梨の種類を和梨・洋梨・中国梨に分けてご紹介
作成日: 2022/02/28
みずみずしくしゃりしゃりとした食感の果肉が特徴の梨。夏から秋にかけてスーパーなどで並んでいるところを見かける、秋を代表する果物のひとつです。梨の種類には、赤梨や青梨に分けられる和梨や、洋梨、中国梨があり、それぞれたくさんの品種が揃っています。
この記事では、和梨、洋梨、中国梨の違いと、旬や特徴について梨の品種別にご紹介します。
梨について
日本で栽培されている梨には、和梨、洋梨、中国梨など大きく分けて3種類あります。ここからは、それぞれの違いと栄養、保存方法についてご紹介します。
和梨・洋梨・中国梨の違い
丸い形が特徴の和梨は、皮の色が淡い黄緑色の青梨と、黄褐色の赤梨に分かれます。和梨特有のしゃりしゃりとした食感は、砂の食感に例えられることもあり、海外では「サンドペア」と呼ばれることもあります。日本では、3種類のなかで和梨が最も多く生産されています。
洋梨は先端が細く、お尻が丸い瓢箪のような形が特徴です。ラフランスやルレクチェなどに代表される種類です。
中国梨は、形は洋梨に似ていますが、食感と味は和梨に近い特徴を持っています。中国梨の一種である鴨梨は、収穫した実を追熟させて食べます。
梨の栄養については、下記でご紹介しています。基本の切り方であるくし形切りのコツや、梨を使ったレシピもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
梨の保存方法
梨の保存方法をご紹介します。
・冷蔵保存
梨のみずみずしさを逃さずに保存するためには、水分の蒸発を防ぐことが大切です。ラップに包んでからポリ袋か保存袋に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。へたを下に向けて保存することがポイントです。保存期間はおよそ一週間を目安にしてください。
・冷凍保存
より長く保存したい場合には、冷凍保存がおすすめです。丸ごとキッチンペーパーで包んで保存袋に入れたり、皮を剥いて食べやすくカットしてから保存袋に入れて冷凍しましょう。冷凍保存すると一ヶ月ほど保存できます。
梨の選び方
丸く左右対照な形で皮に張りがあるものが美味しい梨です。また同じ大きさでも重量感のあるものは、水分量が多くみずみずしい食感を楽しめます。
【和梨・青梨】種類別の旬の時期や特徴
ここからは和梨の中でも青梨について、旬の時期や特徴をご紹介します。
二十世紀
青梨の代表格である二十世紀の旬は、9月上旬〜9月下旬です。鳥取県と長野県で主に栽培され、上品な甘みと酸味が特徴です。
ゴールド二十世紀
二十世紀の突然変異型であるゴールド二十世紀は、甘みが強く程よい酸味が特徴で、形状や食味も二十世紀に似ています。旬の時期は二十世紀よりも少し遅い9月中旬で、主に鳥取県と島根県で栽培されています。
菊水
菊水は、「太白(たいはく)」と「二十世紀」を交配して作られた品種です。8月下旬〜9月中旬に旬を迎えます。主に大分県や愛媛県で栽培され、しっかりとした甘味と酸味が特徴です。
秋麗
青梨の品種のひとつである秋麗の旬は、8月中旬〜下旬で、主に熊本県で栽培されています。同じ赤梨である「幸水」と「筑水」を交雑させた品種ですが、赤梨でも青梨の遺伝子を持っている品種同士なら、青梨が生まれます。糖度は13度前後と高く酸味はほとんど感じられません。
なつひめ
なつひめは、「筑水」と「おさ二十世紀」を交配して生まれた鳥取県のオリジナル品種です。鳥取県でのみ栽培されており、8月中旬〜9月上旬に旬を迎えます。甘味と酸味どちらも強く感じられる味わいが特徴です。
瑞鳥
瑞鳥(ずいちょう)は、「おさ二十世紀」の自殖後代である「TH3」に、「おさ二十世紀」と「新水」を掛け合わせた「真寿」を交配した品種です。糖度は12度と充分な甘さがあり、酸味とのバランスも良好です。主な生産地は鳥取県で、8月下旬〜9月中旬に旬を迎えます。
夏さやか
8月上旬から2週間程度と旬の時期が限られている夏さやかは、程よい甘味と酸味のある味わいが特徴の青梨です。「八雲」と「おさ二十世紀」を交配して生まれた品種で、主に鳥取県で栽培されています。
甘太
青梨のひとつである甘太(かんた)は、「王秋」と「あきづき」を掛け合わせて生まれた品種です。糖度が高く甘味に優れているだけでなく、酸味も少し感じられます。主に茨城県で栽培されており、9月下旬〜10月中旬に旬を迎えます。
【和梨・赤梨】種類別の旬の時期や特徴
ここからは赤梨について、旬の時期や特徴をご紹介します。
豊水
赤梨の一種である豊水の旬は、8月下旬〜10月初旬です。「幸水」と「イー33」(「いしいわせ」と「にじっせいき」の掛け合わせ)」の交雑種であり、糖度が高いだけでなく酸味もあり、果汁が多いことが特徴です。主に千葉県や茨城県、福島県で栽培されています。
幸水
夏から秋にかけてスーパーで見かけることも多い幸水は、柔らかい果肉とたっぷり蓄えた甘い果汁が特徴の赤梨です。「菊水」と「早生幸蔵」との交配で生まれた品種で、主な産地は千葉県や茨城県、福島県です。幸水は7月初旬〜9月上旬に旬を迎えます。
あきづき
あきづきは、「新高」と「豊水」を交配して得られた「162−29」に「幸水」を掛け合わせて生まれた品種です。主に茨城県などで生産され、9月上旬〜10月上旬にかけて旬を迎えます。実は豊水よりも大きく、糖度12度前後と甘いだけでなく酸味はほとんどありません。
南水
南水は「新水」と「越後」を交配して生まれた品種で、酸味はやや少なく強い甘味が特徴の赤梨です。主に長野県で栽培されており、旬の時期は9月下旬〜10月上旬です。
恵水
恵水の主な産地は茨城県で、9月上旬〜下旬に旬を迎えます。恵水は「新雪」と「筑水」との交配品種で、糖度が13度と高く甘味があるのに酸味が少ないことが特徴です。
新高
新高(にいたか)は、香り高く上品な甘さで、ソフトボールほどになる大きな実が特徴です。熊本県と千葉県で主に栽培されており、10月末〜11月上旬が旬です。神奈川県の「長十郎」と新潟県の「天の川」を掛け合わせて作られました。
新興
赤梨の一種である新興は、主に新潟県と鳥取県で栽培され10月下旬〜11月が旬です。「二十世紀」と在来種である「天の川」を掛け合わせて生まれました。果汁が多く、程よい酸味と甘さのバランスの取れた味が特徴です。
王秋
王秋は、中国梨である「慈梨(ツーリー)」と「二十世紀」との交配種を、さらに「新雪」と掛け合わせて生まれた品種です。甘さの中に優しい酸味を感じられる上品な味わいが特徴です。主に福島県や大分県、高知県などで栽培され、10月下旬〜11月中旬に旬を迎えます。
【洋梨】種類別の旬の時期や特徴
ここからは、洋梨の品種をご紹介します。
ラフランス
洋梨の代表格であるラフランスは、主に山形県や長野県で栽培されています。旬の時期は、10月下旬〜12月下旬で、糖度14〜15度と甘く優しい酸味があり、強い香りが特徴です。
ルレクチェ
ルレクチェは、主に新潟県や山形県で栽培されている洋梨で、11月下旬〜12月中旬に旬を迎えます。糖度16度以上と甘く芳潤な香りが楽しめますが、栽培は難しく生産量が少ない貴重な品種です。
バートレット
バートレットは、主に青森県や北海道で生産され、8月下旬〜9月初旬にかけて旬を迎える品種です。果汁が多くジューシーで甘味と酸味のバランスが取れた味わいと、完熟したときの強い香りが特徴です。
【中国梨】種類別の旬の時期や特徴
ここからは、中国梨についてご紹介します。
千両梨・身不知
中国梨の一種である千両梨は「身不知(みしらず)」とも呼ばれます。主に北海道で生産され、10月中旬〜下旬にかけて旬を迎えます。見た目は洋梨に似ていますが、食べるとりんごのような酸味と程よい甘さが楽しめます。
鴨梨
鴨梨(ヤーリー)は、主に岡山県で栽培される中国梨で、旬は10月上旬です。香りは甘く程よい甘味があることが特徴です。
さまざまな梨の特徴を知って旬を味わおう
梨は、和梨や洋梨、中国梨に分けられ、それぞれ味や形に違いがあります。和梨はさらに赤梨と青梨に分かれます。
それぞれの種類の品種ごとの特徴や旬を参考にして、お好みの梨を見つけて味わってみてはいかがでしょうか。