わっぱ飯とはどんな料理?各地域の特徴と作り方をご紹介
作成日: 2023/05/25
「わっぱ飯」という新潟県や福島県会津地方で味わえる郷土料理をご存知ですか?
ご当地の伝統工芸品でもある器に、美味しいご飯、各地の旬の食材が詰められた「わっぱ飯」は、目でも舌でも楽しめる、魅力あふれる郷土料理です。
この記事では、新潟県と福島県会津地方で食べられる「わっぱ飯」の特徴や作り方を地域ごとにそれぞれご紹介します。
わっぱ飯とは
「わっぱ」とは、薄い木の板を曲げて作られた円筒状の容器のことで、わっぱにご飯やおかずを詰めたものは「わっぱ飯」と呼ばれています。
木で作られたわっぱは、多湿であれば水分を吸収し、乾燥していれば水分を出す性質があります。そのため、わっぱ飯はご飯が炊きたてのようにふっくらと保たれており、冷めても美味しく味わえるのが魅力です。
また、軽くて持ち運びがしやすいという点からも、わっぱは日常の弁当箱としても使われていて、木の香りを楽しみながら見た目も華やかに仕上がると愛されています。
わっぱ飯は1955年頃に新潟県にある「田舎家」という店の初代店主が、
1970年頃に福島県会津にある「田季野」という店の初代店主がそれぞれ考案し、各地域に広まったとされています。
各地域のわっぱ飯の特徴
同じ「わっぱ飯」でも、地域によってわっぱに使用される木の種類やご飯の味、詰める食材などが若干異なります。
ここからは新潟県と福島県会津地方のわっぱ飯の特徴を、それぞれご紹介します。
新潟県
新潟県のわっぱ飯は、杉の板でできたわっぱを使用して作られます。
薄口の出汁で炊き上げたご飯に、鮭、カニなどの海の幸をはじめとした旬の食材をのせて蒸し、最後に醤油漬けにしたいくらをのせる作り方が主流です。
わっぱに詰めた状態で蒸すことで、ご飯と食材の旨味を逃さず、さらに杉の良い香りが全体に移り食欲をそそります。
福島県(会津)
福島県の会津地方で作られるわっぱ飯には、ヒノキの板でできたわっぱを使用します。
ご飯は白飯で、食材は山菜やきのこなどの山の幸も使用するのが特徴です。鮭やカニなどの海の幸が使われる場合もあります。
食材が持つそれぞれの香りや旨味がご飯に染み込み、さらにヒノキの香りが相まって白飯でも風味豊かな奥深い味わいが楽しめます。
見た目も味も抜群な「わっぱ飯」をぜひ味わおう
新潟県や福島県会津地方の郷土料理であるわっぱ飯は、木のぬくもりや香りを感じながら旬の美味しい食材を楽しめる、優しい味わいの郷土料理です。各地を訪れる機会があれば、ぜひご当地のわっぱ飯を味わってみて下さい。
わっぱは器内の湿度を調節してくれるため、冷めてもふっくらと美味しいご飯が食べられるのも魅力のひとつです。
わっぱ飯を特別な日にお店で味わうのはもちろん、普段の弁当箱としてわっぱを使用してみるのもおすすめです。