片栗粉の原料はどんなもの?昔と今の違いを解説!
作成日: 2021/10/27
とろみ付けや揚げ物の衣など、料理において欠かすことのできない片栗粉は、日頃からキッチンに常備しているという人も多いことでしょう。
ところで、片栗粉の原料は昔と現在で異なることをご存知でしょうか?普段から料理をする人でも、意外と知らない人もいるかもしれません。そこで、今回は片栗粉の不思議について、名前のルーツなど歴史的背景を踏まえながら解説します。
片栗粉について
片栗粉とはどのようなもので、原料は何からできているのでしょうか。歴史的背景からみていきましょう。
片栗粉の原料
片栗粉は本来「カタクリ」というユリ科の植物の鱗茎(りんけい)を原料とし、そこから取れるでんぷんを指す言葉でした。かつて江戸時代においては、片栗粉は食用のみならず、お湯に溶かし滋養薬としても重宝されていたといわれています。
流通しているのは別物?
現在流通している片栗粉は、実はそのほとんどがじゃがいもから取れたでんぷんです。これは自生カタクリが減少してしまったことと、明治以降の北海道開拓によりじゃがいもが大量生産されるようになったことが背景にあります。
安価であるうえ、カタクリのでんぷんと同じような性質があるとして、次第に片栗粉の原料はじゃがいもに取って代わるようになりました。
その際、「片栗粉」という名称はそのまま残り、現在に至っています。
グルテンフリー食材!
じゃがいもから作られる片栗粉の主成分は、でんぷん(炭水化物)です。小麦粉のようにグルテン(たんぱく質の一種)を形成する性質はありません。そのため、片栗粉は小麦粉アレルギーの方も食べられるグルテンフリー食材としても注目されています。
片栗粉は水を加え、加熱することで粘度が増す性質がありますが、これはでんぷんの糊化(こか)によるものです。この性質を利用し、あんかけなど料理のとろみ付けや、わらび餅風の和菓子などに使われます。
また、揚げ物の衣に片栗粉を使うと、小麦粉を使った場合に比べるとカリっとした食感に仕上がります。時間が経ってもベタつきにくいというのも、片栗粉ならではの特徴です。
そのほか、独特のもっちりとした食感を与えるために、パンや焼き菓子の材料として片栗粉が使われることもあります。
グルテンフリーの片栗粉を活用しよう
かつて「カタクリ」という植物の鱗茎から作られていた片栗粉。現在その原料はほとんどがじゃがいもに取って代わったものの、今でもその名がそのまま使われています。
主成分がでんぷんの片栗粉は、小麦粉のようにグルテンを形成しないため、アレルギーを持つ人にとっても注目の食品です。片栗粉の性質を上手に活用し、毎日の食生活にぜひ役立ててみてはいかがでしょうか。