泉州名物・水なすとは?食べ方やレシピもご紹介
作成日: 2021/11/04
贈答用の漬物としてデパートや高級スーパーでよく見かける「水なす」。水なすとは泉州地方(大阪府)で古くから栽培されていた伝統野菜を品種改良したものです。
甘く瑞々しい水なすは、漬物のほか、そのまま食べても、またあえものにしても美味しくいただけます。この記事では、水なすの産地や旬、食べ方についてご紹介します。
水なすについて
水なすとは
水なすとはなすの品種のひとつで、通常のなすより水分量が多いのが特徴です。なすの産地である新潟や熊本などでも生産されていますが、大阪南部の泉州地方で生産されている「泉州水なす」は特に有名です。
皮が薄い水なすはとても艶やかで、見た目はずんぐりとした卵型。普通のなすよりアクが少ないため生食も可能で、噛むときめ細かいスポンジ状の果肉から水分がジュワッと溢れ出します。この食感を活かした泉州水なすのぬか漬けは泉州の名産品として高い評価を受けています。
水なすの旬
露地栽培されている水なすの旬は5月から8月にかけてです。水なすは栽培が難しいうえ表面に傷がつきやすいので生産量が少なく、産地以外ではあまり見かけないかもしれません。ビニールハウス栽培の水なすは通年で出荷されています。
水なすのおすすめの食べ方
水なすは普通のなすのように焼き浸しや煮物にしても美味しく食べられますが、生のままで食べられる特性を活かしてみましょう。水なすのおすすめの料理法をご紹介します。
そのまま
水なすは皮が薄く果肉が柔らかいので、ヘタを切り落としたら手で裂くだけで簡単に食べられます。お刺身のようにしょうゆをかけて食べると、とても甘くて瑞々しいことに驚かされます。かつお節をのせるのもいいでしょう。
また、しょうゆの代わりにオリーブオイルと塩を振って食べると、水なすのわずかな苦味をオイルがうまく包んでまろやかになります。そのほか、ポン酢しょうゆや柚子胡椒で食べるのもおすすめです。
ぬか漬け
水分をたっぷり含んでいる水なすも普通のなすと同じように漬物にできます。ただし、素材を塩で揉んで作る浅漬けは水なすの水分を抜いてしまうのであまりおすすめできません。
水なすの瑞々しさを存分に楽しみたいのであれば、水なすの表面に塩を少しすり込んで丸ごとぬか漬けにするのがおすすめです。水なすにほのかな酸味がついてさらに美味しくなります。
なお、市販の水なすの漬物のなかには、短時間ぬか漬けにしたものや調味液に漬けたものを「浅漬け」として販売していることもあります。
あえものにする
水なすは水分量の多さを活かして胡麻あえや梅肉あえにするのもおすすめです。食べやすい大きさに裂いた水なすに千切りにした大葉や茗荷、きゅうりを加え、三杯酢であえるのもいいでしょう。
また、スライスした水なすとトマト、アボカド、水切りした豆腐をお皿に交互に並べて塩と胡椒を振り、オリーブオイルを回しかけるとカプレーゼ風のサラダになります。
伝統野菜の流れを汲む水なすを味わおう
水分をたっぷり含んだ水なすは、昔から夏場の水分補給として食べられてきました。その瑞々しさを活かしたぬか漬けやあえものは、普通のなすとは一味違い、暑くて食欲のないときでも食が進みます。
生産量が少ない水なすを産地以外で入手することはなかなか困難ですが、もし見かけることがあればこの記事を参考に食卓に取り入れてみてはどうでしょうか。