伊勢芋とはどんな芋?食べ方もご紹介
作成日: 2022/08/17
皆さんは伊勢芋という芋をご存じでしょうか。長芋の一種ですり下ろすと強い粘りが出る芋なのですが、気軽にスーパーで買える食材ではないため、初めて聞いたという人も多いかもしれません。
今回は伊勢芋とはどんな食べ物なのか、歴史や産地、食べ方などについてご紹介します。
伊勢芋とは
伊勢芋はナガイモの一種でつくね芋というグループに属しています。一般的な長芋は長い棒状のものがほとんどなのに対し、伊勢芋は表皮が白くごつごつしたボールのような形が特徴です。
伊勢芋は丸みがあって凸凹が少ないものと、凸凹が多く赤いもの2種類に分けられます。後者の方が粘りが強く、品質がいいといわれています。
皮をむいてすりおろした伊勢芋は、真っ白で指でつまめるほど粘りが強いのが特徴です。淡泊な癖のない味わいで、クリーミーなコクがあり「畑のうなぎ」とも呼ばれています。時間が経っても変色しにくいため料亭や高級和菓子店などで重宝されることが多く、「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」という和菓子の皮にも使われています。
伊勢芋は別名「親孝行芋」とも呼ばれ、祝い事の縁起ものとされ、贈答品としても喜ばれてきました。
伊勢芋の歴史
栽培の由来については諸説ありますが、古文書によると享保4年に「山の芋」という記録が残っており、江戸時代中頃から栽培されていたとみられます。かつては主産地が津田地区であったため「津田芋」と呼ばれていました。明治17年に「松阪芋」に改名され、さらに明治33年に現在の「伊勢芋」と命名され広く知れ渡るようになりました。
伊勢芋の産地と旬
伊勢芋の主な産地は三重県中南勢地区です。三重県中南勢地区の土壌は、砂気が多く水はけがよいため伊勢芋作りに適しています。現在では櫛田川沿岸の豊かな土壌を持つ津田地区を中心に栽培されています。
旬の時期は10月中旬から12月末にかけてです。
伊勢芋の食べ方
伊勢芋は皮を剥いてすり鉢で摺ってとろろにするのが基本の食べ方です。おろし器から離れないほど粘り気が強いため、すった伊勢芋をそのまま揚げるだけでおもちのようなふわふわの揚げ物ができます。
伊勢芋はナガイモの一種
ナガイモの一種である伊勢芋は「畑のうなぎ」とも呼ばれており、淡泊な癖のない味わいで強い粘り気が特徴です。スーパーなどで見かける機会は少ないですが、手に入った際はとろろや揚げ物にして、コクのあるクリーミーな味わいぜひ楽しんでみてください。