DELISH KITCHEN

コハダ(小鰭)とは?コノシロとの関係や旬・食べ方などをご紹介

作成日: 2022/08/29

更新日: 2022/08/31

江戸前寿司の光り物として知られることも多い「コハダ(小鰭)」。
コハダは、他にも様々な呼び方で呼ばれることがあり、同じ魚を指していると知らない方も多いかもしれません。
この記事では、コハダとコノシロの関係や、名前の由来、栄養価、美味しい食べ方などをご紹介します。

目次

  1. コハダ・コノシロ・シンコは同じ魚
    1. 基本情報
    2. 名前の由来
  2. 産地と旬
  3. コノシロの栄養
  4. 選び方
  5. 食べ方
    1. 江戸前寿司
    2. 郷土料理
    3. その他
  6. コハダを使ったDELISH KITCHENのレシピ
    1. コハダのなます風
    2. おさかな手まりずし
  7. 新鮮なコハダを様々な料理で楽しもう♪

コハダ・コノシロ・シンコは同じ魚

コハダ・コノシロ・シンコは全て同じ魚のことを指します。基本情報や名前の由来などについて見ていきましょう。

基本情報

コハダは、ニシン目ニシン科コノシロ属に分類される海水魚です。
コハダは大きさによって名前が変わる出世魚で、その年に孵化した5~8cmくらいまでの幼魚を「シンコ(新子)」、8~10cmくらいの頃を「コハダ(小鰭)」、11~15cmくらいまでの頃を「ナカズミ」、16cm以上の大きさになると「コノシロ(鮗・鰶・鯯・鱅)」と呼ばれます。

地域によっては、若魚の名前として「ツナシ」「ハビロ」「ドロクイ」「ジャコ」などと呼ばれることもあります。

コハダは、背ビレの後ろ端が糸のように長くなっているのが特徴的です。白身でうま味がありますが、とても小骨が多い魚です。

名前の由来

コノシロは、秋祭の寿司に広く使われたことから、「祭りで食べる魚」として漢字で「鰶」と表記されます。

コノシロの名前の由来は、江戸時代に大量に穫れて「飯の代わりにする魚」ということから「飯(こ)」の「代(しろ)」となったという説や、子どもの健康を祈って埋めた風習から「児の代」となったという説など、諸説あります。

産地と旬

幼魚であるシンコは、6月下旬の梅雨の終わり頃から7月上旬の梅雨明け頃に初荷を迎えます。8月ごろまでの夏が旬となりますが、獲れる期間が短いため、値段が高く高級魚として扱われています。

そしてその後、佐賀県有明海、広島県・徳島県瀬戸内海、愛知県三河湾、静岡県駿河湾、東京湾内湾、石川県七尾湾などの産地で、それぞれの時期にコハダが水揚げされます。コハダの旬は、8月から9月頃となります。

成魚であるコノシロはほぼ通年水揚げされていますが、晩秋から冬にかけて脂が乗って美味しい旬の時期と言われています。コノシロは韓国でも食べられていて、「ジョノ」という名称で親しまれています。釜山から南西部の旧盆には欠かせない食材となっています。

コノシロの栄養

コノシロの可食部100gあたりに含まれている主な栄養素は、以下の通りです。

エネルギー 146kcal 
たんぱく質 19.0g
脂質 8.3g
カルシウム 190mg
鉄 1.3mg
ビタミンB12 10.0mg
ビタミンB6 0.33mg

たんぱく質のほか、カルシウムや鉄などのミネラルや、ビタミンB12などのビタミンも含まれています。ビタミンB12は、水溶性のビタミンの一種でたんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。また、正常な赤血球の生成に欠かせない栄養素です。

選び方

鮮度の良い選び方のご紹介をします。

コハダやコノシロは鮮度落ちが早い魚なので、選ぶ際は鮮度を見極めるようにしましょう。鮮度が落ちてくると目に血が滲んだように赤くなってくるので、目が赤くないものを選ぶと良いです。

また、全体に鱗がきれいに付いていて、腹が銀色に光っているものも鮮度が良い証拠です。

食べ方

コハダやコノシロの食べ方をご紹介します。

江戸前寿司

成魚であるコノシロは小骨が多いので、シンコなどの若魚やコハダなどの幼魚の方が江戸前寿司として好まれます。身が小さいシンコは捌くのに手間がかかりますが、珍重されています。コハダは寿司屋でも良く扱われています。どちらも酢締めして使われることが多いようです。

郷土料理

コハダやコノシロは郷土料理に使われることも多く、各地で親しまれています。

・東京「コハダの粟づけ」
東京都内全域で食べられている、代表的なおせち料理の1つです。クチナシで黄色に色付けされた粟と漬けて「五穀豊穣」を願い、縁起の良い食べ物として正月に食べられています。


・熊本県「コノシロの姿寿司」
八代地域で食べられている、正月や祝い事に欠かせない料理です。郷土料理として道の駅や物産館に並ぶなど、地元の人だけでなく観光客にも人気があります。

その他

成魚であるコノシロは小骨が多いですが、酢漬けにすることで柔らかくなるので食べやすくなります。他にも、揚げ物や焼き物、煮付けなど様々な調理方法で楽しむことができます。

コハダを使ったDELISH KITCHENのレシピ

コハダを使って作るレシピをご紹介します。

コハダのなます風

コハダの白色に人参の赤色が映える、色鮮やかな1品。酢締めされたコハダを使うと、下処理をする手間が省けてより手軽に作れます。甘酢と和えて、さっぱりと美味しくいただけます。

おさかな手まりずし

パーティーや祝いごとにもぴったりな可愛い手まり寿司は、ラップを使うことでご家庭でも簡単に作ることができます。酢締めされたコハダや醤油漬けのイクラ、数種類の刺身を用意してきゅうりなどで飾れば、自分好みの手まり寿司が完成です。

新鮮なコハダを様々な料理で楽しもう♪

出世魚であるコハダは、大きさによって呼び方が異なります。また地域によっても様々な呼び方で呼ばれ、その名の由来も諸説あるようです。

コハダは鮮度落ちが早い魚なので、新鮮なコハダの見分け方をきちんと知っておくことが大切です。江戸前寿司として有名ですが、コハダの粟漬けやコノシロの姿寿司などの郷土料理としても使われます。ぜひ、様々な料理で楽しんでみてくださいね。

【参考】
厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』 ビタミン B12 (2022/08/29)

【出典】
日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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