灰汁(アク)とは?なぜ取るのか&取り方を解説!
作成日: 2020/04/17
煮物や鍋料理、カレーなどを作るときに出てくる灰汁。灰汁を取ってもまたすぐに出てくるため、面倒に感じてしまいます。しかし、灰汁を取らないと見た目が悪く、味にも影響を与えてしまうのです。こちらの記事では、そんな灰汁の正体について、また灰汁を取る理由や効果的な灰汁の取り方などについてご紹介します。料理をおいしく仕上げるためにもぜひ参考にしてみてください。
灰汁(アク)の正体とは?
「灰汁(読み方:アク)」とは、食材に含まれる渋みやえぐみ、雑味、また動物性食材の臭みの元になる成分を指します。なすやゴボウなどの灰汁が強い野菜を切って置いておくと、灰汁が空気に触れて酸化し変色します。灰汁を取らないと口の中に渋みやえぐみを感じ、料理をまずいと感じてしまうのです。そのため、料理の仕上がりを良くするためにも、灰汁取りはとても重要な作業となります。中には、レタスやキャベツ、白菜、水菜など灰汁のない野菜も多く、これらは生で食べるサラダにも向いています。また、玉ねぎの持つ灰汁は水溶性で煮汁に溶けやすく、甘みがあるので取らなくても大丈夫です。
ちなみに、野菜に灰汁があるのは、動物などから食べられないよう自分を守っているという説もあります。肉や魚、野菜ともに、加熱することで灰汁が出やすくなります。
なぜ灰汁取りが必要?
前述した通り、灰汁を残したままにしておくと渋みやえぐみを感じて料理の味が損なわれてしまいます。また、濁った色の灰汁があると色が悪く、見た目も損なわれてしまうでしょう。きちんと灰汁をとることで見た目を美しく仕上げることができるのはもちろん、雑味が消え舌触りも良くすることができます。また、動物性食材の灰汁には脂肪も含まれているため、灰汁を取り除くことですっきりとした口当たりになるのも特徴です。
効果的な灰汁の取り方とは?
灰汁の取り方にはさまざまな方法があります。まず、灰汁の多い野菜の下準備として、皮をむいたり切ったりした後、数分水にさらすというものです。ごぼうやれんこん、なす、じゃがいもなどに適していて、特にごぼうやれんこんなど変色が気になる野菜は酢水にさらすのがおすすめです。酢水の濃度は水1リットルにつき酢大さじ1程度とし、10分ほどさらしたらさっと水洗いして使用しましょう。ただし、灰汁を気にするあまり水にさらす時間が長いと、野菜独自の香りが失われてしまいます。ごぼうなどは特に香りもおいしさのひとつと考えられているので、あまり気にしすぎる必要はありません。
また、大根の下茹でに使われるのが米のとぎ汁です。米のとぎ汁で茹でることで野菜から出た灰汁を包み込み、野菜の繊維に灰汁が戻ることを防ぐことができます。大根の色も白く保たれ、見た目にも料理を美しく仕上げることが可能です。春先に出回るたけのこや山菜などは灰汁がとても強いため、米ぬかや重曹などを使って茹で灰汁抜きをします。他にも、きゅうりに塩をなじませて板ずりする方法や、ほうれん草などを塩茹でする方法など実にさまざまです。どれも効果的なので、ぜひ試してみてください。
煮物や鍋、カレーなどを作る場合、食材を加熱して煮立たせることで食材から灰汁が出てきます。そのため、火を強めて一度煮立たせると灰汁が取りやすくなるのです。まず、水を入れたボウルと玉杓子を用意し、灰汁が出てきたら玉杓子ですくいます。煮汁には旨味が溶け出ているので、穴が開いた玉杓子を使用すれば無駄に煮汁を取り出すことを防げます。ボウルの中で灰汁を洗い落としたら、次の灰汁をすくいましょう。ただし、煮汁を煮立たせた状態にしておくと灰汁が分散してしまうので、ポイントは灰汁が出てきたら火を弱めることです。
また、煮物の場合、クッキングペーパーやアルミホイルなどを被せて調理し持ち上げるだけで、灰汁を一気に取り除くことができます。落し蓋代わりにもなるので一石二鳥です。
灰汁を取っておいしさも見た目もアップ!
面倒に感じるかもしれませんが、灰汁取りは料理をおいしく仕上げるために欠かせない一手間です。渋みやえぐみ、雑味などを取り除くことで、おいしさを感じやすくなるというメリットもあります。水にさらす、米ぬかで茹でるなどそれぞれの食材に適した灰汁取りの方法があるので、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。