土鍋の使い始めに欠かせない「目止め」とは?やり方をご紹介!
作成日: 2022/08/29
土鍋を使うときには「目止めが必要」と聞いたことがありませんか?しかし、目止めとはなんのために、どのように行うのでしょうか。今回は土鍋の目止めについて詳しくご説明します。
土鍋に目止めが必要な理由
「土鍋」は土(陶土)を原料とした焼き物の鍋のことです。素材である陶土は小さな穴が無数にあるので、塞いだあとで使用する必要があります。陶土の無数の穴を「目(め)」と呼び、この目を塞ぐことが「目止め(めどめ)」です。
目止めをすることで、目からひびが入ったり、目に臭いがついてしまったりすることを防げます。ひびが入った土鍋は使い物にならなくなり、また料理をするには付着した臭いが気になってしまうでしょう。土鍋を長持ちさせるためには、トラブルを防止する目止めが必要です。
目止めの方法
土鍋は使い始めのタイミングと、定期的に目止めをする必要があります。目止めの前に1度土鍋を洗い、乾燥させておきましょう。以下は水洗いと乾燥のポイントです。
土鍋を水洗いし、しっかりと水分を拭き取りましょう。乾きづらい底を上にして自然乾燥させます。土鍋が濡れたまま加熱すると、ひび割れの原因につながります。そのため、最初に必ずしっかりと乾燥させてから、目止めを始めるのがポイントです。
おかゆで目止め
おかゆで目止めをするのは、一般的な方法です。米から粘り気のあるでんぷん質が出ることにより土鍋の細かい目を塞ぎ、水漏れを防ぐことができます。
おかゆで目止めをするときは、土鍋の8分目くらいまでお水を入れ、ご飯を入れてほぐしましょう。フタをせず、弱火でゆっくりと加熱します。お粥が炊けたら火を止めて、1時間以上置きましょう。土鍋が十分に冷めたあとでお粥を取り出し、土鍋を水で洗い、目止め完了です。このときに炊けたお粥は食べられます。
お粥で目止めをするときの注意点は、水とご飯を一緒に入れることです。「お粥」というと米から炊くイメージですが、米から炊くと目止めとなる粘り気のあるでんぷん質が出てくるまで時間がかかります。
また、吹きこぼれないように弱火で加熱し、様子を見ながら必要であれば少しずつ水を足してお粥を炊きましょう。
小麦粉・片栗粉で目止め
小麦粉や片栗粉でも目止めができます。
鍋の8分目まで水を入れ、小麦粉もしくは片栗粉を水の量の10%程度加えて、よく混ぜます。弱火で30分ほど加熱したら、火を止めましょう。土鍋が完全に冷めたあとで中身を捨てて、水洗いします。
注意点は、吹きこぼれないように差し水を用意して加熱をすることです。沸騰して吹きこぼれる前に差し水をしましょう。
米のとぎ汁で目止め
米のとぎ汁は目止めにも使えます。しかし、お粥の目止めに比べてでんぷん質が少ないので、効果はあまり期待できません。
まずお米のとぎ汁を土鍋の8分目くらいまで入れます。弱火で加熱し、15分〜20分沸騰させたら火を止めましょう。土鍋が完全に冷めてから中身を捨てて、水洗いしたら目止め完了です。
土鍋を長持ちさせるには
土鍋を長持ちさせる方法をご紹介します。
急冷・急熱をしない
土鍋は急に冷やしたり、急に加熱したりしないようにしましょう。ひび割れの原因となり、破損につながります。
完全に乾いてからしまう
使用した土鍋は完全に乾かしてからしまうようにしましょう。水洗いしたあとに拭いただけでは、土鍋の中の水分は残ったままになっています。完全に乾燥しないまましまうとカビや臭いの原因となるので注意が必要です。
定期的に目止めをする
土鍋は使用していると、表面にひびのような模様のようなものができます。これは貫入(かんにゅう)といい、土鍋の味にもなるものです。しかし、貫入には水が染み込む可能性があるので、目止めにより貫入の隙間を埋めておくのがおすすめです。
初めて使うときだけでなく、定期的に目止めをすることで土鍋の良い状態を保ち、長く使えます。
目止めが不要な土鍋もある
すべての土鍋に「目止めが必要」というわけではありません。セラミック加工を施した土鍋など目止め不要のものもあります。土鍋の素材やつくりを確認して、必要に応じて目止めを行いましょう。
目止めをして、土鍋を大切に扱おう
目止めにより土鍋の目を塞ぐことで、ひび割れなどのトラブルを防げます。ご飯や小麦粉など、家庭にあるものを使って簡単に目止めができるので、定期的に目止めをして土鍋を大事に使いましょう。