
うるち米とは?「もち米」や「白米」との違いは?
作成日: 2020/07/08
更新日: 2025/04/28
毎日の食卓に欠かせないお米ですが、「うるち米」や「もち米」「白米」などいろいろなタイプのお米があります。耳慣れた言葉なので気に留めたことがないという人は多いかと思いますが、これらの違いをご存じですか。
こちらの記事では、うるち米の特徴やもち米、白米との違い、うるち米を使ったおすすめのレシピなどをご紹介します。

うるち米とは?
「うるち米」とは、一般的に食べられているお米のことを指します。「コシヒカリ」や「あきたこまち」などはお米の銘柄になり、つまりうるち米の品種にあたるのです。
日本のお米は主にうるち米ともち米の2種類に大別されています。お米の袋に「名称:うるち米」と表記してあるものがほとんどですが、中には「精米」とだけ表記してあるものもあります。これは「うるち」が省略されたもので、正しくは「うるち精米」となるのです。
うるち米の語源
「うるち米」の語源には諸説ありますが、お米の原産地であるインド最古の古典では、古代インドの言語・サンスクリット語に由来するという説が有力視されています。
サンスクリット語で稲は「vrihi(ウリヒ)」と呼ばれており、その音の響きが「うるち」に近いことから語源となり、インドに古くからある言葉という点も信憑性を高めています。
また、「うるち」が「米」を意味する言葉であるなら、「うるち米」は「米米」という意味になってしまうため、もち米と区別するためにこの呼称が定着したとも考えられています。
うるち米と「もち米」の違いは?
うるち米ともち米の違いはお米の成分にあります。お米にはデンプンが含まれていますが、デンプンには「アミロペクチン」と「アミロース」の2つが存在しています。アミロペクチンは水に溶けないデンプンですが、一方のアミロースは水に溶けやすいデンプンです。うるち米のデンプン比率はアミロペクチン:アミロース=8:2なのに対して、もち米はそのほとんどがアミロペクチンで構成されています。
アミロペクチンが多いほどもちもちとした食感となり、餅のような粘りが出るのが特徴です。そのため、もち米はうるち米よりも粘り気があり、うるち米のほうがふっくらと炊き上がります。うるち米の生産者はこれらのデンプンの含有量を考慮して、食感の異なるお米を栽培し生み出しているのです。中には、アミロースの含有量を調整して栽培された「低アミロース米」や「高アミロース米」などの品種も流通しています。
また、うるち米は色が半透明なのに対して、もち米は真っ白で不透明なのも違いです。お米の形状も、うるち米に比べてもち米は丸みを帯びています。
うるち米と「白米」の違いは?
「白米」という言葉もよく聞きますが、うるち米との違いは一体どこにあるのでしょうか。
そもそも、白米とはお米の精製度合いを指す言葉です。一般的にイネ科の種子を総称してお米と呼び、精製度合いによって白米と玄米に分けることができます。白米は玄米から胚芽や糠などを取って精製したお米を指し、対する玄米は精製していないお米を指します。玄米とは稲の籾(もみ)から籾がらだけを取り除いたもので、白米よりも栄養価が高いのが特徴です。
さらに分類すると、アミロペクチンとアミロースのデンプン配合比率によってうるち米ともち米に分類されます。そのため、もち米を精製したらもち米の白米に、精製していないものはもち米の玄米となります。白米を一般的な「白飯」だと思っていた人は多いかもしれませんが、白米とはうるち米ともち米の総称なのです。
うるち米でお餅は作れるのか?
結論から言うと、うるち米でもお餅は作れますが、もち米で作ったお餅のような強い粘りやコシは出ません。
うるち米は、普段私たちが食べているごはんに使われるお米で、炊くとふっくら仕上がる反面、粘り気はもち米に比べて控えめです。
そのため、うるち米でお餅を作ると、弾力やのびの少ないやや固めの仕上がりになります。
昔ながらの「だんご」や「のし餅」の一部では、うるち米を使うこともありますが、やわらかくのびのあるお餅を作りたい場合は、もち米を使うことをおすすめします。
うるち米を使ったデリッシュキッチンのおすすめレシピ
炊飯器で簡単!さつまいもの中華おこわ
もち米だけで作ることが多いおこわにうるち米を加えて、ふっくらと食べやすく仕上げましょう。豚肉や野菜、たけのこなどがたっぷりと入った贅沢な中華おこわです。豚肉にはしっかりと下味をつけるので、肉の旨みもご飯に染み込みます。オイスターソースやごま油のコクと風味で箸が止まらないおいしさ!
おにぎりにしたりお弁当にするのもおすすめです。炊飯器で手軽に作れるのでぜひ試してみてください。
お米をおいしく炊いて毎日の食卓を豊かに
普段何気なく食べているお米ですが、成分や精米度合いの違いなどによって分類されているのです。お米の品種(銘柄)によっても食感が異なるため、いろいろなお米を食べ比べて自分好みのものを探してみるのも良いでしょう。
それぞれのお米の特徴を生かして、お米料理のレパートリーを増やすと毎日の食卓が楽しくなります。