甘食とは?歴史や名前の由来についてご紹介!
作成日: 2020/05/07
一見マドレーヌのような見た目の「甘食」をご存じですか。甘食は、やさしい甘さが魅力のおやつとして人気があります。しかし、甘食は関西圏ではあまり知られていない東京発祥の食べ物なのです。
こちらの記事では、甘食とはどのような食べ物か、その歴史や名前の由来、関東と関西における知名度の違いなどについてもご紹介します。
甘食とは?
ふっくらと膨らんだ円錐形の食べ物「甘食」。読み方は「あましょく」となります。その名の通り甘い味が特徴で、洋菓子のマドレーヌに似た味わいや食感があります。表面はしっとりとしていますが、中は触るとポロポロと崩れるような食感です。
甘食は小麦粉や卵、砂糖、重曹、水などから作られ、生地を丸く絞りだしてオーブンで焼きます。重曹を加えることで生地が膨らみ、山のようにぷっくらととがった甘食ならではの形に仕上がるのです。大きさはさまざまで、5センチほどの小さいものから、10センチほどの大きめのものまであります。
甘食の名前の由来や歴史について解説!
甘食が誕生したのは、日本にビスケットやパンなどが輸入されはじめた明治時代だと言われています。甘食発祥には諸説ありますが、中でも有力なのが1894年に東京の「清新堂」というパン屋によって作られたという説です。当時、日本ではヨーロッパの文化が急速に広まり、日本で初めてビスケットが作られたのもこの頃とされています。清新堂で販売されていた「イカリ印のまき甘食」が、甘食の元祖と言われているのです。
他にも、安土桃山時代にポルトガルやスペイン人によってもたらされた南蛮文化の影響を受けているという説もあります。
甘食の名前の由来についても諸説あります。「食事の間に食べる甘い間食」や、「甘いビスケットを大きくしたような食事用のパン」から名付けられたなど、正確にはわかっていないようです。
また、実は甘食はお菓子ではなくパンの仲間だとも言われており、甘食を作っているのはパン屋に多いのも特徴です。甘食の発祥は東京で、全国的にはあまり広まっているとは言えません。関東圏ではどこか懐かしいおやつとして親しまれていますが、西日本では甘食の存在を知らない人が多く見られます。
甘食のDELISH KITCHENレシピ
どこか懐かしい甘食でほっこりおやつタイム
まさに、「おやつ」という呼び名がぴったりのどこか懐かしさを感じさせる「甘食」。
牛乳やコーヒー、紅茶などとも相性が良い、大人も子どもも大好きな素朴なおやつです。飲み物を用意して、ゆっくりとおやつタイムをお楽しみください。長い間人々に愛されている甘食を食べれば、ホッとする時間を過ごすことができるでしょう。