米油とは?特徴・風味・栄養素などを徹底解説します!
作成日: 2024/07/16
みなさん「米油」をご存知でしょうか?
米油は米ぬかから抽出される植物油です。酸化しにくく、揚げ物にも適していることから、飲食店や揚げ物店では、利用されることが多い食用油です。近年の健康志向の高まりから、注目されている米油。ここでは、米油の特徴や風味、栄養素、さらにそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
米油とは
米油は玄米を精米する際に得られる米ぬかから抽出される植物油です。米ぬかには約18〜20%の油分が含まれており、これを抽出して作られます。この油は、トコトリエノールやガンマ-オリザノールといった抗酸化成分が豊富で、酸化しにくいのが特徴です。
米油のメリット
では、食用油がいくつかあるなかで、米油はどのような特徴を持っているのでしょうか?ここでは米油の特徴・メリットをご紹介します。
酸化しにくい
米油には抗酸化作用のある成分が多く含まれており、開封後も酸化しにくいです。
油が酸化すると調理時に不快なにおいがしたり、素材や揚げ物の色が濃くなってしまったりします。さらに、酸化した油を食べることで、胸やけや気分が悪くなってしまう場合もあります。米油は酸化がしにくいため、調理がしやすいだけでなく、食べる際も油がしつこくなく食べやすい味わいになります。
油酔いしにくい
調理時、油の匂いがこもってしまって気分が悪くなってしまうことを「油酔い」といいます。「油酔い」の原因は、油の加熱時に発生するアクロレインが原因です。米油は、他の油と比べて加熱時のアクロレインの発生が少なく、調理中の匂いが少ないため、油酔いがしにくい油です。
コレステロール低下作用
植物ステロールやガンマ-オリザノールが含まれており、悪玉コレステロールを減らす効果があります。
植物ステロール
植物ステロールとは、穀類、豆類の胚芽に多くに含まれる天然の成分です。
コレステロールと分子構造が似ているため、コレステロールと同様に体内に吸収される仕組みを持っています。一度に体内に吸収される油分の量には限界があります。植物ステロールが吸収される分、悪玉コレステロールが吸収される量が少なくなり、結果、悪玉コレステロールの吸収を抑えることができます。
ガンマ-オリザノール
ガンマ-オリザノールとは、米ぬかから抽出される成分です。
コレステロールの吸収を抑え、血液中のコレステロールの濃度を低下させる作用があります。また、内分泌系や自律神経系の働きを整える作用もあります。
米油のデメリット
ここでは、米油のデメリットをご紹介します。
トランス脂肪酸の含有
米油の製造過程で生成されるトランス脂肪酸が少量含まれますが、通常の摂取量では問題ないとされています。
トランス脂肪酸とは
肉や乳製品(牛乳、バター)などに含まれ、バターやラードのように常温では固体として存在します。人や動物にとって重要なエネルギー源となる一方、摂り過ぎると動脈硬化などの生活習慣病の原因となります。
その他含まれる栄養素
オレイン酸
植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸です。血中の悪玉コレステロールを上げにくいと言われています。
リノール酸
リノール酸は必須脂肪酸の一つで、体内で合成できず、食物から摂る必要がある栄養素です。
血中のコレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があるため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病予防に役立つことで知られています。
ビタミンE
ビタミンEは血行を促進する働きがある脂溶性の抗酸化ビタミンです。細胞壁や生体膜の機能維持にも関与しています。動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作りだしたり、がん、老化、免疫機能の低下等を引き起こす活性酸素の働きを抑えてくれます。
トコトリエノール
トコトリエノールはビタミンEの一種です。強い抗酸化作用を持ち、動脈硬化を改善する作用などを持っています。
米油の使い方
ここでは米油の使い方についてご紹介します。
揚げ物
米油で揚げるとカラッとした食感を楽しめます。さらに、揚げ物の風味を保ち、軽やかな仕上がりになります。
炒め物
炒め物にも米油はおすすめです。風味が豊かで、野菜や肉の旨味を引き立てます。特に、油がしみ込む料理では、その軽さが素材の味を邪魔しません。
ドレッシング
米油はドレッシングにも適しています。軽やかな風味と高い栄養価が、サラダや冷菜にぴったりです。ビタミンEや植物ステロールを含むため、健康的なドレッシングとして人気があります。オリーブオイルと混ぜることで、風味豊かなオリジナルドレッシングが作れます。
適切な摂取量
成人の摂取目安量は14g程度になります。
摂取量を守って、食事に取り入れましょう。
米油を日々の食事に取り入れてみよう!
米油は、米ぬかから抽出される健康的な植物油で、揚げ物や炒め物、ドレッシングなど幅広い料理に利用できます。酸化に強く、調理後も軽やかな風味を保つため、健康志向の方々に人気です。また、ビタミンEやトコトリエノール、ガンマ-オリザノールなどの栄養素を含んでいます。適切な量を摂取し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
【参照】
厚生労働省 e-ヘルスネット 不飽和脂肪酸(2024/07/16)