鴨肉(真鴨・合鴨・アヒル)のカロリーは?味の特徴や栄養をご紹介
作成日: 2022/08/01
日本料理では「鴨鍋」や「鴨そば」などとして知られている鴨肉。フランスではジビエとして親しまれており、クセ少なく食べやすいことからも人気の食材となっています。しかし、一口に鴨肉といってもさまざまな種類があることをご存じでしょうか。
この記事では、食用にされている代表的な鴨(カモ)の違いに加え、鴨肉のカロリーや栄養をご紹介します。
鴨肉のカロリーを比較
一般的に鴨肉と呼ばれているのは「真鴨真」「合鴨」「アヒル」の3種類です。それぞれの100gあたり、1切れ20gとした場合のカロリーを見てみましょう。
〈真鴨(生・皮なし)100gあたり〉
・カロリー 118kcal
〈真鴨(1切れ20g)あたり
・カロリー 約24kcal
〈合鴨(生・皮つき)100gあたり〉
・カロリー 304kcal
〈合鴨(1切れ20g)あたり〉
・カロリー 約61kcal
〈アヒル(生・皮つき)100gあたり〉
・カロリー 237kcal
〈アヒル(1切れ20g)あたり〉
・カロリー 約47kcal
鴨肉のカロリーを比較してみると、野生の鴨である真鴨のカロリーが一番低いことが分かります。
真鴨・合鴨・アヒルの特徴と栄養
鴨肉と呼ばれる「真鴨」「合鴨」「アヒル」のそれぞれの特徴や栄養をご紹介します。
真鴨とは
真鴨とは、野生の鴨のことです。狩猟により捕獲する必要があるため、国産の真鴨が流通することはあまりありません。フランスでは、狩猟によって捕獲した野生鳥獣の肉である「ジビエ」が親しまれており、真鴨も含まれています。
渡り鳥として越冬のため飛来する真鴨は、日本では冬の味覚として食べられていた歴史があります。
味の特徴と料理
長い距離を飛来する野生の鴨の肉は、身が締まった脂の少ない赤味で、鴨独特の素朴な味わいと血の味が強いのが特徴です。代表的な料理は、日本で冬の味覚とされてきた「鴨鍋」や「鴨のコンフィ」などがあります。
真鴨の栄養
真鴨に含まれる栄養は以下の通りです。
〈真鴨(生・皮なし)100gあたり〉
・たんぱく質:23.6kcal
・脂質:3.0g
・食物繊維:0g
・炭水化物:0.1g
・ナトリウム:72mg
・カリウム:400mg
・リン:260mg
・鉄:4.3mg
・ビタミンB1:0.40mg
・ビタミンB2:0.69mg
合鴨とは
合鴨は、野生の鴨である真鴨と「アヒル」を掛け合わせた交配雑種。食用として改良された家禽で、鴨肉として流通するものの多くはこの合鴨です。
味の特徴と料理
脂の乗ったこってりした味わいと、厚みのある肉が特徴の合鴨。クセも少なく柔らかいため人気の食材でもあります。比較的安価で手に入りやすく、鴨南蛮そばや鴨のローストなどが自宅でも楽しめます。
合鴨の栄養
合鴨に含まれる栄養は以下の通りです。
〈合鴨の栄養(生・皮つき)100gあたり〉
・たんぱく質:14.2g
・脂質:29.0g
・食物繊維:0g
・炭水化物:0.1g
・ナトリウム:62g
・カリウム:220g
・リン:130g
・鉄:1.9g
・ビタミンB1:0.24mg
・ビタミンB2:0.35mg
アヒルの特徴と栄養
アヒルの特徴について見ていきましょう。
アヒルとは
真鴨を家畜化し、家禽化したものがアヒルです。アヒルの歴史は約3000年前にさかのぼります。アヒルは大型で卵もよく産んだため、世界各地で品種改良され料理に活用されていました。日本に伝わったのは12世紀頃であるといわれています。
味の特徴と料理
柔らかい肉質が特徴ですが、脂が多く肉が薄いため北京ダックに使用されることが多いようです。
アヒルの栄養
アヒルに含まれる栄養は以下の通りです。
〈アヒルの栄養(生・皮つき)100gあたり〉
・たんぱく質:14.9g
・脂質:19.8g
・食物繊維:0g
・炭水化物:0.1g
・ナトリウム:67mg
・カリウム:250mg
・リン:230mg
・鉄:1.6mg
・ビタミンB1:0.30mg
・ビタミンB2:0.26mg
手に入れやすい鴨肉は「合鴨」カロリーが低いのは「真鴨」
フランスではジビエのひとつとして人気の鴨肉は、日本でも鴨鍋などとして親しまれています。流通している鴨肉の多くは合鴨ですが、真鴨やアヒルも鴨肉に含まれており、3種類の鴨肉の中で一番カロリーが低いのは、野生の鴨である真鴨です。
合鴨は比較的入手しやすいため、ご家庭でも鴨肉を味わってみてくださいね。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)