てんぐさ(天草)とは?ところてんや寒天の栄養もご紹介
作成日: 2022/01/25
つるっとした食感のところてんや独特の歯ごたえがある寒天。これらにはてんぐさという食材が大きく関わっています。少しベージュがかった白い繊維のような見た目で、お菓子などの材料として使われているものです。
この記事では、てんぐさについて解説するとともに、てんぐさが使われているところてんや寒天のカロリー、栄養などをご紹介します。
てんぐさについて
てんんぐさについて詳しくご紹介します。
てんぐさとは
てんぐさは、ところてんや寒天の原材料になる海藻の総称です。そのため、てんぐさという名前の海藻はなく、生産地によっておもに「マクサ」や「オオブサ」などの海藻が使われています。
ところてんと寒天は材料がてんぐさであることは同じですが、その違いは製造方法にあります。ところてんはてんぐさの煮汁を冷やし固めたものです。一方、寒天はところてんを凍らせて、さらに乾燥させたものになります。
ところてんはシンプルな製法のため、海藻独特の風味が楽しめます。寒天は一度水分を抜いて乾燥させることから、海藻の匂いが少ないのが特徴です。そのため、さまざまな料理やお菓子に使いやすくなっています。
【ところてん】
【寒天】
てんぐさの生育地
てんぐさは日本各地と朝鮮半島に広く生息しています。特に多いのは太平洋岸や伊豆諸島などです。
てんぐさの歴史
てんぐさは万葉集にも記載があるほど歴史の深い食べ物で、おもに交易の品物として使用されていました。それとともにところてんの歴史も古く、正倉院の木簡に記されている記録によると、奈良時代にてんぐさが貢物として都に送られていたことが分かっています。
ところてん・寒天のカロリーと栄養
てんぐさから作られた、ところてんと寒天のカロリー、栄養についてそれぞれご紹介します。
ところてん
ところてん、可食部100gあたりの数値は以下の通りです。
・カロリー…2kcal
・炭水化物…3g
・食物繊維…0.6g
・ナトリウム…2mg
・カルシウム…4mg
・カリウム…4mg
・ヨウ素…240μg
・水分…99.1g
寒天
寒天、可食部100gあたりの数値は以下の通りです。
・カロリー…3kcal
・炭水化物…2g
・食物繊維…1.5g
・ナトリウム…1mg
・カルシウム…2mg
・カリウム…10mg
・ヨウ素…21μg
・水分…98.5g
てんぐさを使ったところてんや寒天には、ナトリウムやカルシウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルが含まれています。そのなかでも、ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るために必須の栄養です。甲状腺ホルモンは乳児の成長や妊娠期、授乳期に必要なホルモンです。
てんぐさはところてんや寒天の原材料になる海藻の総称
ところてんや寒天の原材料となるてんぐさは、海藻の総称であり古い歴史のある食べ物です。さまざまなミネラルが含まれ、甲状腺ホルモンを作るために必須であるヨウ素もそのひとつです。
食感が楽しめるところてんや寒天は、どちらもてんぐさから作られていますが製造方法に違いがあります。それぞれ風味が異なるので食べ比べてみるのもよいでしょう。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』ヨウ素
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/03.html)(2022/01/25)