韓国料理のスンデって何?見た目や気になる味についてご紹介
作成日: 2023/12/15
韓国の屋台料理である「スンデ」とは、どのような料理か知っていますか。韓国を旅行したことがある人なら、屋台に並んでいるソーセージのような食べ物を見たことがあるかもしれません。切り口が赤黒くインパクトのある見た目なので、どのような味がするのか想像がつかないという人も多いでしょう。
この記事では、韓国料理のスンデについて、見た目や味の特徴について解説します。スンデの食べ方についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
スンデとは ?
ここからはスンデの見た目や味、食感などの特徴や、いつ頃から食べられるようになったかという歴史について解説します。
概要
「韓国式ソーセージ」とも呼ばれるスンデとは、もち米や唐麺(タンミョン)、香味野菜、豚の血を混ぜたものを豚の腸に詰めた料理です。唐麺(タンミョン)とは韓国の春雨で、さつまいものデンプンを原料にしたものです。茹でたり蒸したりして調理し、ぶつ切りやスライスした状態で提供されます。
さまざまなメニューが並ぶ韓国屋台のなかでも、スンデはラーメンや韓国おでんと並ぶ人気料理です。
スンデには地域によってさまざまな種類があり、付ける調味料も異なります。ソウルなど韓国の北部では、シンプルに塩をつけて食べられますが、釜山など南部では「マッチャン」と呼ばれる味噌ダレや、アミエビの塩辛に付けます。
見た目
材料に豚の血を使っているため、赤みがかった黒色をしています。レバーのような色や特徴的な形から、食べるのを躊躇される方もいるかもしれません。長くトグロを巻いている様子は、大変インパクトがある見た目です。
味
スンデは地域やお店によって味が異なりますが、豚の血やもち米などのほかに香味野菜が入っているため、ハーブの香りを効かせたソーセージのような味です。赤黒い色から「味が濃い」と想像されることもありますが、それほど濃くなくホルモンの旨みやコクが感じられます。
豚の血や腸を使っているため「血生臭い」と思われるかもしれませんが、香味野菜の風味が効いているためそれほど気になりません。
食感
むっちり、もっちりとした弾力のある食感が特徴的です。材料に唐麺(タンミョン)が使ってあることが多く、もちもちとした食感が楽しめます。また、厚みのある皮はコリコリとした噛みごたえのある食感です。
歴史
スンデは韓国発祥の料理ではなく、もともとはモンゴルの料理だと言われています。1200年代、韓国周辺には「高麗(コリョ)」という国がありました。そこに侵攻してきたのがモンゴルです。スンデは、高麗に侵攻してきたモンゴルの兵士が持ち歩いていた携帯食でした。
一時モンゴルに支配されていたときに、豚の腸に食材を詰めたスンデの原形が広まったと言われています。
スンデの基本の食べ方
スンデは茹でたり蒸したりしたものを、塩や辛みのあるソースに付けて食べるのが一般的です。ここからは、スンデに付ける調味料とその味わいについてご紹介します。
塩(胡椒)につけて食べる
シンプルに塩をつけて食べるのは、ソウルなど韓国北部に多い食べ方です。塩をつけることで、スンデのコクやホルモン特有の甘みが際立ち、いっそう美味しく食べられます。塩だけでなく胡椒や唐辛子の粉を混ぜて、スパイシーさや辛みをプラスしたものを付ける場合もあります。
アミの塩辛につけて食べる
エビの旨みが効いたアミの塩辛も、スンデに付ける調味料としておすすめです。アミの塩辛は「アミ」と呼ばれる小さなエビを塩辛にしたもので、韓国ではキムチのヤンニョムやナムル、スープなど多くの料理に使われます。エビの旨みと塩辛さが、スンデの旨みを引き立てます。
チョジャンにつけて食べる
チョジャンとは、甘辛さと酸味が特徴の韓国風の酢味噌です。味噌にコチュジャンやお酢、砂糖、生姜、ニンニクなどの調味料を加えて作られます。韓国では蒸し豚や豚足など、豚肉料理に付けて食べられます。甘酸っぱい味噌の風味がさわやかさをプラスするので、スンデの風味が苦手という方でも食べやすいでしょう。
トッポギソースにつけて食べる
トッポギのソースは、コチュジャンやケチャップをベースにニンニクなどで風味をプラスした甘辛い味が特徴です。韓国の屋台では、トッポギと一緒にスンデを注文することも多く、余ったトッポギのソースにスンデを付けて食べることもあります。
ニンニクの風味やケチャップの旨みがスンデの風味を引き立て、絶妙な美味しさです。
スンデを調理する食べ方
スンデは蒸したり茹でたりしたものをそのまま食べる以外にも、スープの具としても調理されます。ここでは、スンデを使った2種類の料理をご紹介します。
スンデクッパ
スンデクッパは、豚骨スープにスンデや唐麺(タンミョン)、ネギなどを入れて煮込んだスープで「スンデクッ」とも呼ばれます。温かい豚骨スープに、もっちりとしたスンデの食感がやみつきになる美味しさです。スンデの風味を和らげるためにニラ、または味噌やコチュジャンを加えて食べることもあります。
スンデポックム
スンデポックムは、にんじんやもやしなどの野菜やホルモン、餅(トッ)、唐麺(タンミョン)にスンデを加えて炒めた鉄板料理です。たくさんの食材が入っているので、具沢山で食べ応えがあります。
甘辛いコチュジャンソースで味付けしたものが一般的ですが、コチュジャンソースを加えていない「白スンデ」は辛いものが苦手な方に人気があります。
スンデの種類
スンデは地域によって材料や作り方が異なり、その種類は15種類以上にものぼると言われています。基本のスンデは豚の腸に食材を詰めますが、江原道(カンウォンド)の「オジンオスンデ」は、豚の腸の代わりにイカの胴体に食材を詰めます。
また、咸鏡道(ハムギョンド)で有名なのが、冷凍して内臓と骨を抜き取ったスケトウダラに食材を詰めた「トンテスンデ」です。
DELISH KITCHENのスンデのレシピ
ここからは、おすすめのスンデレシピをご紹介します。手に入れやすい材料で作れるレシピなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
イカのスンデ
イカの胴体に具材を詰めた、オジンオスンデ風レシピです。スーパーなどで手に入りやすい食材を使うので、挑戦しやすいレシピです。牛肉の旨みや野菜の出汁が染み込んだ豆腐が、味わい豊かです。ピリ辛のヤンニョムダレにつけて味わいましょう。
見た目を裏切る美味しさ!スンデを味わってみよう
スンデとは、豚の腸にもち米や唐麺(タンミョン)、香味野菜を混ぜて詰めた韓国風ソーセージです。豚の血が入っているため、赤黒い色をしていることが特徴です。見た目のインパクトの強さから敬遠する方もいますが、屋台で見かけたときにチャレンジして、その美味しさにやみつきになる方も多くいます。
本場ではスンデは、塩やアミの塩辛、チョジャンなどに付けて食べられます。スンデは、地域によってさまざまな種類があることも特徴のひとつです。
ここでご紹介したレシピを参考に、ぜひご自宅で自家製スンデを味わってみてはいかがでしょうか。