DELISH KITCHEN

満漢全席とは何?実在した贅沢すぎる宴会料理について解説します!

作成日: 2024/07/30

「満漢全席(まんかんぜんせき)」という言葉をご存知でしょうか。
満漢全席は、中国の歴史上で最も豪華な宴会料理の一つとして知られています。清朝時代の宮廷で発展し、満州族と漢民族の両方の食文化を融合させたこの宴会は、その豪華さと多彩な料理で世界中の食文化に影響を与えました。ここでは、満漢全席とは何か、どんな食材が使用されたのかについて、詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 満漢全席とは
  2. 満漢全席の食材「四八珍」
    1. 海八珍
      1. 燕窩(ツバメの巣)

      2. 魚翅(フカヒレ)

      3. 烏参(黒ナマコを乾燥させた物)

      4. 広肚(魚の浮袋)

      5. 龍骨(チョウザメの軟骨)

      6. 鮑魚(アワビ)

      7. 海豹(アザラシ)

      8. 狗魚(ナイルパーチ)

    2. 禽八珍
      1. 鵪鶉(ウズラ)

      2. 斑鳩(ハト)

      3. 天鵝(白鳥)

      4. 鷓鴣(シャコ)

      5. 飛龍(キジ)

      6. 彩雀(クジャクまたはフジイロムシクイ)

      7. 紅燕(紅燕の巣)

      8. 紅頭鷹(鷹の一種)

    3. 草八珍
      1. 猴頭菌(ヤマブシタケ)

      2. 羊肚菌(アミガサタケ)

      3. 竹笙(キヌガサタケ)

      4. 花菇(シイタケ)

      5. 銀耳(シロキクラゲ)

      6. 黄花菜(ウコンカンゾウ)

    4. 山八珍
      1. 駝峰(ラクダのコブ)

      2. 熊掌(熊の手)

      3. 猴頭(サルの頭)

      4. 猩唇(シフゾウの頬)

      5. 豹胎(ヒョウの胎盤)

      6. 犀尾(サイの陰茎)

      7. 鹿筋(シカのアキレス腱)

      8. 象抜(ゾウの鼻)

  3. 満漢全席は豪華絢爛な中国清朝時代の饗宴のこと!

満漢全席とは

満漢全席は、数日間にわたり、100種類、もしくはそれ以上にも及ぶ料理を食べ尽くす壮大な饗宴のことです。清朝時代の宮廷で行われ、満州族の料理と漢族の料理のうちの、山東料理から選りすぐった高級な料理のみが提供されました。
その中には、海の幸、山の幸、野鳥、珍しい植物など、非常に多様な食材が含まれており、食材の珍しさと調理技術の高さが際立っていました。しかし、清朝が滅亡すると宮廷内の料理人は四散してしまい、以降このように贅を尽くした饗宴はなくなったとされています。

満漢全席の食材「四八珍」

「八珍」には「豪華な料理」という意味も込められています。四八珍は、満漢全席の中でも特に珍重される食材の総称です。四八珍は、「海八珍」「禽八珍」「草八珍」「山八珍」の4つのカテゴリーに分けられ、それぞれに8つの珍しい食材が含まれています。
以下では、それぞれのカテゴリーに含まれる食材とその特徴について詳しく見ていきます 。八珍は、時代によって異なります。また、現在では狩猟や食すること自体が禁止されている食材もあります。

海八珍

海八珍は、海から採れる珍しい食材の総称です。

燕窩(ツバメの巣)

ツバメの唾液で作られた巣のことです。活性アミノ酸が含まれる高級食材として知られています。

魚翅(フカヒレ)

サメのヒレを乾燥させたもので、食感が特徴です。今でも高級食材として珍重されます。スープで料理されることが多い食材です。

烏参(黒ナマコを乾燥させた物)

ナマコは中国料理では高級食材とされています。乾燥させた後、水や出汁などで戻して調理するため、モチモチとした食感とツルツルとした舌触りが特徴です。煮物やスープなどに調理されます。

広肚(魚の浮袋)

魚の浮袋を乾燥させたもので、煮物などに使われます。魚の種類によりますが、甘みや旨みがあるとされています。

龍骨(チョウザメの軟骨)

チョウザメの軟骨です。コリコリとした食感が特徴で、現在では唐揚げや天ぷらなどで食べられます。

鮑魚(アワビ)

高級な貝類で、特に大きなサイズが珍重されます。肉厚であるほど歯応えがしっかりとしており、濃厚なコクが感じられます。

海豹(アザラシ)

アザラシの肉で、非常に希少です。マグロと牛肉の中間のような味わいで、独特の風味があります。

狗魚(ナイルパーチ)

淡水魚の一種で、白身魚として扱われます。大きいものは体長2mほどになる大きな魚です。淡白な味わいで、現在では焼き物やフライなどで調理されることが多いです。

禽八珍

禽八珍は、珍しい鳥類の食材です。

鵪鶉(ウズラ)

小型の鳥で、肉は柔らかくて美味しいです。現在でも上海などではうずらの肉が食べられることがあります。

斑鳩(ハト)

ハトの肉で、濃厚な風味があります。赤身肉で血が多めのためジューシーでレバーのような濃厚さもあります。

天鵝(白鳥)

白鳥の肉は希少で、特別な料理に使われます。イギリスでも白鳥を食べていたという歴史もあります。

鷓鴣(シャコ)

シャコの一種で、独特の風味があります。現在でも食用として飼育されており、高級な食材として知られています。

飛龍(キジ)

キジの肉で、滋味深い味わいがあります。歯切れの良い食感と上品な脂が特徴です。

彩雀(クジャクまたはフジイロムシクイ)

キジに近い味わいで、部位によっては柔らかく旨みのある味わいです。

紅燕(紅燕の巣)

赤色のツバメの巣で、ツバメの巣の中でも時に高価とされています。通常のツバメの巣と異なり、独特の歯応えがあります。

紅頭鷹(鷹の一種)

鷹の肉は珍味とされています。独特な風味をしています。

草八珍

草八珍は、珍しい植物性の食材です。

猴頭菌(ヤマブシタケ)

キノコの一種で、サクサクとした独特の食感があります。やや苦味がありますが、淡白な味わいです。

羊肚菌(アミガサタケ)

高級キノコで、風味が豊かです。味が濃く濃厚で、アメリカやヨーロッパなどでも高級食材として珍重されています。

竹笙(キヌガサタケ)

竹の中に生えるキノコで、食感が良いです。スープや蒸し物にして食べられることが多い食材です。

花菇(シイタケ)

香りが高く風味も濃厚なことから、満漢全席の食材の一つでもあります。

銀耳(シロキクラゲ)

花びらのようにひらひらとした形のきのこです。古くには銀と同等の価値があったとされました。

黄花菜(ウコンカンゾウ)

黄色い花の一種で、蕾を食べます。シャキシャキとした食感が特徴で、今でも中国で食べられています。

その他、驢窩菌、雲香信があります。

山八珍

山八珍は、山から採れる珍しい動物の食材です。

駝峰(ラクダのコブ)

脂肪が豊富で、焼き物などで提供されることがあります。

熊掌(熊の手)

熊の手は入手が困難で下処理に時間がかかることから非常に高価で、珍味とされています。煮物にするとプルプルとした食感になり、口の中でとろけるような味わいです。

猴頭(サルの頭)

サルの頭部で、脳が食される非常に珍しい食材です。

猩唇(シフゾウの頬)

シフゾウというシカ科の動物の頬肉で、希少な食材です。

豹胎(ヒョウの胎盤)

ヒョウの胎盤で、珍味とされています。

犀尾(サイの陰茎)

サイの陰茎で、珍重された食材です。

鹿筋(シカのアキレス腱)

シカのアキレス腱には、コラーゲンが含まれています。

象抜(ゾウの鼻)

ゾウの鼻で、非常に珍しい食材です。

満漢全席は豪華絢爛な中国清朝時代の饗宴のこと!

満漢全席は、単なる豪華な宴会料理ではなく、中国の食文化の芸術とも言えます。満漢全席こそ絶えましたが、その料理の技術や文化はその後の中国の食文化に大きな影響を与えました。驚くような食材、珍味が並んだ饗宴でしたが、壮大な歴史を感じられますね♪

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