1日の必要なカロリー量を年齢別まとめ!エネルギーとの違いは?
作成日: 2020/11/25
よくカロリーが高い、低いと言いますが、カロリーとは実はエネルギーの単位なのです。正確にはキロカロリー(kcal)のことなのですが、日常的には「カロリー」と使うことが多いのではないでしょうか。今回はそんなカロリーやエネルギーについて解説します。
1.エネルギーとは
エネルギーとは、生命機能の維持や身体活用によって利用され、最終的に熱として身体から放出されるものです。エネルギー摂取量は食品に含まれる脂質、たんぱく質、炭水化物それぞれに、エネルギー換算係数を用いて算出したものの合計になります。消費されるエネルギーは、基礎代謝、食後の熱産生、身体活動の3つがあります。身体活動は運動を含め、日常生活活動、姿勢の保持等の自発的活動があります。
エネルギー出納バランスは、「エネルギー摂取量ーエネルギー消費量」とされています。エネルギーの摂取量がエネルギー消費量を上回り続けると体重が増加し、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回り続けると体重が減少します。エネルギー産生栄養素は人間の身体になくてはならない栄養素のうち、エネルギー源となる「たんぱく質・脂質・炭水化物」のことで、以前は「三大栄養素」とも言われていました。
2.カロリーとは
食品のエネルギー値は、可食部100 g当たりのたんぱく質、脂質、炭水化物の量(g)に各成分のエネルギー換算係数を乗じて算出されます。その時のエネルギーの単位はキロカロリー(kcal)になります。キロカロリー(kcal)の他にもキロジュール(kJ)という単位があり、kcalからkJへの換算は「1kcal=4.184kJ」となります。
食事でエネルギーを摂取した時は〇kcal摂取、運動等によりエネルギーを消費した時は〇kcal消費したという使われ方をします。
3.1日に必要なカロリーは?
エネルギー必要量とは、「ある身長、体重、体組成の個人が、長期間に良好な健康状態を維持する身体活動レベルのとき、エネルギー消費量との均衡が取れるエネルギー摂取量」と定義されています。
推定エネルギー必要量は身体活動レベル別にⅠ(低い)、Ⅱ(ふつう)、Ⅲ(高い)の3つに分けられます。「Ⅰ(低い)」は生活のほとんどを座位で過ごし、静的な活動の場合。「Ⅱ(ふつう)」はⅠと同じく座って過ごすことが多いが、職場内等での移動や立って作業することがある、また通勤、買い物、家事、軽い運動を行っている場合。「Ⅲ(高い)」は、移動や立って作業することが多く、活発な運動習慣を持っている場合になります。この身体活動レベルや年齢別の推定エネルギー必要量は以下のようになります。
【推定エネルギー必要量:男性】
- 【18~29歳】身体活動レベルⅠ:2300kcal/日、身体活動レベルⅡ:2650kcal/日、身体活動レベルⅢ:3050kcal/日
- 【30~49歳】身体活動レベルⅠ:2300kcal/日、身体活動レベルⅡ:2700kcal/日、身体活動レベルⅢ:3050kcal/日
- 【50~64歳】身体活動レベルⅠ:2200kcal/日、身体活動レベルⅡ:2600kcal/日、身体活動レベルⅢ:2950kcal/日
- 【65~74歳】身体活動レベルⅠ:2050kcal/日、身体活動レベルⅡ:2400kcal/日、身体活動レベルⅢ:2750kcal/日
- 【75以上歳】身体活動レベルⅠ:1800kcal/日、身体活動レベルⅡ:2100kcal/日
【推定エネルギー必要量:女性】
- 【18~29歳】身体活動レベルⅠ:1700kcal/日、身体活動レベルⅡ:2000kcal/日、身体活動レベルⅢ:2300kcal/日
- 【30~49歳】身体活動レベルⅠ:1750kcal/日、身体活動レベルⅡ:2050kcal/日、身体活動レベルⅢ:2350kcal/日
- 【50~64歳】身体活動レベルⅠ:1650kcal/日、身体活動レベルⅡ:1950kcal/日、身体活動レベルⅢ:2250kcal/日
- 【65~74歳】身体活動レベルⅠ:1550kcal/日、身体活動レベルⅡ:1850kcal/日、身体活動レベルⅢ:2100kcal/日
- 【75以上歳】身体活動レベルⅠ:1400kcal/日、身体活動レベルⅡ:1650kcal/日
カロリーはエネルギーの単位!
普段何気なく使っているカロリーとはエネルギーの単位のことです。これは食事を摂取したエネルギーや運動で消費したエネルギーにも使えることがわかりましたね。食品表示に記載されている「熱量〇kcal」はエネルギーのことです。食品の表示等、身近なところに「kcal」が使われているので、いつも使っている食品の表示でも確認することができますよ。
【出典】
・eーヘルスネット:エネルギー産生栄養素
・食事摂取基準 (2020年版)