DELISH KITCHEN

食育とは?どんな取り組みをしているか知っていますか?

作成日: 2020/01/31

「食育」という言葉を聞いたことはありますか?近年は保育園から学校、企業、地域など様々な場所で食育に関する取り組みがされています。地産地消、食品ロス等の言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。これらも食育に関係しています。食は毎日に関わることだからこそ、年代を問わず大切なことです。まず食に対して興味や知識を深めていくのもいいですね。今回は食育とは実際どんな取り組みをしているのかをまとめました。

目次

  1. 1.食育とは?
  2. 2.食育推進基本計画とは?
  3. 3.毎年6月は食育月間
  4. 4.栄養教諭とは?食育の取り組みからできた制度
  5. 普段の生活にも取り入れられる食育

1.食育とは?

食育とは、食や食文化を通して健康な心と身体をつくるための教育です。知育、徳育、体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができるようになることが大切になります。

生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむ食育を推進するため、施作を総合的かつ計画的に推進すること等を目的として平成17年に食育基本法が施行されました。また令和2年度までは第3次食育推進基本計画が推進されています。実際に食育とはどのような取り組みをしているのか、基本的な方針や目標については、食育推進基本計画に定めています。

2.食育推進基本計画とは?

平成28年度から令和2年度までの5年間は「第3次食育推進基本計画」が推進されています。これまでも食育推進基本計画は推進されていたのですが、今回「第3次食育推進基本計画」の重点課題として以下の5つがあります。

1.若い世代を中⼼とした⾷育の推進
2.多様な暮らしに対応した⾷育の推進
3.健康寿命の延伸につながる⾷育の推進
4.⾷の循環や環境を意識した⾷育の推進
5.⾷⽂化の継承に向けた⾷育の推進

1.若い世代を中⼼とした⾷育の推進
それぞれ世代によっても食に対する興味や問題点が変わってきます。これから将来を担う若い世代への食育は次世代にも繋がっていくので大切になってきますね。それに伴い、SNSでの情報発信や身近な場所で食に触れる環境づくりも大切です。

2.多様な暮らしに対応した⾷育の推進
社会環境の変化や生活スタイルの多様化に伴い、1人で食事をする「孤食」や家族がそれぞれ違うものを食べる「個食」等の増加も懸念されています。そのためコミュニケーションや豊かな食体験に繋がる「共食」を通じた食育が推進されています。栄養のある食事や温かな団らんを子供たちに提供する「子供食堂」が全国各地に広がっていますが、この「子供食堂」も共食の機会を提供できる食育の場になっています。

3.健康寿命の延伸につながる⾷育の推進
これからも平均寿命は伸びていくことが予想されているので、健康寿命を延ばしていく事も大切ですね。平均寿命と健康寿命の差が縮まることは生活の質を向上させるためにも重要とされています。健康づくりや生活習慣病予防・改善にも食育は大切な取り組みです。企業によっては社員食堂のメニューにヘルシーメニューや減塩メニューを取り入れて日々の食事の栄養バランスに配慮しているところもあります。家庭でも栄養のバランスを考えた食事をみんなで食べることは立派な食育になりますね。

4.⾷の循環や環境を意識した⾷育の推進
日本の食料自給率は約4割。そのため残りの約6割は輸入に頼っている状況なのです。日本の食料自給率は先進国の中では最低水準となっていることをご存知でしょうか。そんな状況でも日本は年間2801万トン(平成24年度推計)もの食料廃棄物を排出しており、世界全体の食料援助量である約400万トン以上の食品ロスが出ています。食品製造工程で発生した規格外の食品を福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」も食品ロス削減のため重要な取り組みの1つです。

5.⾷⽂化の継承に向けた⾷育の推進
日本の食文化を改めて見直し、次世代に伝えていく取り組みもされています。平成25年にはユネスコ無形文化遺産に和食が登録されるなど、世界からも注目が高まっていますね。保育園や学校、病院などの施設でも郷土料理や行事食、餅つき等日本の食文化に触れる機会がありますが、これも立派な食育の1つになります。

これらの課題により、いろいろな食育が行われています。

3.毎年6月は食育月間

食育推進基本計画では毎年6月を「食育月間」としています。地方公共団体や民間団体などの協力を得て、毎年「食育推進全国大会」を開催したり、食育推進のイベントなどを積極的に実施しています。

令和2年の食育推進全国大会は愛知県で行われます。食育活動表彰、シンポジウム、講演会、ステージイベントなどがあり、食育についてみんなで考え触れ合える機会になっています。今回は小学生の絵画コンクール、中学生や高校生による料理レシピコンテストもありますよ。

4.栄養教諭とは?食育の取り組みからできた制度

食育は家庭や地域だけではなく学校での取り組みも大切です。そこで学校で食育を推進するために平成17年度から栄養教諭制度が施行されています。
栄養教諭は食に関する指導と給食管理を行い、給食と食に関する指導を行います。食生活の多様化が進み、朝食をとらない子どもの食生活の乱れが指摘されています。将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事についての正しい知識に基づき「食の自己管理能力」や「望ましい食習慣」を子どもたちに身につくよう指導を行います。

栄養教諭の配置は全ての学校に配置義務があるわけではありません。全ての義務教育諸学校で給食を実施しているわけではないことや、地方分権の趣旨等から、地方公共団体や設置者、都道府県教育委員会の判断によって配置されます。

普段の生活にも取り入れられる食育

食育は難しいことではなく、毎日の食事からでも取り組むことができます。ごはん作りの買い物に行った時は地産地消になるよう地元のものを購入することも食育の1つです。料理は残さず食べる、食材の無駄な廃棄をなくすことも食品ロスに繋がりますね。ごはんを作るときに栄養のバランスを考えてメニューを決めることも食育の1つです。またスーパーや飲食店、企業等が開催している食育イベントに参加してみるのもおもしろいですよ。普段の生活の中にも意外と食育になることがたくさんあります。ぜひこの機会に食育について考えてみてください。

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