
牛すじは低カロリー?栄養は?下処理やレシピもご紹介
作成日: 2022/07/06
更新日: 2022/07/08
お酒のおつまみにもピッタリな牛すじ。とろとろした食感からハイカロリーと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。この記事では部位や牛の種類で比較しながら牛すじのカロリーや栄養を解説します。最後には下処理やレシピもご紹介します。
牛すじとは
牛すじは基本的にアキレス腱など腱のある部位ですが、硬さがある横隔膜の一部なども含まれます。下茹でをして臭みを取り、柔らかく煮込んで食べるのが一般的です。
牛すじのカロリーと主な栄養
気になるカロリーや栄養は以下の通りです。
牛すじ(腱) ゆで 100g当たり
・カロリー152kcal
・たんぱく質28.3g
・脂質4.9g
・炭水化物0g
他の部位や牛の種類と比べてみましょう。
まずは部位で比較します。焼肉の定番、牛タンに含まれる栄養素は以下の通りです。
牛タン(舌)
・カロリー318kcal
・たんぱく質13.3g
・脂質31.8g
次に和牛の別部位で比べました。
なお、和牛は輸入牛より脂がのっていてカロリーが高くなるため区別しています。
バラ肉(脂身つき)
・カロリー472kcal
・たんぱく質11.0g
・脂質50.0g
肩ロース(脂身つき)
・カロリー380kcal
・たんぱく質13.8g
・脂質37.4g
ヒレ
・カロリー207kcal
・たんぱく質19.1g
・脂質15.0g
和牛よりカロリーが低い輸入牛の別部位に含まれる栄養素は以下の通りです。
バラ肉(脂身つき)
・カロリー338kcal
・たんぱく質14.4g
・脂質32.9g
肩ロース(脂身つき)
・カロリー221kca
・たんぱく質17.9g
・脂質17.4g
ゆでた肉と生の肉という違いはありますが、牛すじは他の部位や牛の種類の中でもカロリー、脂質が1番低いです。1番高カロリーなバラ肉(脂身つき)とはなんと300kcal以上の差が付きました。一方で、たんぱく質は比較した中で1番多く含まれています。
牛すじは牛肉の中でも特に高たんぱく低脂質な部位と言っても過言ではありません。とはいえ、ゆでた牛すじ100gに含まれるたんぱく質28.3gはどれくらいの量なのでしょうか。
1日で摂取するべき栄養素の量を推定平均必要量と言い、たんぱく質の推定平均必要量は男性18歳以上で50g/日、女性18歳以上で40g/日です。牛すじは100gに28.3gのたんぱく質が含まれているため、牛すじを200g食べれば推定平均必要量を達成できます。
また高たんぱくな食材と言えば、ダイエット食としても有名な鶏のささみがあります。牛すじと鶏ささみの栄養素を比べてみると、カロリーと脂質は鶏ささみの方が低いですが、牛すじの方が高たんぱくです。
鶏ささみ 生 100g当たり
・カロリー105kcal
・たんぱく質24.6g
・脂質1.1g
牛すじの栄養
高たんぱくな牛すじですが、栄養も豊富です。中でも特徴的な栄養素をご紹介します。
コラーゲン
牛すじは鶏の手羽・フカヒレのように、コラーゲンが多く含まれています。牛すじを煮込んだ時のとろとろ食感はコラーゲンによるものです。
コラーゲンとはたんぱく質の一種で、ゼラチンの原料としても使われます。人間の場合、体内に存在するすべてのたんぱく質の約30%をコラーゲンが占めています。そのうちの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在し、残りは血管や内臓など全身の組織にも広く分布しています。
またコラーゲンを構成するアミノ酸の生成には、ビタミンCが欠かせません。ビタミンCが不足するとコラーゲンの合成が出来なくなり、壊血病を引き起こします。
ビタミンB12
意外かもしれませんが、牛すじ肉にはビタミンも含まれています。
牛すじ(腱)ゆで100g当たり
・ビタミンB120.4μg
ビタミンB12は、水溶性のビタミンの一種でたんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。また、正常な赤血球の生成にも欠かせません。
ミネラル
牛すじには以下のような複数のミネラルも含まれています。
牛すじ(腱)ゆで100g当たり
・カリウム19mg
・カルシウム15mg
・鉄0.7mg
ミネラルは体内で合成できないため食事からとる必要があります。ミネラルは、互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことから、バランスよく摂ることが大切です。
牛すじの下処理とレシピ
高たんぱく低脂質、ビタミンミネラルも含まれる牛すじ。美味しく食べるための下処理の方法や、牛すじ煮込み、おでん、スープといった人気レシピはこちらのリンクを参照してください。レシピごとに1人前のカロリーも掲載されています。
牛すじのことを知っておいしく味わおう!
この記事では、牛すじのカロリーや栄養についてご紹介しました。
牛すじは一番カロリーの高いバラ肉と比べて300kcal以上の差があり、高たんぱく低脂質な食材だと言うことがわかりました。
下処理をしっかりすることで肉は柔らかくなり、美味しく食べることができます。
牛すじのカロリーや栄養を知って、牛すじ料理に挑戦してみましょう!
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参照】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ミネラル」(2022/07/06)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 「コラーゲン」(2022/07/06)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』 ビタミン B12 (2022/07/06)
・食事摂取基準(2020年版)(2022/07/06)