お米に賞味期限はあるの?保存期間や保存方法をご紹介
作成日: 2021/04/20
お肉やお魚、漬物などさまざまな食材と相性抜群のお米。毎日一食はお米を食べないと気が済まない、という人も少なくないのではないでしょうか。
お米はきらさないように多めに購入しておきたいものですが、気になるのがお米の賞味期限です。お米の袋には賞味期限が記入されていないため、いつまで食べられるのかが分かりません。
この記事では、お米の賞味期限や保存方法についてご紹介します。
米の賞味期限
食品表示基準により食品に表示する内容は決められているものの、お米には賞味期限や消費期限の表示はなく、表示する義務もありません。
その理由は、お米をおいしく食べられる期間が温度や気候、保存状態によって変わるからです。
お米は野菜と同じ「生鮮食品」という扱いになっています。
ただし、賞味期限や消費期限がないからといって、缶詰のように数年間食べられるというわけではありません。
野菜も賞味期限や消費期限が記載されておらず、自分の目で見て食べられるかどうか判断をしますよね。お米も野菜と同じように目で見て判断する必要があるのです。
ちなみに、賞味期限や消費期限の違いは、劣化のスピードや衛生上の危険が発生するかどうかで定められています。
賞味期限は正しく保存することで、その期間内であればおいしくいただける期限のことです。
一方、消費期限は正しく保存していても劣化のスピードが速いため、期限内に食べなければ衛生上の問題が生じる恐れがあるという期限のことを指します。
米の保存期間
では、賞味期限が記載されていないお米を、おいしく食べられるのはいつまでなのでしょうか。
お米の場合、保存期間は精米した日を起点として考えます。
そもそも、お米は稲刈りをした後の籾や精米する前の糠(ぬか)に覆われている状態であれば、中身がガードされているためある程度の期間保存が可能です。
しかし、精米をすることで何も覆われていない状態になり劣化が進み始めるので、精米した日を起点として保存期間を考えなければいけません。そのため玄米よりも白米のほうが保存期間は短くなります。
また、もち米には油がほとんど含まれておらず酸化臭なども発生しにくく、劣化のスピードも遅いためうるち米よりは若干長めの期間保存できます。
ここで気になるのが精米してあるお米の具体的な保存期間ですよね。お米の保存期間は季節によって変わります。
例えば、気温、湿度ともに高くなる春から夏にかけては精米してから1カ月程度が保存期間の目安です。
温度、湿度ともに低くなる冬の時期の目安は2カ月程度。涼しい冬でも2カ月程度なので、家族の少ないお家やお米が減るスピードが遅い場合は、小分けの袋で購入するのがよさそうです。
なお、スーパーなどの店頭に並ぶほとんどのお米はビニール袋に入っているため密封されているようなイメージがあります。
しかし、お米を入れている袋には小さい穴が空いています。そのため、精米してあるお米という時点で、未開封でも開封済みでも保存期間の目安は同じです。
保存期間を過ぎた米の見分け方
保存期間を過ぎ、傷んだお米は見た目や臭いで見分けます。
まずチェックするのは「虫」です。
お米にはコクガやコクゾウムシという虫が発生して、お米の中で糞をしていることや卵を産んでいることがあります。
コクガやコクゾウムシに毒があるわけではなく、水に浸すなどして取り除けますが虫が発生したお米はできれば避けたいですよね。また、虫がお米のでんぷんを食べることで味が落ちてしまうこともあります。
それから、「カビ」が発生していないかチェックすることも大切です。
お米自体には水分が多く含まれていないため、基本的にカビは発生しにくいのですが、保存状態が悪いとカビは発生してしまいます。
お米が黒や灰色になっていたらカビが発生しているかもしれません。お米自体は変色していなくても、とぎ汁の色がおかしい場合や、炊飯後のお米から異臭がしたという場合は、カビの可能性があります。
保存期間を過ぎたお米は「古米臭」という独特な臭いも発生します。
古米臭はお米が酸化することで発生し、風味や食感が損なわれるためお米本来の味を楽しめません。
米の保存方法
ここからは、お米の保存方法についてご紹介していきます。
生米の保存方法
お米は高温多湿の環境や直射日光が苦手です。直射日光の当たらない冷暗所で保存しましょう。
直射日光が当たらなくても、注意しなければならない場所があります。
例えば、流し台の下の棚やキッチンの床に直接置くのは湿気の影響を受ける可能性があるため、避けたほうが安心です。
また、オーブンや炊飯器などの熱が発生する家電の近くに置くのも避けることをおすすめします。
なお、冷蔵庫で保存するという方法もあります。
直射日光が当たらず涼しい場所なので、特に夏は最適です。
ただし、冷蔵庫の中はほかの食べ物のにおいがあるため、においを吸収しやすいお米ににおい移りしてしまうかもしれません。におい移りを防ぐためにも、ジップ付きの袋やペットボトルに入れて保存してみてください。
それから、冷蔵庫の中で保存をする場合、室内と冷蔵庫内の気温差で結露が生じると、カビが発生してしまう可能性も考えられます。
冷蔵庫を開けっぱなしにしたり、冷蔵庫で保存していたお米を室内に出して長時間置いたりしないよう気を付けましょう。
【出典】
独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(FAMIC) 広報誌『大きな目小さな目』2020年9月号
炊いた米の保存方法
炊いたお米を保存する際は、おにぎりにして冷凍保存するのがおすすめです。
おにぎりにしておけば、少しだけ食べたいときや朝などの忙しいときでもレンジで加熱して食べることができます。
炊いたお米をラップを使いおにぎりにして、塩をまぶしたらひとつずつラップで包みます。
さらに冷凍用の保存袋に入れて空気を抜きながら封をしたら、バットに乗せて冷凍庫で保存しましょう。
しょうゆとみりんで焼きおにぎりを作り、ラップで包んで冷凍庫に保存すれば自家製焼きおにぎりも冷凍できます。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
なお、生米も炊いたお米も、正しい方法で保存すれば長期間保存が可能になるわけではありません。
あくまでも保存できる目安の期間を守らなければいけないのと、万が一、異常を感じた場合は食べるのを止めましょう。
お米は生鮮食品!正しい保存方法でなるべく早く食べきろう
お米は生鮮食品扱いのため賞味期限が記載されていません。だからといって長期間保存できるわけではなく、精米日から数えて目安の保存期間内に食べきる必要があります。
味や品質について安心して食べられるよう、夏なら1カ月程度、冬でも2カ月程度を目安に食べきりましょう。
また、美味しくいただくためには正しい方法で保存することも大切です。
今回ご紹介した保存方法を参考にしつつ、なるべく早く食べきりましょう。