すじこといくらは同じ?両者の違いを徹底解説!
作成日: 2020/08/03
更新日: 2020/08/04
ご飯のお供にぴったりの、すじこといくら。どちらも魚卵ではありますが、果たして両者は同じものなのか、それとも違う魚の卵なのか、疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
見た目はどちらも赤い色をしていますが、すじこはかたまりの状態で、いくらは粒がバラバラの状態です。
そこで今回は、すじこといくらが作られる過程や、名前の由来などをご紹介すると共に、両者の違いを徹底解説します。
すじこといくらの違い
すじこといくらの違いを、それぞれの特徴から見ていきましょう。
すじこの特徴
すじこは鮭、または鱒(ます)の卵のこと。漢字にすると「筋子」と書きます。
卵は未熟な状態で卵巣膜に覆われ、粒同士が筋状につながっている形状です。すじこは一般的に塩漬けにされた状態を指す場合が多く、味付けされていない生の状態では「生すじこ」、または「腹子(はらこ)」などと呼ばれています。
塩漬けされたすじこ一粒のサイズは小さく、触ると柔らかくて簡単につぶれやすいのが特徴です。
いくらの特徴
いくらもまた鮭、または鱒の卵。成熟して粒が大きくなった卵をバラバラにほぐし、塩または醤油で味付けしたものです。
いくらという名称は、実はロシア語の「икра」(イクラー)がルーツ。ロシア語のいくらには「魚卵」や「粒々したもの」といった意味があり、鮭や鱒の卵だけでなく、キャビアなど魚卵全般に対して使う言葉です。
日本で基本的に鮭・鱒の卵だけをいくらと呼ぶようになったのは、大正時代のこと。鮭や鱒の卵をばらし、味付けして瓶詰めにしたものを、ロシア人が「いくら」と呼んでいたものが定着していったと考えられています。
すじこといくらの違い
市場に出回っているすじこは保存性を高めるため、塩漬けされているものが一般的。食べると強い塩辛さと共に、熟成された濃厚な旨味を感じます。また、まだ成熟しきっていない卵なので、粒は小さめで崩れやすいのもすじこの特徴です。
一方、いくらの味は使う調味料によって大きく変わります。一般的には醤油を使って味付けされることが多く、すじこに比べると塩分はまろやかに感じやすいでしょう。
いくらは成熟した卵を使うため、すじこに比べると粒が大きく、弾力があるのも大きな違いです。皮がしっかりしているので崩れにくく、噛むとプチっと弾ける食感を楽しめます。
とびことの違い
とびことは、トビウオの卵をほぐして味付けし、加工されたものを指します。ちなみに、「とびっこ」という名称は兵庫県の水産加工会社「かね得」の商標登録です。
極小粒で皮は硬く、噛むとプチプチとした食感が特徴。とびこは主に軍艦巻きなどの寿司ネタや、オレンジ系の色味を生かしてサラダのトッピングなどにも使われています。商品によって味付けは異なりますが、どちらかというと、すじこやいくらよりもとびこのほうが甘味が強い印象です。
従って、とびことすじこ・いくらとの大きな違いは、「魚の種類が異なる」ことと、「粒の大きさが異なる」ことだといえます。
DELISH KITCHENのすじこ・いくらを使ったレシピ
すじこのレシピ
すじこから簡単に!いくらの醤油漬け
こちらは味付けしてない「生すじこ」を使って、いくらを手作りできるレシピです。高級ないくらも、自家製だとたっぷり食べられる幸せ♪旬の生すじこを見かけたら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
いくらのレシピ
大人気の海鮮丼!鮭といくらの親子丼
鮭といくらで贅沢親子丼♪鮭をしっとりと蒸し煮にすることで、調味料が染みこみやすくなります。いくらのプチプチした食感も楽しく、ペロリと食べられる一品です。
ささっと簡単!いくらとアボカドのわさびじょうゆ和え
ねっとりとしたアボカドにわさびじょうゆの味付けがベストマッチ!いくらをプラスすることで、彩りと食感もアップできます。
和えるだけで完成するので、急な来客時にも重宝するレシピです。
すじこといくらを食べ比べてみよう!
ねっとりとした食感のすじこと、プチっと弾ける食感のいくら。どちらも鮭・鱒の卵なのですが、成熟度合いと加工の仕方で、見た目や味が微妙に異なるというのが面白いところです。また、いくらという名前はロシア由来で、ロシアでは魚卵全般に対して使う言葉であることが分かりました。
加工法や言葉の由来に思いを馳せながら、すじこといくらを食べ比べてみませんか?