白醤油とは?白だしや薄口醤油との違いもご紹介
作成日: 2021/10/27
スーパーなどに並んでいる醤油には、濃口醤油や薄口醤油など複数の種類がありますが、美しい琥珀色が特徴の「白醤油」をご存じでしょうか。
今回は、薄口醤油や白だしと混同されがちな、白醤油についてご紹介します。白醤油の特徴や使い方をはじめ、ほかの種類の醤油や白だしとの違いも解説するので、参考にしてみてください。
白醤油について
早速、白醤油の特徴や、ほかの醤油との違いについて確認してみましょう。
白醤油とは
白醤油の主な産地は愛知県碧南市で、醤油のなかでは最も淡い琥珀色をしています。白醤油が淡い色になるのは、大豆をほとんど使用せず、小麦を主原料としているからです。熟成期間も短いため、あっさりとした旨味となっています。
白醤油とほかの醤油の違い
一般的に知られている濃口醤油は、主に関東で古くから使われており、全国的に製造されています。同じ割合の大豆と小麦を使用し、攪拌して食塩水を加えたら数年間熟成させます。
煮物や炒め物などの調理に使うだけでなく、料理にかけるなど幅広い使い方ができる醤油です。濃厚な旨味ととろみが特徴の溜醤油は、蒸した大豆に麹を加えて味噌玉を作り、食塩水を仕込んだら攪拌せずに発酵、熟成させます。
しっかりとした旨味やとろみがあるため、寿司や刺身につけたり照り焼きに使ったりするのにぴったりな醤油です。溜醤油の主な産地は中部地方です。
再仕込み醤油は、通常であれば大豆と小麦に食塩水を加える工程で、食塩水ではなく加熱していない醤油を加えて熟成させます。醤油を醤油で仕込むため香りや味わいが濃厚で、寿司や刺身につけるほか、冷奴にかけるなど卓上醤油にもおすすめです。主に、山陰地方から北九州地方にかけて製造されています。
薄口醤油は関西地方でメジャーな種類です。基本的には大豆や小麦に食塩水を加えて製造しますが、なかにはそこに米を加えて製造しているものもあります。熟成期間がほかの醤油よりも短いため、色が薄く香りもおだやかです。色や香りは抑えられているものの、塩分濃度は濃口醤油よりも高くなっています。
薄口醤油は白醤油に近い色をしていますが、原料が異なります。薄口醤油は大豆と小麦を同じ割合で使用するのに対し、白醤油の原料は主に小麦です。また、白醤油は、薄口醤油よりも熟成期間がさらに短く、熟成期間にも違いがあります。
なお、一般的に色が濃いのは再仕込み醤油、溜醤油、濃口醤油、薄口醤油、白醤油の順番です。
白醤油の使い方
白醤油はクセがなくあっさりとした旨味と、薄口醤油よりもさらに色が淡いことが特徴です。あっさりとした旨味と淡い色は、素材の味や色を活かせるというメリットがあります。
例えば、炊き込みご飯やお吸い物、茶碗蒸しに使うと、素材の色が際立ちます。彩りをアップさせるために、えびやきぬさや、グリーンピースなどカラフルな食材を使っても、醤油が染み込んで本来の色が出ないことがありますよね。
白醤油なら素材の色が活きるので、一層華やかな仕上がりになります。お弁当の卵焼きにほうれん草や桜えびを加えて色を添えたい、というときにもぴったりです。
うどんやおでんに使うと、だしの風味を楽しめる上品な味わいになります。やさしい色と風味は、炒め物や煮物の隠し味として使うのもおすすめです。また、塩代わりに使って、いつもとは違った素材の風味を楽しむこともできます。
ちょっと意外かもしれませんが、バニラアイスに白醤油をさっとかけると、甘みが際立ちコク深く上品なバニラアイスになりますよ。
白醤油と白だしの違い
白だしも白醤油とよく似ているため混同しがちですが、全く違う調味料です。そもそも、白だしは昆布や鰹節からとっただしに、薄口醤油や白醤油、みりん、砂糖などを加えてつくります。
白醤油は純粋な醤油であるのに対し、白だしはだしと醤油を組み合わせた調味料というイメージです。白だしには液体タイプと粉末タイプがあり、液体タイプは白醤油と同様に色が薄いものの、味はしっかりついています。
そのため、用途に応じて希釈して使用するのが基本です。色が似ているからといって、白醤油の代わりに同じ分量の白だしをそのまま使うと、濃い味付けになってしまうので注意しましょう。
一方、だしに白醤油を加えて、白だしの代わりに使用することは可能です。粉末タイプの白だしは、使用する量を調節しながらそのまま使います。
なお、こちらのページでは、白だしの特徴や作り方をご紹介しているので、参考にしてみてください。
白醤油で素材の色や風味を活かした料理を!
白醤油は小麦を主原料とした醤油で、あっさりとした旨味とおだやかな香りが特徴です。色が似ている薄口醤油や白だしとはまた違った味わいがあります。白醤油を使うと、素材の色や風味を活かした料理ができあがりますよ。
地域によってはあまりなじみのない種類かもしれませんが、より料理を楽しむためにも、ぜひ取り入れてみてください。"