蜜が混じった飴色の混合物で、黒砂糖のようなコクや風味があり、深みのある味わいが特徴です。
4.押し船
続いて白下糖を重石で圧迫して、糖蜜だけを絞り出す作業を行います。白下糖を布袋に包み、テコの原理を使って上から圧力をかけ、ゆっくりと圧搾します。
5.研ぎ
圧力をかけた白下糖に適量の水を加えて練り上げ、砂糖の粒を細かくする「研ぎ」の作業を行います。和三盆が製造された当時は、研ぎの作業を盆の上で3回繰り返していたことが、和三盆の名前の由来の一つと言われています。この作業を数回繰り返し、ふるいにかけ、日陰で乾燥させて完成です。和三盆を木型で押し固めると、干菓子ができあがります。
和三盆を使ってみよう!
和三盆の特性を最大限に生かした活用方法は多岐にわたります。
その細かな粒子と風味を活用するいくつかの方法をご紹介しますので、和三盆を手にする機会があれば、ぜひ試してみてください!
お料理
和三盆は上品な甘みと、黒糖のような深みのあるまろやかな風味が特徴です。
以下のような和食と相性が良いですよ。
- 卵焼き
- 酢飯(寿司酢)
- 煮物
スイーツ
さまざまなお菓子作りにおいて、和三盆糖のふわふわな口どけや上品な甘さを生かして活用されています。
おはぎや羊羹などの和菓子とは特に相性がよく、上品でまろやかな風味が楽しめます。和三盆糖は甘さがくどくなく、後味が良い特性を持っているため、高級な和菓子の材料としても重宝されています。
- 和菓子全般
- カステラ
- ロールケーキ
和三盆は上品でコクのある味わいが魅力
和三盆は上白糖や黒糖とは異なる「竹糖(ちくとう)」という特別な品種のサトウキビが使われています。上品でコクのある味わいが特徴で、干菓子としてそのまま食べたり、和菓子にも使用されています。やさしい甘みと黒糖のようなまろやかな風味があり、玉子焼きや酢飯、煮物などの料理にもおすすめです。
見かけた際は、そのまま食べるだけではなく、料理やお菓子作りにもぜひ活用してみてください。