ビールと発泡酒の違いとは?わかりやすく解説します!
作成日: 2024/07/12
更新日: 2024/07/16
ビールと発泡酒は見た目や味が似ているため、違いが分かりにくいかもしれません。しかし、その違いを知ることで、自分の好みに合ったお酒を選ぶ助けになります。この記事では、ビールと発泡酒の違いを麦芽の使用比率や副原料、酒税などのポイントに分けて詳しく解説します。
ビールとは・発泡酒とは
ビールや発泡酒は、主に麦芽、ホップ、水、酵母を原料としたアルコール飲料です。麦芽を発酵させることでアルコールと炭酸ガスを生成し、ホップが香りと苦味を加えます。
製造する際の「麦芽の使用比率」「副原料の種類」「副原料の使用比率」で、ビールなのか発泡酒なのかが分かれます。
ビールとは
麦芽使用比率が50%以上、且つ定められた副原料の重量合計を、麦芽の重量の5%まで含んだ飲料のことです。
副原料には、麦、米、トウモロコシ、馬鈴薯、デンプン、果実、コリアンダー(種を含む)、香辛料(胡椒、シナモンなど)、ハーブ(カモミール、レモングラスなど)、が含まれます。
ビールは一般的な発泡酒に比べて麦芽の風味が強く、豊かな味わいが特徴です。
発泡酒とは
発泡酒は麦芽比率が50%未満、または麦芽比率が50%以上で規定量を超える副原料が使われた飲料と定められています。
発泡酒は、麦芽以外の副原料を幅広く使用できます。
発泡酒は製法の自由度が高く、さまざまな風味や特徴を持つ製品が作られます。
第3のビール(新ジャンル)とは
第3のビールには2つの種類があります。
①麦芽を使用していない
②発泡酒に、別のアルコール飲料(スピリッツなど)を加えたもの
麦芽の使用比率を抑えられるため、課税される酒税が安くなり、親しまれやすいとされています。しかし、2026年には酒税法改正により酒税は一律になります。
ビール・発泡酒・第3のビールの酒税
ビール類の酒税は麦芽使用比率に基づいて決まります。現在は以下のようにジャンルによって酒税が異なります。しかし、2026年の酒税法改正後の税率は「一律54.25円」に統一される予定です。
※350mlあたり・2023年10月〜2026年酒税法改正前
麦芽使用比率100%(ビール) :63.35円
麦芽使用比率50%以上の発泡酒 :54.25円
麦芽使用比率25%以上50%未満の発泡酒 :54.25円
麦芽使用比率25%未満の発泡酒 :46.99円
第3のビール(新ジャンル) :46.99円
麦芽比率による味わいや風味の違い
ビールや発泡酒、第3のビール(新ジャンル)に関して、原料である麦芽の使用比率が異なることで味わいや風味に違いが出てきます。商品によって味わいや風味は様々ですが、ここでは一般的な特徴・傾向についてご紹介します。
麦芽使用比率が高い場合
豊かな味わいとコク
麦芽使用比率が高いビールは、その豊かな味わいとコクが特徴です。麦芽はビールの基本的な原料であり、その割合が高いほど、ビールの味わいに深みが増します。麦芽は糖分を提供し、酵母がこれを発酵させてアルコールと炭酸ガスを生成します。この過程で、麦芽由来のフレーバーやアロマがビールにしっかりと反映されます。
カラメルやトーストの風味
高麦芽ビールには、カラメルやトーストのような風味が感じられることが多いです。麦芽を焙煎する際に生まれるこれらの香りや味わいは、ビールに深みと複雑さを加えます。特にダークビールやエールタイプのビールでは、この特徴が顕著です。
クリーミーなテクスチャー
麦芽使用比率が高いビールは、クリーミーでなめらかな口当たりになることが多いです。これは、麦芽から抽出されるデキストリンやプロテインなどの成分が、ビールのボディを豊かにするためです。これにより、ビールはより満足感のある飲み心地を提供します。
バランスの取れた甘み
高麦芽ビールは、適度な甘みがあり、これがホップの苦味とバランスを取ることで、調和の取れた風味を生み出します。特にエールタイプのビールでは、この甘みと苦味のバランスが重要であり、ビール全体の風味を引き立てます。
麦芽使用比率が低い場合
軽やかな飲み口
麦芽使用比率が低いビールや発泡酒は、一般的に軽やかな飲み口が特徴です。これは、麦芽が少ない分、ビール全体のボディが軽くなり、すっきりとした味わいが生まれるためです。軽めのビールを好む人には、飲みやすく感じられます。
穀物やトウモロコシの風味
麦芽使用比率が低いビールには、代わりに使用される穀物(トウモロコシ、米、スターチなど)の風味が強調されることがあります。これらの原料は、麦芽に比べてより中立的な味わいを持つため、ビールの風味がシンプルになりがちです。また、これらの原料は甘みを抑え、よりドライな仕上がりに寄与することが多いです。
少ない苦味と香り
麦芽使用比率が低いビールは、一般的にホップの苦味や香りが抑えられる傾向にあります。これは、麦芽の風味が少ない分、ホップのバランスを取るためにホップの量が調整されることが多いためです。その結果、ビール全体の風味が穏やかで軽やかになります。
第3のビールの風味
第3のビール(新ジャンル)は、さらに麦芽を使わずに大豆やトウモロコシ、または発泡酒にスピリッツをブレンドして作られます。これにより、ビールらしい風味はやや薄れ、独自の軽い味わいが特徴となります。甘みや香りも抑えられ、すっきりとした飲み心地を提供します。
自分に合った飲み物を見つけよう
ビールと発泡酒の違いを理解することで、自分の好みに合った飲み物を選ぶことができます。ビールはその伝統的な製法と豊かな風味が魅力であり、発泡酒は多様な風味と軽やかな飲み口が楽しめます。それぞれの特徴を理解し、自分にぴったりの一杯を見つけましょう。