デリッシュキッチン

ガレットデロワとは?その歴史についてもご紹介!

作成日: 2020/06/11

更新日: 2025/05/12

フランスで新年を祝う、ガレットデロワをご存じですか。フランスでは、新しい年を迎えるときに欠かせないお菓子といわれています。パイ生地の中に濃厚なアーモンドクリームが入ったガレットデロワは、年齢を問わずみんなから愛されています。
こちらの記事では、ガレットデロワとはどんなお菓子か、その歴史や由来についてご紹介します。

目次

  1. ガレットデロワとはどんなお菓子?
    1. ガレットデロワの由来や歴史
    2. ガレットデロワの特徴
    3. いつ頃食べるのか?
    4. ガレットデロワのフェーブと王冠とは?
  2. ピティヴィエとの違いは?
  3. デリッシュキッチンのガレットデロワレシピ
    1. 材料【直径18cm1台分(6人分)】
    2. 手順
  4. 大切な人たちと新年を祝うお菓子ガレットデロワ

ガレットデロワとはどんなお菓子?

ガレットデロワの由来や歴史

ガレットデロワという名前は、フランス語で「王様のガレット」を意味し、フランスで新年を祝う際に欠かせない伝統菓子です。
その起源は古代ローマの祭典「サートゥルナーリア」に遡ります。この祭りでは、豆を入れたケーキを用いて、当たりを引いた者が一日だけ「王様」となる風習があります。この習慣がキリスト教に取り入れられ、公現祭(エピファニーに東方の三博士がイエス・キリストのもとを訪れたことを記念して、ガレットデロワが食べられるようになりました。

ガレットデロワの特徴

フランスでは、年が明けると多くのお菓子屋さんやパン屋さんでガレットデロワが販売され、家族や友人たちとの団欒に欠かせないお菓子となっています。
ガレットデロワの作り方や味、形などは地方によっても異なりますが、一般的にはアーモンドクリーム(クレームダマンド)をパイ生地で包んだお菓子が主流です。中には、ブリオッシュ生地にドライフルーツなどをトッピングしたものなどもあります。とてもシンプルなので職人の腕が試されるお菓子となっていて、「M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)検定試験」の課題にも指定されているようです。

いつ頃食べるのか?

ガレットデロワは、キリスト教の旧典礼歴1月6日にあたる「公現祭(エピファニー)」を祝うために食べられるお菓子です。しかし、現在では当日のみならず、1月中楽しめるお菓子として親しまれています。

キリストの誕生は12月25日とされていますが、公現祭によってその誕生が公にされたと言われています。東方からキリストの誕生を祝って訪れた「メルキオール」、「バルタザール」、「ガスパール」の3博士が、黄金、乳香、没薬の贈り物を携えてキリストに謁見した日が1月6日だったのです。その後、新典礼歴においては、1月2日から8日の間にある日曜日が公現祭として定められました。

ガレットデロワのフェーブと王冠とは?

ガレットデロワの楽しみの一つが、お菓子の中に隠されている「フェーブ(Fève)」です。フェーブとはフランス語で「そら豆」を意味しますが、お菓子の中にはフェーブと呼ばれる陶器の小さな人形が入っています。切り分けたお菓子の中身にフェーブが入っていた人は、その日王様もしくは王女様となり、王冠をかぶってみんなから祝福されるという伝統があります。フランスの家庭では、テーブルの下に隠れた最年少の子どもがどの一切れを誰に配るかを決めるという習慣もあるようです。

また、かつてはその場の出席者よりも一切れ多めに切り分けて、当日その場に来られない人のために捧げる、もしくは貧しい人に与えるなどの風習もありました。

ピティヴィエとの違いは?

ガレットデロワとピティヴィエは、どちらもフランス発祥のパイ菓子で、見た目が似ているため混同されがちですが、いくつかの明確な違いがあります。

ガレットデロワは1月6日のエピファニーを祝う特別な菓子ですが、ピティヴィエは特定の行事に限らず一年中楽しめる日常的な菓子です。
また、フィリングにも違いがあり、ガレットデロワにはアーモンドクリームとカスタードクリームを混ぜた「フランジパーヌ」が使われるのに対し、ピティヴィエはアーモンドクリームのみを使用します。そのため、ピティヴィエの方がより濃厚でリッチな味わいが特徴です。

形状にも差があり、ガレットデロワは平らで円盤状、ピティヴィエは中央が盛り上がったドーム型で、より立体的なフォルムをしています。
表面の模様も異なり、ガレット・デ・ロワは太陽や月桂樹など多様なモチーフが施されるのに対し、ピティヴィエは「ロザス」と呼ばれるバラの模様が一般的です。

デリッシュキッチンのガレットデロワレシピ

おうちでも作れるガレットデロワのレシピをご紹介!
ここではフェーブの代わりにアーモンドを入れてアレンジしています。

材料【直径18cm1台分(6人分)】

冷凍パイシート[20×20]・・・2枚
溶き卵・・・・・・・・・・・1個分
粉砂糖・・・・・・・・・・・適量
アーモンド・・・・・・・・・1粒

☆アーモンドクリーム
無塩バター・・・・・・・・・大さじ2
粉砂糖・・・・・・・・・・・20g
溶き卵・・・・・・・・・・・大さじ1
アーモンドプードル・・・・・小さじ1/3
バニラオイル・・・・・・・・少々

手順

①《下準備》バターは常温に戻しておく。

②まな板に冷凍パイシートをのせ、18cmのケーキ型の底の部分をのせる。パイカッターやナイフで型通りに丸く切り抜く。残りも同様に切り抜き、一度冷凍庫へ戻しておく。

③【アーモンドクリーム】ボウルにバターを入れ柔らかくなるまで混ぜ、粉砂糖を加えて白っぽくなるまで混ぜる。溶き卵を3回に分けて加えてその都度混ぜ、アーモンドプードルを加えて混ぜる。バニラオイルを加えて混ぜ、丸型の口金を入れた絞り袋につめる。

④2の冷凍パイシートに3を中心から渦を描くように絞り出す。中心だけ2段に重ねて高さを出し、表面が均一になるようにヘラでととのえる。

⑤中心以外の部分にアーモンドを埋め込み、生地が重なる部分に溶き卵を塗ってもう一枚のパイシートをかぶせる。空気を抜くように上から軽く押さえ、重なった部分が離れないように指でしっかりと押さえる。

⑥ ナイフの背などを使い、側面に垂直になるように浅く切り込みを入れる。表面に薄く溶き卵を塗る。冷凍庫で10分程冷やす。

⑦6にナイフを使って均等な幅になるように4本の線を描く。線と線の間を繋ぐように斜めの線を1cm幅で描き、左右の線の向きが交互になるように順番に描いていく。竹串で数カ所に空気穴をあける。

⑧200℃のオーブンで25分焼き、一度取り出す。粉砂糖をかけ、再度8〜10分程焼き、こんがりと焼き色をつける。


詳しい手順はこちらの動画をご覧ください!

大切な人たちと新年を祝うお菓子ガレットデロワ

フランスでは誰もが知る伝統菓子ガレットデロワ。その歴史や由来を知ると、よりおいしくお菓子を楽しむことができるでしょう。切り分けたお菓子にフェーブが入っていた人はその日の主役となれます。お菓子屋さんで購入するのはもちろん、家庭でも手作りすることができます。
ぜひ、大切な人たちと新年をお祝いしてみてはいかがでしょうか。

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