独特の風味を持つ真っ黒い卵ピータンとは?
作成日: 2020/08/07
真っ黒な見た目がインパクト大の「ピータン」。中国料理店などで食べたことがある人もいるのではないでしょうか。独特の風味を持つピータンは、好みが大きく分かれる食べ物といえるでしょう。
こちらの記事では、ピータンの味やにおいの特徴、ピータンの作り方や食べ方、またピータン以外のアヒルの卵を使った食べ物などについて解説します。
ピータンとは?
「ピータン」とは、アヒルの卵を発酵させて作る中国発祥の食べ物です。
卵を木炭や灰、塩などと一緒に粘土で包んで発酵させることにより、白身の部分が真っ黒、中の黄身がグレーに色づいたとてもインパクトのある見た目に仕上がります。ちなみに、ピータンはアヒルの卵だけでなく、鶏卵やうずらの卵などで作られることもあります。
アンモニアのような刺激臭や独特の風味がありますが、決して腐っているわけではありません。人によって好き嫌いが分かれる食材といえるでしょう。
しかし、ピータンならではの旨味もあり、中国ではお粥などに入れて調味料代わりに食べられています。
ピータンの歴史は古く、明の時代には食べ始められたといいます。実は、ピータンはアヒルの卵を灰の中に置き忘れ、約2カ月後に発見されたときに卵が熟成していたという、偶然から生まれた食べ物なのです。
中国や台湾では屋台だけでなく、スーパーやコンビニなどでも手軽にピータンを買うことができます。日本では、中華食材の専門店などで購入できるでしょう。
ピータンの食べ方は?
ピータンの食べ方はまず、卵の殻についている籾がらや粘土などを洗い落とします。殻をむいたら卵をスライスしましょう。そのまま10〜15分ほど置いて空気にさらせば、気になるにおいも薄くなって食べやすくなります。
スライスしたピータンをそのまま食べるのはもちろん、刻んだピータンをお粥に入れたり、冷奴にのせて食べたりするのもおすすめです。冷奴には、お好みでごま油やラー油などを回しかけて食べてみてください。
また、生野菜のサラダと刻んだピータンをドレッシングで和えて食べるのも良いでしょう。
ピータン以外にも!アヒルの卵を使った食べ物とは?
実は、ピータン以外にもアヒルの卵を使った食べ物があるのを知っていましたか。こちらでは、アヒルの卵を使った代表的なものを3つご紹介します。
シエンタン
「シエンタン(鹹蛋)」とはアヒルの卵を塩漬けにしたものです。
卵を塩水に漬けて1カ月ほど寝かせて作られ、東南アジアや中国、台湾などでよく食べられています。そのまま食べるのはもちろん、一度茹でてお粥などと一緒に食べるのが定番だそう。
強めの塩気を生かして、調味料としても使われています。
アヒルの卵で作ったものを「シエンヤータン(鹹鴨蛋)」、鶏卵で作ったものを「シエンジータン(鹹鶏蛋)」と呼びます。
ソウタン
「ソウタン(糟蛋)」とは、アヒルの卵を酒粕などを使ったたれに漬け込んだもので、「粕漬け卵」とも呼ばれています。発酵したソウタンの風味は独特で、とても深みのある味わいになるのが特徴です。
ソウタンが作られるのは中国の浙江省平湖市とされ、ここではエビやカニ、シャコなどを酒に漬けて作る名産品もあります。
チャーダン
「チャーダン(茶蛋)」とは、アヒルの卵をプーアール茶やウーロン茶などの葉で煮出したものです。
作り方はとても手が込んでいて、ゆで卵を固めに作ったら卵の殻にヒビを入れます。この卵をプーアール茶やウーロン茶などの葉、シナモン、八角、こしょうなどの香辛料、調味料などと一緒に煮込むのです。殻に入れたヒビから味をしみこませるのがポイントです。
半日ごとに沸騰させては火を止めてしばらく置くを3日間繰り返してやっと完成します。
中国や台湾ではとても親しまれている食べ物で、中国では街角の屋台やコンビニなどでも購入することができます。
発酵させて作るピータンの旨味を堪能しよう!
中国や台湾では、そのままはもちろん、調味料代わりにも使われているピータン。卵を発酵させることにより保存も可能になり、保存食としても広く親しまれています。
独特なにおいや風味のため敬遠する人も多いかもしれませんが、発酵食品ならではの旨味が感じられる食べ物です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、中華食材店などで見かけた際には購入してみてはいかがでしょうか。