ローゼルとは?特徴から歴史や食べ方までご紹介します
作成日: 2024/09/13
ローゼルは、古代から食用として使用されている植物です。果実の赤色の見た目や酸味のある味わいが特徴です。この記事では、ローゼルの特徴をはじめ、歴史や食べ方、ハイビスカスとの違いなどについて詳しくご紹介します。
ローゼルの特徴
まずはローゼルの特徴について見ていきましょう。
科名と形状
ローゼルは学名ではHibiscus sabdariffaと呼ばれ、アオイ科フヨウ属に分類されます。多年草の植物であり、食用としては成熟したガク片(花の最も下部にある器官)と葉、茎が使われるのが特徴です。日本では九州と沖縄以外においては一年草の植物とされています。
赤色の果実と茎が際立ち、薄い黄色・ピンク色の花びらと緑色の葉を付けるローゼル。草丈は1.5m前後、花びらは直径10cmほどになり、葉には少しぬめりがあります。
原産地
ローゼルの原産地は諸説あります。同じアフリカ内でもエジプトやスーダンなどの東アフリカとする説や西アフリカとする説などがあるほか、中国などのアジアともいわれています。暑さに強い植物のため、熱帯で栽培されることが多い植物です。
ローゼルの歴史
ローゼルは、古代エジプトやインドで「不老長寿の秘薬」として使用されました。特にクレオパトラが美容と健康のために愛用していたことや、ファラオの墓から種子が発見されたこと、タイやインドの伝統医学で活用されてきたことからも、ローゼルが古代から各地域で親しまれていたことがわかります。
また20世紀初頭にブラジルにおける日本人移民が、故郷の梅干しの味を再現するためにローゼルを使用したエピソードもあるように、日本とも馴染みが深い植物です。
ローゼルにまつわる文化
ローゼルは各地域の文化の中で根付いています。タイの少数民族では民族衣装や寺院の建物のデザインのモチーフとして、インドでは花びらが結婚式などの儀式用として使用されています。他にもカリブ海諸国では祝祭に飲料として活用されていることも特徴です。
ローゼルとハイビスカスの違い
ローゼルは同じアオイ科フヨウ属に属するハイビスカスの一種ですが、用途がそれぞれ異なります。一般的なハイビスカスが観賞用途であることに対し、ローゼルは食用として使用されることが特徴です。代表的な用途としてはシロップやジャム、スープなどがあります。
ローゼルの食べ方
ローゼルは食用としていくつかの楽しみ方があり、それぞれに適した使用方法があります。
スープ
スープなどの煮込み料理には葉が使用されます。インドネシアのジャワではカレーの香味料の一つとして用いられているように、その酸味が煮込み料理で活かせます。
サラダ
ローゼルの花びらは生でサラダに入れられます。薄い黄色とピンク色の花びらをサラダに添えることで、見た目にも華やかな一品に仕上がります。
ジャム
ジャムにローゼルを使用する場合は種を取り除いた生のもの、あるいは乾燥させたものを煮詰める方法でできます。お好みによっては、リンゴと合わせるのもおすすめです。
見た目だけでなく食べても楽しめるローゼル
一部の地域において古くから人々の生活に根付いてきたローゼル。その爽やかな酸味を活かして、スープやジャムなど幅広い用途で活躍します。機会があればぜひ試してみてください!