強肴(しいざかな)とは?名前の由来や内容についてご紹介!
作成日: 2022/08/31
強肴(しいざかな)を初めて聞いた、読み方を知らないという方も多いのではないでしょうか。そんな強肴の名前の由来や内容について、今回はご紹介します。
強肴について
強肴とは、伝統的な和食である懐石料理の献立の1つです。懐石料理では一汁三菜が提供されますが、それとは別に出される和え物、揚げ物、お浸しなどのことを指します。
「強いてもう一品すすめる肴」という意味が語源となっており、亭主がお酒を勧めるにあたり提供する料理のことをあらわしています。
懐石料理の流れと強肴
そもそも懐石料理とは何なのか、詳しくご説明します。
懐石料理の流れ
そもそも懐石料理とは、もともと茶道の催しであるお茶会で提供され、お茶を飲む前にいただく料理です。空腹の状態で濃いお茶をいただくと胃に負担がかかってしまうため、先に料理を食べることでそれを防ぐ目的があります。
基本はご飯、汁物、おかず三品、香の物の「一汁三菜」の形で提供されます。
強肴はその一汁三菜ののちに提供される和え物や揚げ物、お浸しなどで、主に酒の肴となる料理です。お酒を楽しんでほしいという亭主の心の料理とされます。
強肴のメニュー例
強肴は「進肴(すすめざかな)」「追肴(おいざかな)」「進鉢(すすめばち)」または「預鉢(あずけばち)」と呼ばれることもあり、流儀などによってそれぞれ異なります。
懐石料理の一汁三菜が提供された後、口直しとして「箸洗い」と呼ばれるさっぱりとした1品がだされます。その「箸洗い」の前に提供される料理は「強肴」「進(預)鉢」と呼ばれ、後に提供される料理は「進肴」と呼ばれることが多いです。
それぞれの名前の由来については、「進肴」は酒をすすめる肴、「追肴」はさらに追加して提供する酒の肴、「進(預)鉢」はそれらのうち「鉢」に盛りつけられた料理というところからきています。
強肴の料理はさまざまで、お肉やお魚、野菜などを用いた酒の肴となる料理です。調理法も様々で、和え物、煮物、酢の物、揚げ物など特に決まりはありません。
懐石料理の一汁三菜で出される料理は素材の味を楽しむ薄味である分、強肴の料理はお酒に合うよう濃い味付けのメニューが多くなっています。
強肴を知って、懐石料理をもっと楽しもう
お酒を勧める亭主の心である強肴。意味を知ることで、もっと懐石料理を楽しめるのではないでしょうか。懐石料理をたしなむ機会があったときは、ぜひ強肴でお酒を楽しんでくださいね。