葉酸とは?妊娠中にも摂りたい葉酸を多く含む食べ物は?
作成日: 2020/10/31
葉酸とは聞いたことがあるけど、どんなものか詳しくわからないことが多いのではないでしょうか。実はビタミンの一種である葉酸は積極的に摂取しておきたい栄養素の1つです。今回はそんな葉酸についてご紹介します。
1.葉酸とは
葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンです。水に溶けやすく、熱に弱いため、調理によっても損失されます。葉酸は、酵素の補酵素としてDNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオチドの生合成やデオキシピリミジンヌクレオチドの合成に関わっています。また、アミノ酸、たんぱく質の代謝においてビタミンB₁₂とともにメチオニン生成等にも関与しています。特に細胞分化の盛んな胎児にとっては重要な栄養で、妊娠中は積極的に摂取しておきたい栄養素です。
また、受胎前後の葉酸摂取により、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することが報告されており、厚生労働省は2000年から妊娠の可能性がある女性等は積極的に葉酸摂取するよう通知を行っています。胎児の神経管閉鎖障害は、受胎後約28日で閉鎖する神経管の形成異常で、無脳症、二分脊椎、髄膜瘤等を呈します。
赤血球が作られる時にも葉酸が必要であり、男女ともに必要な栄養素です。
2.葉酸が欠乏すると
葉酸の欠乏症は、巨赤芽球性貧血です。また、葉酸が不足することで動脈硬化の引き金等になる血清ホモシステイン値が高くなります。
3.葉酸を過剰摂取すると
通常の食生活で過剰摂取により健康障害が発現したという報告は特にありません。
4.葉酸を多く含む食べ物
可食部100g当たりに含まれる葉酸の量が多い食べ物には、以下のようなものがあります。
- 焼きのり 1900μg
- 味付けのり 1600μg
- 鶏レバー 1300μg
- 牛レバー 1000μg
- ケール青汁 820μg
- 豚レバー 810μg
- 生うに 360μg
- 黒大豆(乾燥) 350μg
- ドライマンゴー 260μg
- えだまめ(ゆで) 260μg
- モロヘイヤ(生) 250μg
- 芽キャベツ(生) 240μg
- はなっこリー(生) 220μg
- ブロッコリー(生) 220μg
- ほうれん草(生) 210μg
- キヌア 190μg
葉酸を多く含む食べ物にはレバー、うに、野菜がありますね。妊娠中は積極的に摂取したい葉酸ですが、妊娠初期の場合はビタミンAの摂取し過ぎには注意が必要なので、葉酸を摂取したいからとビタミンAの多いレバー等を摂取し過ぎることのないようバランスよく食べるといいですね。
5.1日に必要な葉酸の量は?
葉酸が多く含まれる食品を見てきましたが、1日に必要な葉酸の量はどれくらいなのでしょう。
推定平均必要量は、男女とも18歳以上で200μg/日、推奨量は、男女とも18歳以上で240μg/日となります。
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害リスク低減のため、付加量を+200μg/日とし、推定平均必要量は、400μg/日と設定されています。授乳婦は付加量+80μg/日で、推定平均必要量としては280μg/日になります。
また、耐容上限量が設定されており、男女とも18~29歳で900μg/日、30~64歳で1000μg/日、65歳以上で900μg/日となります。
水溶性で熱に弱い葉酸なので、サラダ等で生で食べられるものはそのまま食べて摂取できるといいですね。
野菜にも果物にも含まれる葉酸!
今回は葉酸についてご紹介しました。同じ栄養素でもそれぞれ必要な摂取量が異なることがわかりましたね。自分にとって必要な量の葉酸を普段の食生活でも摂取できるよう、バランスの取れた食事を心がけましょう。
【出典】
・eーヘルスネット:ビタミン、葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
・食事摂取基準 (2020年版)
・日本食品標準成分表2015年版(七訂)