あんぽ柿とは?干し柿との違いや美味しい食べ方についてもご紹介
作成日: 2022/07/13
あんぽ柿という干し柿に似た食べ物を知っていますか?あんぽ柿にはどんな特徴があるのでしょうか。また干し柿との違いはなんでしょうか。
ここでは、あんぽ柿について、どんな食べ物なのか味の特徴と干し柿との違い、また選び方や保存方法について解説します。美味しい食べ方もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
あんぽ柿とは
あんぽ柿とはどんな柿でしょうか。ここでは、由来や出荷時期だけでなく味の特徴についてもご紹介します。
あんぽ柿の由来
あんぽ柿は、福島県伊達市の五十沢(いさざわ)地区を発祥とする柿の加工品として知られています。ドライフルーツの一種ですが、水分量は50%と多くゼリーのようなジューシーな食感が特徴です。
あんぽ柿のルーツは、宝暦時代に七右衛門という人が福島県の五十沢地区に柿を持ち込んで栽培したのがはじまりと言われています。江戸時代になると、その柿を天日干ししたものを「甘干し柿(あまほしがき)」と呼ぶようになりました。
大正時代になり、呼び方が変化したものが「あんぽ柿」の由来です。あんぽ柿は、福島県の特産品として名が知られています。
出荷時期
あんぽ柿の出荷は11月から2月の冬の時期に行われます。秋に獲れた柿を利用して、畑に出られない冬の農閑期に作れることが特徴です。あんぽ柿作りは、福島県伊達市の農家で行われる冬の風物詩となっています。
味の特徴
あんぽ柿の原料として使われるのは、主に「蜂屋柿(はちやかき)」と「平核無柿(ひらたねなしかき)」という渋柿です。どちらもひとつの実が大きく、中の種が小さいことと、水分が多く糖度が高いという特徴があります。
あんぽ柿は、鮮やかなオレンジ色の果肉とゼリー状のトロッとした食感が特徴です。
あんぽ柿と干し柿の違い
同じドライフルーツの一種ですが、あんぽ柿は干し柿とは別物です。最も大きな違いは、その作り方にあります。
あんぽ柿は皮をむいたあと、硫黄燻蒸の処理を施すことが特徴です。その後自然乾燥させることで完成します。
この硫黄燻蒸によって、ポリフェノールの酸化が抑えられるので、実が黒くならずにオレンジ色のまま保たれます。
干し柿は皮をむいたあと、硫黄燻蒸せずにそのまま自然乾燥して仕上げたものです。冬の乾燥した冷たい空気により柿の糖分が変化して、表面に白い粉となって付着することがあります。
また水分量にも違いがあります。干し柿の水分量は20〜30%程度ですが、あんぽ柿の水分量は50%前後です。そのため、あんぽ柿はゼリーのようなトロッとした食感とようかんのような甘さがあるのが特徴です。
あんぽ柿は、干し柿が苦手な人でも食べやすいと言われています。
あんぽ柿の選び方
よいあんぽ柿は色で見分けましょう。黄色っぽいあんぽ柿よりも赤みの強いオレンジ色のものを選ぶことをおすすめします。
黄色っぽいものは、まだ未熟なうちに収穫した柿の実で作られたあんぽ柿です。オレンジ色のあんぽ柿は、柔らかくジューシーな食感が楽しめます。
あんぽ柿(干し柿)の保存方法
あんぽ柿の保存方法は干し柿と同じです。ただし、しっかり乾燥して水分が抜けた干し柿よりも水分量が多いので、扱う際には表面を傷つけないように注意するようにしましょう。
以下で、干し柿の保存方法をご紹介しているので、参考にしてください。
美味しい食べ方とレシピ
あんぽ柿は、干し柿よりも生に近い食感と味なので、いろいろな食べ方が楽しめます。そのままお好みの飲み物と一緒にお茶請けとしていただくだけでなく、食べやすい大きさにカットしてヨーグルトやトースト、パンケーキなどのトッピングにするのもおすすめです。またおつまみとして、クリームチーズや生ハムなどと合わせても美味しく食べられます。
また、干し柿と同じように料理やお菓子作りなどにアレンジ可能です。以下に干し柿を使った料理やお菓子のレシピを紹介しているので、参考にしてください。
お菓子から料理まで!干し柿を使ったアレンジレシピ
柔らかくジューシーな食感が魅力のあんぽ柿
あんぽ柿は、福島県伊達市で作られる特産品です。皮をむいた柿を硫黄燻蒸してから乾燥させて作られ、オレンジ色の果肉とゼリーのようなトロッとジューシーな食感が楽しめます。
あんぽ柿が手に入ったら、そのまま食べるだけでなく料理やお菓子にアレンジして、味わってみてくださいね。