紅茶に含まれているカフェインってどれくらい?
作成日: 2020/09/20
カフェインと聞くとコーヒーをイメージしやすいですが、紅茶にも含まれています。
では、紅茶に含まれるカフェインの量は、コーヒーと比べて多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか?
そこで今回は、紅茶のカフェイン含有量について解説します。さらに、カフェイン摂取による人体への影響や、1日当たりの紅茶摂取量の目安も合わせてみていきましょう。
紅茶のカフェイン含有量
日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、紅茶5gを熱湯360mlで1.5~4分かけて浸出した場合、カフェイン含有量は100g当たり 0.03g(30mg)となっています。
一方コーヒーはどうでしょうか。粉末10gを熱湯150mlで浸出した場合、カフェイン含有量は100g当たり0.06g(60mg)となっています。
つまり、紅茶のカフェイン含有量は、コーヒーの半分ということがみてとれます。
一般的なカップ1杯がだいたい150gだと考えると、1杯当たりのカフェイン含有量は紅茶が約45mgとなり、コーヒーはその倍の約90mgだといえるでしょう。
ちなみに、紅茶に含まれるタンニンやテアニンという成分はカフェインの働きを抑制するため、胃への刺激がコーヒーよりも穏やかだとされています。
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
カフェインの摂取が人体に与える影響
カフェインとは、コーヒー豆をはじめ、紅茶などの茶葉類やカカオ豆、ガラナなどに含まれる天然の食品成分です。
適度なカフェインの摂取は頭が冴え、眠気を防ぐ効果があることが分かっています。これは、神経を鎮静させる物質アデノシンの働きをカフェインが阻害し、神経を興奮させているからです。
カフェインは食品添加物として厚生労働省で認められていることから、眠気覚ましを謳う清涼飲料水やサプリメントなどにも添加されています。
一方でカフェインを過剰に摂取した場合、急性作用として報告されているのは、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などです。
カフェインを長期にわたって摂取した場合の慢性的な作用として、ニュージーランド第一産業省(MPI)では次の3つの懸念を示しています。
1つ目は、肝機能が低下している人の一部で、高血圧になりやすくなるということです。2つ目は、カルシウム摂取量が日常的に少ない人の場合、骨粗鬆症になるリスクが高まるということ。
そして3つ目は、妊婦が摂取した場合、胎児の発育を発育を阻害する恐れがあるということです。
また、米国疾病管理予防センター(CDC)では、カフェインとアルコールを同時に摂取することで、アルコールによる機能の低下をカフェインが隠してしまい、結果的にアルコールの過剰摂取に繋がるとした懸念を示しています。
カフェインが人体にもたらす影響は個人差が大きいため、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は特に設定されていません。しかしながら、国際機関等からカフェイン摂取量に関する注意喚起が出されています。
健康な成人の場合だと、1日400mgまでというのが欧州食品安全機関(EFSA)やカナダ保健省で出されているカフェイン摂取量の目安です。
妊婦の場合だと、欧州食品安全機関(EFSA)ではカフェイン摂取目安は200mgを超えないことが望ましいとされています。
出典:厚労省・農水省・食品安全委員会
紅茶の摂取量目安
最初に解説した通り、紅茶カップ1杯当たりのカフェイン含有量は約45mgです。
各機関から出されている、健康な成人1日当たりのカフェイン摂取量の目安400mgを参考にすると、紅茶だけで1日8杯分くらいにもなります。
しかしながら、茶葉の種類、侵出条件によってカフェインの量が変わることも考えられるうえ、カフェインはほかの食品からも摂取する可能性があることも想定しなければなりません。
それらのことを鑑みると、紅茶は1日3~4杯程度までにとどめておくのがベストだといえるでしょう。
カフェイン摂取量の目安を知り、紅茶の時間を楽しもう
紅茶に含まれるカフェインの量は、一般的なティーカップ1杯で約45mg。コーヒー1杯に含まれるカフェイン量が約90mgであるのに比べると、約半分の量です。
個人差がありますが、カフェインは適度な摂取であれば頭が冴えたり、集中力が増したりする効果が期待できる反面、過剰な摂取でめまいや吐き気など、急性の症状が出てしまうこともあります。
1日3~4杯を目安に、自分に合った紅茶の飲み方を探ってみてはいかがでしょうか。