塩引き鮭とは?塩抜き方法やおすすめの料理もご紹介!
作成日: 2020/06/16
普通の塩鮭とは異なる「塩引き鮭」を知っていますか。その立派な見た目から、お中元やお歳暮などの贈答品としても人気があります。実は、塩引き鮭は一部の地域でしか製造販売されない名産品なのです。
こちらの記事では、塩引き鮭の特徴や新巻鮭との違い、塩抜き方法、塩引き鮭を使ったおすすめの料理などについてご紹介します。
塩引き鮭とは?
「塩引き鮭」とは、新潟県村上地方の名産品として知られる鮭です。
地元近海で獲れたオス鮭の内臓を取り出し、粗塩をすり込んで一定期間寝かせるのが特徴で、その後水洗いして数週間干したものです。時間をかけて熟成することで旨味が増し、姿が立派なことから贈答品としても人気があります。
村上地方では、塩をすり込むことを「塩を引く」というため、塩引き鮭と呼ばれるようになりました。寒風に晒された鮭の身はギュっと締まりますが、皮は縮まないのが特徴です。塩引き鮭の旬は10〜12月頃といわれています。産卵のために戻ってきた鮭は身が締まり、脂ものっているので最高の状態なのです。塩引き鮭は、魚の鮮度を保って獲れたてのおいしさをそのまま保存できる優れた食材です。
塩引き鮭と新巻鮭の違いは?
一般的に塩鮭として出回っているのは「新巻鮭」です。こちらは内臓を取り除いた鮭を塩漬けし干したものですが、塩引き鮭とは使用する塩の量が異なります。ほとんどの新巻鮭は「甘塩」とよばれる塩気を抑えたもので、一方の塩引き鮭には大量の塩が使われるためしょっぱいのが特徴です。塩を多く使う理由としては長期保存ができることや、長期熟成の際に旨味を引き出すことが挙げられます。また、熟成の期間も異なり、塩引き鮭のほうが長期間干して作られます。
これらのことから、どちらも塩漬けして干すという工程を経ますがまったくの別物といえるのです。
ちなみに、新巻鮭という名前の由来には、「塩を粗く巻いて作ったから(粗巻)」「荒縄で巻いて作ったから」「藁で巻いて作った(藁巻)ものが訛った」など諸説あります。現在では「新巻」という字が使われていますが、これは「その年の新物の鮭」という意味のようです。
塩引き鮭の塩抜き方法は?
しょっぱい塩引き鮭をそのまま食べられないという場合には、食べる前に塩抜きして使うことをおすすめします。
塩抜きの方法としておすすめなのが「迎え塩」です。真水に浸けたほうが塩気が抜けるように思えますが、塩引き鮭と真水の塩分濃度が異なるため、真水に浸けると鮭が水を吸い込んでしまうのです。そうすると塩分と一緒に鮭の旨味も抜け出て水っぽくなるので気をつけましょう。
鮭の塩加減にもよりますが、迎え塩は濃度1〜1.5%程度の塩水に5時間程度鮭を浸けておきます。薄めの塩水に浸すことで、適度な塩分を残しながら余分な塩気を抜くことができるのです。
塩引き鮭を使ったおすすめ料理3選
焼き魚
塩引き鮭のおいしさをダイレクトに味わうためには、やはりシンプルに焼いて食べるのがおすすめです。鮭の塩加減と旨味は、白ご飯との相性も抜群!お好みで大根おろしやレモンを添えてどうぞ。塩気が強いので醤油は必要ないでしょう。
チャーハン
焼いた塩引き鮭をほぐしてご飯や野菜と炒めれば、あっという間に完成するチャーハン。卵を入れれば鮭の塩気をマイルドにしてくれます。子どもも大好きな一品です。
お茶漬け
ささっと手軽に食べられることから、地元でも人気なのがお茶漬けです。焼いた塩引き鮭をほぐし、ご飯の上に鮭や千切りにした大葉、刻みのりなどをお好みでのせてお茶を注いで食べましょう。夜食やお酒を飲んだ後のシメにもおすすめです。
旨味がたっぷりの塩引き鮭を堪能しよう
長く熟成することで旨味が凝縮する塩引き鮭。新潟では馴染みの深い鮭ですが、他の地域ではなかなかお目にかかることがないでしょう。インターネットでお取り寄せもできるので、気になる人はチェックしてみてください。塩引き鮭のおいしさを生かした焼き魚やチャーハンなどを作って、家庭でもぜひ味わってみてはいかがでしょうか。