DELISH KITCHEN

「日本三大そば」とは?特徴や産地・違いも解説!

作成日: 2023/12/26

日本の食文化に欠かせない食べ物のひとつであるそば。古くから親しまれてきた食べ物で、さまざまな種類があります。特に有名なのが日本三大そばですが、どのようなそばかご存じですか?この記事では、日本三大そばの特徴や発祥、食べ方についてご紹介します。

目次

  1. 日本三大そばとは
  2. 岩手のわんこそば
    1. わんこそばとは・特徴
    2. 発祥
  3. 島根の出雲そば
    1. 出雲そばとは・特徴
      1. 割子そば(冷)

      2. 釜揚げそば(温)

    2. 発祥
  4. 長野の戸隠そば
    1. 戸隠そばとは・特徴
    2. 発祥
  5. 日本三大そばを味わってみよう

日本三大そばとは

「岩手のわんこそば」「島根の出雲(いずも)そば」「長野の戸隠(とがくし)そば」が日本三大そばといわれています。日本三大そばがどのような基準で決まったのかは、実ははっきりとしていません。「新潟のへぎそば」が日本三大そばのひとつとして挙げられる場合もありますが、一般的には、こちらの3つが日本三大そばとして知られています。

日本三大そばはそれぞれ特徴があり、味わいや食べ方にも違いがあります。それぞれのそばについて詳しくみていきましょう。

へぎそばについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

岩手のわんこそば

岩手のわんこそばの特徴や発祥についてご紹介します。

わんこそばとは・特徴

わんこそばとは、岩手県盛岡市と花巻市を中心とする郷土料理です。お給仕さんがお椀に一口分のお蕎麦を入れてくれます。食べ終わると「はい、どんどん!」や「はい、じゃんじゃん!」の掛け声とともに次の一口分が追加され、これを満腹になるまで繰り返します。お椀にフタをするのがごちそうさまの合図です。

この地域では、お椀や木地椀のことを「わんこ」と呼ぶ習慣があり「わんこそば」という名がつきました。年始年末などにわんこそばの早食い競争が行われるのを見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。わんこそばといえば早く食べなくてはいけないイメージがあるかもしれませんが、本来はテンポよく食べなくても大丈夫です。

お店によっては、とろろ、ねぎ、のり、刺身、山菜など、さまざまな具材や薬味がのっています。薬味とともにわんこそばをゆっくり味わってくださいね。

発祥

わんこそばの発祥にはいくつかの説があります。元々この地域では客人をお蕎麦でもてなす習慣がありました。客人が多くても熱々のお蕎麦を食べてもらうために少量ずつ配ったのがわんこそばの始まりです。

盛岡が発祥という説では、内閣総理大臣の原敬(はら たかし)が故郷である盛岡に帰った際、「そばはわんこで食べるに限る」と言ったことが由来だといわれています。

また、花巻が発祥という説では、初代盛岡藩主の南部利直(なんぶ としなお)公が、花巻に立ち寄った際に、平椀に盛られたそばを気に入って何度もおかわりしたことが由来だといわれています。

わんこそばは細くてコシがあり、喉越しがよいのが特徴です。つゆや薬味で味を変えると飽きずに食べられますよ。

島根の出雲そば

続いて、島根の出雲そばの特徴や発祥についてご紹介します。

出雲そばとは・特徴

出雲そばとは、島根県出雲地方の郷土料理です。殻のついたそばの実をそのまま挽いた「挽きぐるみ」という製法で作られています。殻ごと挽いているのでそば独特の香りや風味が強く、見た目も黒っぽくなり栄養価も高いです。

出雲そばには「冷たい”割子(わりご)そば”」と「温かい”釜揚げそば”」があります。それぞれの特徴についてみていきましょう。

割子そば(冷)

割子そばとは、赤色の円くて平たい漆器が三段に積み上がったそばのことです。江戸時代に使われていた木などで作られた使い捨てのお弁当箱である割篭(わりかご)にそばを盛り付けたのが由来だといわれています。

まず薬味とそばつゆを一段目のそばにかけて食べます。一段目で食べ終わったつゆは二段目にかけて、二段目に食べ終わったつゆは三段目にかけて食ベるという食べ方です。食べ進めるごとに、そばの旨味がつゆに溶け出し深い味わいになります。

食べ終わったら、残ったつゆに蕎麦湯を入れて飲むのがおすすめです。

釜揚げそば(温)

釜揚げそばとは、器にそばと蕎麦湯が入った状態で食べる温かいお蕎麦のことです。その中につゆや薬味を入れて好みの味に調整して食べます。そばの風味と旨味が凝縮された蕎麦湯が、冷えた体に染みる寒い時期に人気のお蕎麦です。

発祥

出雲そばの発祥は、江戸時代に松江藩の松平直政(まつだいら なおまさ)公が、信州からそば職人を連れてきたことがきっかけだといわれています。釜揚げそばは出雲地方の神社で行われる祭事の屋台で振舞われるようになり、出雲そばが広まっていきました。

長野の戸隠そば

最後に、長野の戸隠そばの特徴や発祥についてご紹介します。

戸隠そばとは・特徴

戸隠そばとは、長野県戸隠地区で作られるそばのことです。信州はそばの栽培に適しており、信州そばは全国的にも有名でさまざまな種類があります。戸隠そばは他の信州そばと比べて盛り付け方が特徴的です。

通常のそばは、ゆでた後に水で締めて水を切りますが、戸隠そばは水をほとんど切らずに盛り付けます。そばの束を「ぼっち」と呼び、5、6束のそばを円形のざるに盛り付けた「ぼっち盛り」が戸隠そばの代表的な盛り方です。

戸隠そばの薬味には辛味大根が欠かせません。辛味大根のピリッとした辛さがそばの味を引き立てます。

発祥

戸隠そばの発祥は長野市北部にある戸隠山です。戸隠山は平安時代より山岳信仰の聖地で、山を訪れる修行僧は携帯食として蕎麦粉を持ち、水にといて食べていました。江戸時代に入ると「そば切り」の技術が伝わり、修行者へのおもてなしとして、そばが振る舞われるようになりました。

現在の戸隠神社でも「そば献納祭」や「戸隠そば祭り」が開かれるほど、戸隠そばは地域の人たちに親しまれています。

日本三大そばを味わってみよう

日本三大そばとは岩手県のわんこそば、島根県の出雲そば、長野県の戸隠そばのことです。いずれもその地域の風土や文化が反映された個性豊かなそばです。機会があれば、ぜひ日本三大そばを味わってみてくださいね。

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