DELISH KITCHEN

「塩味」とは?3つの読み方や効果・塩分の控え方などについて解説

作成日: 2022/06/17

料理の味付けの基本となる「塩味」。塩といえば摂り過ぎると良くないイメージがありますが、調理の上ではさまざまな効果をもたらします。また、塩味は人間が感じる味覚の「基本五味」のひとつでもあります。

この記事では「塩味」の読み方やそれぞれの意味、効果などに加え、塩分を摂り過ぎないための工夫についても解説します。

目次

  1. 塩味の読み方と意味
  2. 5つの味覚
  3. 塩の成分
  4. 塩の調理効果
    1. 脱水・浸透作用
    2. 対比効果
    3. 抑制効果
  5. 塩分を抑える工夫
    1. 香りや風味を増やす
    2. 塩味は後からつける
    3. 麺類の汁を残す
  6. 味付けの基本「塩味」は摂り過ぎにも注意が必要

塩味の読み方と意味

料理に関する「塩味」という単語には三つの読み方があり、それぞれ異なる意味があります。

まず「しおあじ」は、塩で付けた味のことを指します。「えんみ」という場合は料理の塩加減、つまりさじ加減のこと。「塩梅(あんばい)」ともいい、単なる塩の味のことではありません。「しおみ」は、料理に含まれる塩の味を指し、「塩気(しおけ)」や「しおあじ」とも似た意味で使われています。

5つの味覚

人間が感じる基本的な5種類の味のひとつが塩味です。「塩味」「甘味」「酸味」「苦み」「うま味」の5つの味覚は「基本の五味」「5つの基本味」などと呼ばれています。

塩味は料理でも重要な要素を持つ味で、「しょっぱい」もしくは「塩辛い」などと表現されます。このような塩味を感じさせる成分の代表的なものが塩(塩化ナトリウム)です。塩は醤油や味噌、ソースなどさまざまな調味料に含まれています。

塩の成分

塩の主成分は塩化ナトリウムです。塩には「食塩」や「粗塩」などの種類があり、塩事業センター及び日本塩工業会の品質規格によると、塩化ナトリウム99%以上含むものが「食塩」、塩化ナトリウム95 %以上のものが「粗塩(天然塩)」とされています。その他、塩にはカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル類が含まれています。

塩の調理効果

塩には調理する上でさまざまな効果があります。

脱水・浸透作用

塩には脱水や浸透作用があります。例えば野菜に塩をまぶすと、水分が出ると同時に塩味がしみ込みますよね。これは野菜の細胞の外と内の浸透圧の違いを利用したものです。

浸透圧とは、濃度の違う二種類の液体が半透膜を隔てて接しているとき、水が濃度の高い方へ移動しようとする力のこと。動植物の細胞膜もこの半透膜の性質を持っているのです。

このような浸透圧の原理を利用した料理が漬物です。詳しくはこちらをご参照ください。

また、コンビニなどで購入できる殻付きの塩味ゆで卵も、浸透圧の違いを利用して作られています。卵の殻には、目には見えませんが非常に小さな穴が多数開いています。ゆでたての熱い卵を、冷たい飽和食塩水(溶かすことのできる最大量の塩を加えた濃い食塩水)に漬け込むことで、浸透圧により卵の中に塩味が入り込むのです。

例として塩味のゆで卵の作り方をご紹介します。詳しくはこちらをご参照ください。

対比効果

スイカに塩をかけて食べると、甘さが引き立って美味しいと感じる方も多いかもしれません。このように二つの味を混ぜ合わせたときに、どちらか一方の味を強める効果が「対比効果」です。

甘いものとは真逆の味を加える、つまり塩を加えることで甘味が強くなります。和菓子などに使うあんこに塩を加えるのも、この効果を得るためです。

抑制効果

二つの味を混ぜ合わせたときに、一方の味を弱める効果を「抑制効果」といいます。酢の物や寿司酢などに塩を加えると酸味を抑えられるのは、この効果によるものです。

塩分を抑える工夫

塩分といえば「高血圧」を連想する方も多いでしょう。健診などで血圧が高いことを指摘され、塩分を控えるようにしているという方もいらっしゃるかもしれません。健康な日本人が当面目標とすべき1日当たりの食塩摂取量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満となっています。

しかし、2018年の調査によると20歳以上の食塩摂取量は、1日当たり平均2g程度(濃口しょう油に換算して小さじ2杯強に相当)上回っているのが現状です。

ここでは、減塩のために意識しておきたい調理法や食べ方などをご紹介します。

香りや風味を増やす

減塩にしなければならないからといって、ただ塩を減らしただけでは物足りない味付けになってしまいますよね。そのような場合は、酢やレモン汁などの酸味を使ったり香辛料の風味を活かしたり、しそやねぎ、にんにく、しょうがなどの香味野菜を活用したりしましょう。

酸味や辛味、独特の風味を持つ食材を利用することで、薄味でも美味しく食べられますよ。

塩味は後からつける

醤油やドレッシングなどの調味料は「かける」よりも「つける」ことを意識してみましょう。調味料を別皿にとって、少しずつつけて食べることが減塩につながりますよ。

麺類の汁を残す

ラーメンやそば、うどんなどの麺類を食べる機会が多いという方は、汁を残すようにするだけでかなり食塩の摂取量を減らすことができます。

味付けの基本「塩味」は摂り過ぎにも注意が必要

料理の基本である「塩味」は、人間の味覚の基本となる5つの味のひとつ。また、塩味は「しおあじ」や「えんみ」「しおみ」と読み、それぞれの読み方によって意味も違ってきます。塩には調理する上で多くの利点があり、料理にとってなくてはならないものです。しかし、日本人にとっては摂り過ぎも問題になっているため、減塩も意識しながら毎日の料理に役立ててみましょう。

【参照】
・厚生労働省e-ヘルスネット 「栄養・食生活と高血圧」(2022/06/17)

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