酒饅頭とは?発祥から風味の特徴までを徹底解説
作成日: 2023/02/24
スーパーや和菓子屋でもよく販売されている酒饅頭。ふわふわの皮と甘いあんこが美味しい和菓子です。食べたことがある人も多いとは思いますが、酒まんじゅうの発祥や歴史まで知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、酒饅頭の歴史や製法について詳しく解説していきます。また、合わせて、酒饅頭が有名な地域や酒饅頭の風味についてもご紹介します。
酒饅頭(さかまんじゅう)とは
まずは、酒饅頭の歴史や製法について解説していきます。
酒饅頭の発祥・歴史
酒饅頭は饅頭の原点といわれている饅頭です。饅頭としては日本最古の歴史を持ちます。
酒饅頭の起源は、中国の三国志の時代にまでさかのぼります。諸葛孔明が、南蛮征伐を行う際に暴れる河を鎮めるため、人間の頭に代えて小麦の皮で肉を包み、お供えしたものが酒饅頭だったといわれています。
酒饅頭が日本に伝わったのは、その後の鎌倉・室町時代です。留学僧によって日本に伝えられました。精進的な考えから、中身を肉ではなく大豆や小豆などの穀物に変えたと考えられています。
酒饅頭の製法
酒饅頭は米や麹から作った酒種と小麦粉を混ぜた生地で、あんこを包み蒸しあげたものです。糀の発酵力を利用して、小麦の皮を柔らかく膨らませています。
酒饅頭の製造工程が酒を造る工程に似ていることや、仕上がった饅頭自体も酒の香りがすることから、酒饅頭(さかまんじゅう)と呼ばれるようになりました。
酒饅頭は酒の香りはしますが、前述した通りアルコールは含まれていません。酒饅頭からする香りは、麹が発酵した香りなのです。
酒饅頭の主な地域
酒饅頭が有名な地域は、以下のとおりです。
群馬県
群馬県では本糀を用いて作られた、昔ながらの酒饅頭が有名です。自然発酵の糀と独自の技術で、もっちりとした皮を楽しめます。
福井県
福井県で食べられている酒饅頭は、前述した通り、酒饅頭の発祥といわれているものです。福井県では越前三国が北前船で栄えていた頃から伝わる、独自の製法によって作られた酒饅頭が楽しめます。
栃木県
栃木県で有名な酒饅頭は、世界遺産の東照宮・輪王寺・二荒山神社 御用の他、大正天皇日光御用邸にも献上された歴史ある酒饅頭です。糀の豊かな香りの、ふわふわもちもちの皮が楽しめます。
酒饅頭の風味
酒饅頭の皮は酒種を練りこんだ生地を発酵させているため、ふっくらもちもちとした食感が特徴です。
中身のあんこはこしあんが多いため、食べやすくのど越しのいい味わいに仕上がっています。蒸し上げることで日本酒のような華やかな香りが引き立ちます。
酒饅頭は日本最古のお饅頭
酒饅頭は起源が三国志の時代にまでさかのぼるほど、歴史の深い饅頭です。和菓子の中でも目立つ存在ではありませんが、ふんわりもちもちな皮とほのかに香る酒の匂いは、他の饅頭とは一味違う味わいを楽しめます。
ぜひ、酒饅頭と一緒に、ほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。