
高知県の珍味「のれそれ」とは?旬の時期や味・食べ方をご紹介
作成日: 2023/08/30
更新日: 2025/09/08
高知県を代表する珍味「のれそれ」を食べたことはありますか?見ただけでは「のれそれ」の正体が何なのかわからないかもしれません。今回は珍味「のれそれ」について詳しくご紹介します。
のれそれについて
のれそれとは?
「のれそれ」とはウナギ、アナゴ、ウツボ、ハモといったウナギ目(うなぎもく)の魚の赤ちゃん(幼生)を指します。幼生とは広義での稚魚のことで、卵からかえったばかりの状態のことです。のれそれは柳の葉のように平たく、親であるウナギ目の魚と同じように長い体をしています。
のれそれの由来
「のれそれ」というユニークな名前は、高知県の漁師さんがウナギの稚魚を捕る際に、その独特な形状から「のれそれ」と呼んでいたことが由来とされています。また、この名前は、土佐弁の「のれそれ」という言葉が語源だという説もあります。
「のれそれ」は、物事がスムーズに進む様子や、手のひらから滑り落ちるようなさまを表す言葉で、ヌルヌルと滑りやすいアナゴの稚魚の様子にぴったりだったため、そう呼ばれるようになったと言われています。
のれそれは地域によって呼び名が異なり、大阪湾や紀伊水道では「ハナタレ」や「ハナタレウナギ」、鹿児島県では「ホタテ」など、方言に由来したさまざまな名前で親しまれています。透明で細長い姿から、春を告げる食材としても知られています。
のれそれの特徴
アナゴと同じく、稚魚であるのれそれも淡白な味わいが特徴です。見た目のとおりつるんとした舌触りとのどごしで、ほのかな甘みも感じられます。
のれそれの美味しい食べ方
続いて、のれそれの美味しい食べ方をご紹介します。
珍味であるのれそれをぜひ味わってみてください。
のれそれの軍艦
のれそれはお寿司のネタとしても使われます。のれそれの軍艦巻きは、しそや生姜との相性がよく、ぷりっとした舌触りも楽しめます。
生食
刺身のように、生で食べられます。ポン酢、酢味噌、わさび醤油などの調味料が、淡白なのれそれとよく合います。鮮度が落ちやすいのでのれそれを生食するときは、購入した当日に食べるようにしましょう。
卵とじ
卵とじの具材として使えます。ふんわりとした卵に、のれそれのつるりとした食感を楽しめます。
茶碗蒸し
のれそれは茶碗蒸しの具材としてもおすすめです。のれそれが淡白な味わいなので、あっさりとした茶碗蒸しに仕上がります。
お吸い物
味にクセのないのれそれはお吸い物やスープにも合わせやすい食材です。ほっとするすまし汁の優しい味に、のれそれのほんのりとした甘味が合いますよ。
のれそれはどこで買える?
のれそれは2月から5月にかけてが旬で、その頃に市場に流通します。漁獲量が少ないので、スーパーなどでは、手軽に手に入りにくい食材です。
のれそれを食べるなら、のれそれを提供しているお店で注文するか、卸売場、もしくは冷凍されたものを通販で購入するのが良いでしょう。
珍味「のれそれ」はウナギ目の稚魚のこと
のれそれとは、アナゴなど、ウナギ目の稚魚のことを指します。つるりとした食感や淡白な味わいが特徴で、刺身や軍艦巻きの具など生食だけでなく、卵料理やお吸い物など加熱する料理にも向いています。見かけた際は、ぜひ1度味わってみてはいかがでしょうか。