清酒と日本酒の違いって?特定名称種の種類についても解説します!
作成日: 2023/08/29
更新日: 2024/01/11
みなさんは「清酒」について説明してください!
と言われてすぐにパッと答えられますか?
何となく日本酒のイメージはありますよね?
この記事では清酒とはどんなお酒なのか、日本酒とはどう違うのか、どんな種類があるのか、などなど説明したいと思います!
清酒について詳しくなった人はプチ自慢してみてくださいね♫
こちらの記事でご紹介する内容は、アルコールを含む飲料に触れています。
未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
清酒とはどんなお酒?
まずは、清酒とはどのようなお酒なのかさっそく詳しく解説します。
清酒の定義
「清酒」の定義は、酒税法において以下のように定められています。
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)
七 清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
このように、「清酒」と呼ばれるお酒の定義は法律で決まっています。
理解しやすいようにまとめると
・お米・米麹・水を入れて発酵させて造られたもの、もしくは、お米・米麹・水・その他原料(アルコールなど)を入れて発酵させて造られたもの
・アルコール度数が22度未満のもの
以上2つに該当するものが清酒と呼ばれます。
日本酒とは何が違う?
清酒の定義をみる限り、日本酒と同じ意味なのでは?
と思う人もいるかもしれません。
実は日本酒は清酒の中の1つなのです。
日本酒とは、清酒のうち、原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造されたものを指します。
外国産の材料を使用した清酒、日本国外で醸造された清酒は「日本酒」という表記を用いることができません。
つまり、日本で作られたお米を使って、日本で製造されている清酒のことを日本酒と呼ぶわけです。
そうすると、海外のお米を使った清酒や海外で製造された清酒はあるの?と疑問に思うかもしれませんね。
実は海外のお米で作られる清酒や日本のお米を提供して海外で製造する清酒もたくさんあり、それらは海外で「SAKE」と称されています。
海外でも「SAKE」づくりは一定の地域で行われており、日本の蔵元や作り手の方がSAKEづくりに協力したりしています。
話を戻すと、海外でつくられるSAKEは清酒であっても日本酒にはならないということになります。
「私たちが普段飲んでいるものは、実は日本酒ではないの?」と心配をする必要はありません!
普段スーパーやコンビニ、お酒の専門店や居酒屋などで提供されているお酒はほぼ全て「日本酒」といってよいでしょう。
海外で製造されたSAKEはそもそも流通されているものが少なく、ラベルなどに英語が使われていたり、デザインもワインのようなラベルをしているものが多いので、すぐに日本酒とは違うとわかります。
そのため、日本人が一般的に判断をする分には清酒=日本酒と考えてよいでしょう
日本酒にはどんな種類がある?
先ほど日本の米で、日本で製造されている清酒が日本酒であるという説明をしました。
ですがひとくちに日本酒といってもいろんなブランドがあり、いろんな味わいがありますよね?
そこで、ここからは清酒の種類についてご紹介します。
ここでいう清酒の種類とは先ほど説明したように日本酒の種類とだと理解していただいて問題ありません。
さらに「特別名称酒」の種類について解説します。
少し細かいですが、日本酒は通称、普通酒と特別名称酒に分けられます。
特別名称酒として分類される条件は以下です。
・米、米麹、醸造アルコール以外の原料を使用せず、また醸造アルコールの使用量は白米重量の10%以下であること
・3等以上に格付けされた玄米、またはそれに相当する玄米を精米して使用していること
・米麹の使用割合が15%以上であること
まとめると、より原料を厳選した日本酒が特別名称酒になれますが、さらにその中でも製法の違いによっていくつかの種類に分けることができます。
特別名称酒には日本酒のラベルに「日本酒」ではなく特別な表記をされます。
居酒屋や酒屋などで売られている日本酒のラベルを見てみると、「純米酒」「大吟醸」などの文字を見たことがありませんか?
実はこの表記が特別純米酒の種類にあたります。
これから詳しくみていきます!
特定名称酒は大きく2つに分けられる
清酒を日本酒と日本酒以外に分け、日本酒を普通酒と特定名称酒にわけましたが、特定名称酒はさらに「醸造アルコールあり」のお酒と「醸造アルコールなし」で作られるお酒に分けられます。
細かくいえばさらに吟醸造りに分けられますが、まずはこの2つに分かれるということを覚えてください。
また、先に説明をすると、日本酒は精米したお米をどれだけ使用できるか、そして発酵・熟成させるのにどれだけ繊細にかつ時間をかけて作業をするかで味わいが変化します。
この2つのポイントもふまえて読んでみてください。
醸造アルコールありの特定名称酒
醸造アルコールありの特定名称酒について説明します。
文字通り、米や米麹に加えて醸造用のアルコールが入った日本酒です。
これからご紹介する種類の日本酒を見かけたら、お米や米麹以外にアルコールが入っているんだと思ってください。
本醸造酒
本醸造酒とは、精米歩合70%以下のお米や米麹、及び醸造アルコールや水を原料にして作られた日本酒です。
精米歩合とは玄米の部分をどれぐらい磨けているかということを表す割合をいいます。
本醸造酒の場合、精米歩合は70%ということなので、玄米部分が70%、白米部分が30%という意味合いになります。
醸造アルコールそのものはかなり辛口であることが一般的なので、本醸造酒も辛口な味わいのものが多いのが特徴です。
本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、使用するお米の重量の10%以下と決められています。
お米の甘みを感じつつも、キリッととした辛味や爽快感を味わうことができます。
特別本醸造酒
特別本醸造酒とは、精米歩合60%以下又は特別な製造方法をとったお米や米麹、及び醸造アルコールや水を原料にして作られた日本酒です。
本醸造酒とは違って、よりお米を磨いている分雑味が少なく、クリアな味わいです
ちなみに「特別な製法」とは、より低温で熟成させるといったことや、厳選された米のみを使用するなど、醸造元でも様々な方法があり、これといった明確な規定はありません。
そのため日本酒を作る蔵元で違いが出るのも特徴の1つです。
吟醸酒
まず吟醸酒とは何かを説明します。
吟醸酒とは、精米歩合60%以下の米(白米部分が40%以上)、米麹、醸造アルコールを原料にして、吟醸造りを用いて作られた日本酒です。
吟醸造りとは、お米や発酵させるための酵母をより厳選する、精米方法に高度な技術を用いる、低温で長時間かけて発酵させる、などより特別な製造方法を用います。
低温で長時間かけて発酵させることで生まれるフルーティーな香りや味わいが特徴です。
吟醸造りは醸造アルコールありの日本酒でも、なしの日本酒でも用いられていますが、醸造アルコールがありの場合で吟醸造りを用いてつくられた日本酒を「吟醸酒」と呼びます。
大吟醸酒
大吟醸酒とは、精米歩合50%以下の米、米麹、醸造アルコールを原料にして作られた日本酒です。さらに精米歩合が高いため、吟醸造りによるフルーティーな香りや色沢が特に強く、雑味のないおいしさを感じることができます。
醸造アルコールなしの特定名称酒
続いては醸造アルコールなしの特定名称酒について解説します。
上で説明した通り、米と米麹だけで作られる日本酒です。
純米酒
純米酒とは、米、米麹、水を用いて作られた日本酒で、使うお米の精米歩合にかかわらず、醸造アルコールを用いず水と米、米麹のみを原料とする日本酒であれば、純米酒と呼ぶことができます。醸造アルコールが入っていない分米の味わいを感じをすっきりと感じることができます。
特別純米酒
特別純米酒とは、精米歩合60%以下の米、米麹、水を用いて特別な醸造方法で作られた日本酒です。「特別な醸造方法」とは、特別本醸造酒と同様、醸造元により様々で規定はありません。米の旨味を楽しむために作られたまろやかなもの、すっきりとしたものなど、その醸造元のコンセプトに沿った様々なお酒があります。
純米吟醸酒
純米吟醸酒とは、精米歩合が60%以下の米と米麹、水を用いて、吟醸造りで作られた日本酒です。吟醸酒との違いは、醸造アルコールを使っていない点です。米のみから作られているため、米本来のまろやかな旨味、コクを味わえるのが特徴です。さらに吟醸造り特有のフルーティーな香りも加わるため、よりジューシーな味わいとなります。
純米大吟醸酒
純米大吟醸酒とは、精米歩合が50%以下の米を用いて、吟醸造りでつくられた日本酒です。
白米部分を半分以上使っているため、より濃厚なお米の甘みを楽しめます。中には80%以上が白米のものを使用している純米大吟醸もあります。
ここまでの説明でわかる通り、吟醸造りで丁寧に時間をかけて造られているだけでなく、精米にも多くの時間をかけていることから、それだけお酒としての価値は高いです。
当然美味しさは種類によって違いがあり、本醸造酒や特別本醸造酒でも美味しい日本酒はたくさんあります。
そのため純米大吟醸酒が一番美味しいというわけではありませんが、純米大吟醸酒は特定名称酒の中の最高位にあたります。
いかがですか?なんとなく聞いたことがある人も多いかと思いますが、具体的な違いや製造方法までは知らなかったという人も多いのではないでしょうか?
わかりにくいと感じる方のために、種類分けの図を載せますので、日本酒を購入される方はぜひ参考にしてみてください。
清酒の種類ごとのおすすめの飲み方
次に、清酒の種類により異なるおすすめの飲み方をご紹介します。
本醸造酒
本醸造酒はすっきりとした味わいのため、冷酒または常温で飲むのがおすすめです。くせが少なくすっきりとしているため、料理とともに嗜むのにもぴったりです。
純米酒
純米酒は、温めることで米の濃厚さが際立つため、熱燗で楽しむのがおすすめです。反対に、すっきりとした味わいを楽しみたい場合は冷やして飲むと飲みやすくなります。純米大吟醸酒などは、芳醇な香りと旨味が楽しめる華やかさがあるため、お祝いの席にもぴったりです。
吟醸酒
吟醸酒は、そのフルーティーな香りを存分に楽しむため、冷酒で飲むのがおすすめです。あたため過ぎてしまうと、香りが飛んでしまうことがあります。芳醇な香りがあるため、和食以外にも洋食に合わせてもしっくりときます。
清酒の特徴や種類を知って楽しもう
一言に清酒といっても、様々な特徴や種類があります。ぜひお好みやシーンに合わせて、お好きな清酒を楽しんでください。
【参照】
国税庁「清酒の製法品質表示基準」
酒税法(昭和二十八年法律第六号)(2023/08/29)