醤油の種類知っていますか?濃口醤油や淡口醤油の他には何がある?
作成日: 2020/03/31
調味料として常備されている醤油。大豆や小麦から作られる調味料でよく使われる醤油ですが、いろいろな種類があります。今回はそんな醤油の種類についてご紹介します。
1.日本農林規格(JAS)による分類は5種類
濃口醤油
濃口醤油は出荷量約84%と全国で最も使われている醤油です。塩分濃度は15~17%で、料理や食材につけたりかける用に卓上用としても、調理用としても使いやすいのが特徴です。炒め物や煮物等どんな料理でも使われます。
淡口醤油(薄口醤油)
関西で使われることの多い醤油です。出荷量は約13%。濃口醤油より色は薄く、素材の持ち味を生かす煮物等の料理におすすめです。製造方法は濃口醤油と同じ方法で、仕込み時に食塩を1割多く使うため色は薄いですが、塩分濃度は濃口醤油より高く18%あります。また、まろやかに仕上げるため甘酒も使われます。卓上用として使うより、調理用として煮物や汁物の味付けによく使われます。
溜醤油(たまりしょうゆ)
中部地方で作られる色が濃く、とろみがある醤油です。ほとんど大豆だけで作られていましたが、最近は小麦を1割ほど加えて香りを重視した製法も多くなってきています。「さしみたまり」とも呼ばれ、お刺身やお寿司に使うのがおすすめです。醤油の中でも旨味が多く、加熱すると赤味が出るので、色を付けたい照り焼きや佃煮等によく使われます。
再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)
山口県柳井地方が発祥で全国に広まった醤油で、生産量は約1%です。生揚げ醤油をさらに仕込むため「再仕込み」また、色や味が濃厚なことから「甘露醤油」とも呼ばれています。濃口醤油に比べて原料も熟成期間も2倍必要です。お刺身や冷ややっこにかけてよく使われます。
白醤油
愛知県碧南市発祥の醤油で、色の薄い淡口醤油よりもさらに色が薄いのが特徴です。主に小麦でつくられ、少しだけ大豆を使っています。醸造期間が短いので色が薄くなります。素材の色を生かしたり、料理に色をつけたくないときに使うのがおすすめです。お吸い物や色をつけたくない煮物、茶碗蒸しによく使われます。
2.製法による分類
本醸造
麹菌の力を利用した製法です。蒸し大豆と炒った小麦を混合し、種麹を加えて麹を作り、食塩水と一緒に仕込んで作った諸味(もろみ)を撹拌しながら約6~8か月寝かせることでさらに熟成が進み、色や香りがつきます。国内で流通している醤油の約8割が本醸造の醤油ですが、原材料費と時間がかかります。
混合醸造
本醸造でできた諸味にアミノ酸液または酵素分解調味液や発酵分解調味液を加えて1か月以上撹拌しながら発酵、熟成させる方法です。熟成させることでアミノ酸液の香りを和らげられます。
混合
本醸造でできた生揚げ醤油に、アミノ酸液または酵素分解調味液や発酵分解調味液を加えて作る方法です。
3.等級による分類
旨味成分とされる窒素分の量や色度、直接還元糖等により規定され、JAS認定工場でつくられた醤油のみ記載が許可されています。ラベルに「超特選丸大豆醤油」などと表記されているので確認することができます。濃口醤油や淡口醤油等のそれぞれの種類に特急、上級、標準に分ける基準が設けられています。
特級は本醸造方式のみ(特例として再仕込み醤油の混合醸造方式は認められています)で、特級の中でも特に旨味成分の多い物は超特選と特選に分けられます。
色や使い方で使い分けられる醤油!
今回は醤油の種類によってご紹介しました。いつも同じ醤油を使っていても、素材や料理の色をきれいに仕上げたいときは、色の薄い醤油を使う等使い分けてみると料理の幅も広がりますね。ぜひスーパーの調味料コーナーに行ったときは、どんな醤油があるか探してみてください。