DELISH KITCHEN

さばにはどんな栄養成分が含まれている?おろし方なども合わせてご紹介

作成日: 2021/10/26

一年中比較的手に入りやすい青魚の一種であるさば(鯖)ですが、色々な栄養成分が含まれているんです。この記事では、さばの栄養成分についてさばの種類ごとの違いや、缶詰となったものなどについてもご紹介していきます。

難しいイメージのあるおろし方についても、動画付きのレシピをご紹介していくので、魚をさばくのは初めてという方にもおすすめですよ。

目次

  1. 【種類別】さばの栄養について
    1. さばの栄養
    2. 鉄分
    3. EPA・DHA
  2. 【水煮・缶詰】鯖の栄養について
  3. 「さば」と「いわし」の栄養素の比較
  4. さばのおろし方
    1. サバの2枚おろし
    2. サバの3枚おろし
  5. さばの保存方法
    1. サバの冷凍保存方法
  6. さばを美味しく食べて、EPA・DHAなどを摂取しよう

【種類別】さばの栄養について

さばとひと口に言っても、さまざまな種類があります。さばの種類ごとのカロリーや栄養成分の違いをそれぞれご紹介していきます。

さばの栄養

さばの中でも流通量が多く、食べる機会も高い、「まさば」、「たいせいようさば」、「ごまさば」の3種類について簡単な特徴とカロリーなどについて取り上げます。

まさばはさばの中でも代表的な品種で、魚の旨味がしっかりと感じられる強い味わいが特徴です。日本近海でとれるまさばの旬は、10月から2月にかけての冬の時期です。特に脂が乗ってくる12月以降にとれるまさばは「寒さば」とも呼ばれ、冬の魚として親しまれています。

鱗など食べられない部位を除いた、生のまさばの可食部100gあたりのカロリーは211kcalです。
たんぱく質は20.6g、脂質は16.8g、炭水化物は0.3g含まれています。

たいせいようさばは主にノルウェーなどの海外から輸入されていくる品種です。脂がしっかり乗っており、柔らかな身と濃厚な味わいが魅力です。一年を通して脂が乗っていますが、産卵に向けて栄養を蓄える秋が旬と言われています。

生のたいせいようさばの可食部100gあたりのカロリーは295kcalです。
たんぱく質は17.2g、脂質は26.8g、炭水化物は0.4g含まれています。

ごまさばはまさばと比べると細身で、脂が少なく、ややしまった身が特徴です。味わいは若干まさばなどに劣ると言われることもありますが、一年中とれやすく、季節を通して味がほとんど変わらないのがごまさばの魅力です。比較的流通量が増える夏が旬と言われています。

生のごまさばの可食部100gあたりのカロリーは131kcalです。
たんぱく質は23.0g、脂質は5.1g、炭水化物は0.3g含まれています。

3種類のさばを比べてみると、脂質が多いたいせいようさばが最もカロリーが高く、反対に脂質が少ないごまさばがカロリーが低く、たいせいようさばの半分以下となっています。

同じさばでも種類によってカロリーや含まれる栄養成分が違うので、料理によって使い分けるのもおすすめですよ。

鉄分

さばに含まれている栄養素として鉄分があげられます。鉄分は肉や魚などに多く含まれているヘム鉄と、野菜などに含まれている非ヘム鉄に分類され、さばには非ヘム鉄よりも体に吸収されやすいヘム鉄が主に含まれています。

生の状態の可食部100gあたり、まさばには1.2mgの鉄分が含まれており、たいせいようさばには0.9mg、ごまさばには1.6mg含まれています。
最も多く含まれているのはごまさばで、一番少ないたいせいようさばの約1.8倍となっています。

また、鉄分については以下の記事でより詳しく記載していますので、よければこちらも参考にしてみて下さい。

EPA・DHA

青魚の一種であるさばにはEPA、DHAが含まれています。EPA、DHAは魚の特に、青魚によく含まれている栄養成分です。EPA、DHAそれぞれについての機能や、3種類のさばに含まれる量などを簡単にご紹介します。

EPAとは必須脂肪酸の一種です。必須脂肪酸とは、脂質の成分のひとつである脂肪酸の中でも、体の中では合成できないもののことを言います。体内で合成できない必須脂肪酸は食べ物を摂取することで、体内に取り込む必要があります。

そのような必須脂肪酸の中でも、EPAは体内の血液の流れである血流をスムーズにする働きがあります。その他にも、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防する効果があることでも知られています。

また、EPAではなく、IPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれることもありますが同じ成分を表す言葉です。

DHAはとはEPAと同じく、必須脂肪酸の一種です。必須脂肪酸であるDHAは体内で合成できないため食べ物などを摂取することで、体内に取り込む必要があります。

DHAは主に脳や網膜などの神経系に含まれている栄養成分で、神経細胞を活性化させることで、記憶力や学習能力の向上に効果があるとされています。

さまざまな体に嬉しい効果のあるEPA、DHAですが、効率よく体に取り入れるには、いくつかポイントがあります。EPA、DHAはともに熱に弱いという特徴があるため、食材に含まれるEPA、DHAを余すことなくとるには、生で食べるのがおすすめです。

代表的な3種類のさばでも、EPA、DHAの値はそれぞれ異なります。生の状態の可食部100gあたりの値をご紹介します。

まさばには、EPAが690mg、DHAが970mg含まれています。
たいせいようさばには、EPAが1800mg、DHAが2600mg含まれています。
ごまさばにはEPAが230mg、DHAが830mg含まれています。

3種類で比べてみると、たいせいようさばがEPA、DHAともに最も多く含まれているのがわかります。

脂質の一種である必須脂肪酸のEPA、DHAは、脂が乗ったものの方が多く含まれているため、同じ種類のさばでも、旬の脂の乗った時期の方が他の季節にとれたものより、多く含まれていると言われています。

【水煮・缶詰】鯖の栄養について

同じさばでも、生ではなく、水煮や缶詰としたものは栄養成分が異なります。さばの水煮と缶詰の栄養素についてもご紹介します。

水煮のまさばの可食部100gあたりのカロリーは253kcalです。
たんぱく質は22.6g、脂質は22.6g、炭水化物は0.3g含まれています。
鉄分は1.3mg、EPAは930mg、DHAは1400mgとなっています。

水煮のたいせいようさばの可食部100gあたりのカロリーは310kcalです。
たんぱく質は18.6g、脂質は28.5g、炭水化物は0.4g含まれています。
鉄分は1.0mg、EPAは1600mg、DHAは2300mgとなっています。

水煮のごまさばの可食部100gあたりのカロリーは139kcalです。
たんぱく質は24.8g、脂質は5.2g、炭水化物は0.2g含まれています。
鉄分は1.8mg、EPAは230mg、DHAは820mgとなっています。

生のさばの可食部100gあたりの栄養素の量と比べてみると、カロリーや鉄分の値は水煮の方が大きくなっています。また、ごまさばの場合、可食部100gあたりのDHAの値は、水煮の方が生のものより、小さくなっています。

続いてさばの缶詰の栄養成分の量です。

さばの水煮の缶詰の可食部100gあたりのカロリーは174kcalです。
たんぱく質は20.9g、脂質は10.7g、炭水化物は0.2g含まれています。
鉄分は1.6mg、EPAは930mg、DHAは1300mgとなっています。

さばのみそ煮の缶詰の可食部100gあたりのカロリーは210kcalです。
たんぱく質は16.3g、脂質は13.9g、炭水化物は6.6g含まれています。
鉄分は2.0mg、EPAは1100mg、DHAは1500mgとなっています。

さばの種類にもよりますが、まさばやたいせいようさばの水煮の可食部100gあたりの値と、さばの水煮の缶詰の値を比べると、缶詰の方が鉄分の値は大きいですが、EPAやDHAの値は小さくなっています。

同じ缶詰でも、みそ煮の方は水煮の缶詰と比べると、EPAやDHAの値は大きいですが、鉄分は少なくなっています。

缶詰を食べる際は、EPAやDHAをなるべく多く取りたいならみそ煮、鉄分を多く取りたい時は、水煮と使い分けると良いかもしれません。また、EPAやDHAは煮汁にも含まれているのため、余さず使うのがおすすめです。

「さば」と「いわし」の栄養素の比較

同じ青魚の一種に数えられるさばといわしでは、含まれる栄養素がどの程度違うのかご紹介します。今回は、一般的によく食べられている「まさば」と「まいわし」の値を参考に比較していきます。

まさばについてはご紹介してきましたが簡単にまとめます。

生のまさばの可食部100gあたりのカロリーは211kcaです。
たんぱく質は20.6g、脂質は16.8g、炭水化物は0.3g含まれています。
鉄分は1.2mg、EPAは690mg、DHAは970mgとなっています。

生のまいわしの可食部100gあたりのカロリーは156kcalです。
たんぱく質は19.2g、脂質は9.2g、炭水化物は0.2g含まれています。
鉄分は2.1mg、EPAは28mg、DHAは870mgとなっています。

2つの値を比較すると、脂質が多いまさばの方がカロリーは多くなっています。また、鉄分はまさばの方が値が小さいですが、EPAとDHAはまさばの方が大きいです。

特に、EPAに関してはまさばはまいわしの20倍以上の値となっているため、EPAを効率的に取りたい際はまいわしよりまさばの方がおすすめといえます。

【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】

さばのおろし方

魚をおろすのは少し難しいというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。さばの2枚おろしと、3枚おろしそれぞれの方法をご紹介します。身に脂が乗ったさばは柔らかくくずれやすいので、よく切れる包丁を使うことも上手くおろすポイントのひとつですよ。

サバの2枚おろし

さばの2枚おろしの方法です。魚をおろすのが慣れていない場合は、3枚おろしより2枚おろしの方が工程が少ないためおすすめです。焼きさばや、煮物などに活用できますよ。

サバの3枚おろし

さばの3枚おろしの方法です。どこにあるのかわかりにくい、腹骨と血合い骨ですが、動画付きでご紹介しているので、参考にしてみてください。3枚おろしは骨が残らないので、しめ鯖や刺身などに活用するのもおすすめです。

さばの保存方法

鮮度が美味しさのポイントにもなるさばは、上手に保存したいですよね。さばを使いきれなかった時に是非試して欲しい、さばの切り身を簡単に冷凍保存する方法をご紹介します。

サバの冷凍保存方法

さばはひと切れずつラップに包んで、冷凍用保存袋に入れておけば、冷凍庫で保存できます。使用する際は、冷蔵室で自然解凍するのがおすすめですよ。保存期間の目安は3〜4週間です。

さばを美味しく食べて、EPA・DHAなどを摂取しよう

今回は鯖に含まれる栄養素にはどんなものがあるのか、さばの種類によってカロリーなどはそう違うのかをご紹介しました。

同じさばでも、生の状態や缶詰にしたもの、加熱したものではぞれぞれ栄養素の量が異なります。おろし方もご紹介しているので、ぜひ献立にさばを活用してみてくださいね。

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