セイロンティーとは?標高ごとの種類もご紹介
作成日: 2022/08/29
更新日: 2022/08/31
紅茶を普段から飲んでいる人なら、「セイロンティー」を知っている方も多いのではないでしょうか。しかし、セイロンティーが栽培される標高ごとによって種類が異なるのを知っている方は少ないと思います。
そこで、本記事ではセイロンティーの種類や標高ごとの違いについてご紹介します。あわせて他の紅茶との違いについても解説しているので、ぜひ最後まで読み進めてください。
セイロンティーとは
セイロンティーは、スリランカ産の紅茶の総称を指します。セイロンは、スリランカの旧国名『セイロン国』の名称からきています。インドで作られた茶葉をインド茶、中国で作られた茶葉を中国茶と呼ぶように、「スリランカ産の紅茶」の総称として、セイロンティーと呼ばれています。
スリランカで作られた茶葉の総称のため、セイロンティーにはさまざまな種類があるのが特徴です。産地ごとに異なる風味を楽しめます。また、同じ種類の茶葉でも、栽培される標高によって味や香りが変わるものがあるのも、セイロンティーの特徴です。
標高ごとのセイロンティーの違い
セイロンティーは、栽培されている標高ごとに呼び方や風味が変わります。ここからは、標高ごとのセイロンティーの特徴についてご紹介します。
ハイグロウン
標高1200m〜2000mで栽培されているセイロンティーは、「ハイグロウン」と呼ばれています。茶葉の種類は豊富ですが、深いコクや渋みがあり、強い香りが楽しめるのが特徴です。
ミディアムグロウン
標高600m〜1200mで栽培されたセイロンティーは、「ミディアムグロウン」と呼ばれています。ミディアムグロウンは、バランスのいい紅茶で、クセが少なく飲みやすいのが特徴です。
ローグロウン
標高が600m以下で栽培されると、「ローグロウン」と呼ばれる茶葉になります。ローグロウンはコクや甘みがあるのが特徴で、濃厚でありながら飲みやすい茶葉が多いです。
【ハイグロウン】セイロンティーの種類
標高ごとに呼び名や風味が異なるセイロンティーですが、茶葉の種類が豊富なのも特徴です。ここからは、ハイグロウンのセイロンティーの種類についてご紹介します。
ウバ
「ウバ」は世界三大紅茶の一つとしても知られる紅茶です。ウバはスリランカ南東部にある標高1,800メートルの高地で栽培されます。
サロメチール香と呼ばれる、メントール系の香りである「ウバフレーバー」が特徴です。爽やかな香りと、スーッとしたのど越しでさっぱりといただけます。ウバを栽培している茶園では、ウバハイランド茶園が特に有名です。
ヌワラエリア
ヌワラエリアは、スリランカで最も高い産地である標高1,800〜2,000mで栽培されています。昼夜の温度差が激しく標高が高い地域で育てられているため、独特の渋みと香りを感じられる茶葉に育ちます。
また、茶葉の周りに自生するユーカリやミントの風味も加わることで、「セイロンティーのシャンパン」とも称される華やかな香りを楽しめるのが特徴です。ヌワラエリアで有名な茶園には、ラバーズリープ茶園があります。
ディンブラ
ディンブラは、標高1,200〜1,600mの高地で栽培されます。紅茶の栽培に最適なスリランカのなかでも恵まれた土壌と気候条件を満たしている地域で栽培されている茶葉のため、色や香り、味のすべてがバランスのいい正統派の紅茶といわれています。
12~2月に出荷されるディンブラの茶葉は「セイロン茶の王者」と呼ばれ、バラや柑橘系の芳醇な香りと、キレのいい渋味が特徴です。ディンブラが栽培されている茶園のなかでは、グレートウエスタン茶園がとくに有名です。
ウダプッセラワ
ウダプッセラワは、標高は1,500mほどに位置する高地を産地としています。ウダプセラワとも呼ばれます。ヌワラエリアとウバの中間あたりの地域で栽培されているのが特徴です。
もともとウダプッセワラは、ヌワラエリアとウバとして分類されていた茶葉ですが、風味がどちらとも異なることから新しく独立しました。ウダプッセワラで育てられた茶葉はほのかに香るメントール香が特徴です。
【ミディアムグロウン】セイロンティーの種類
標高600m〜1200mのミディアムグロウン地域では、 キャンディという種類が有名です。ミディアムグロウンは、セイロン紅茶の発祥の地として有名なエリアで、バランスのよい味わいの茶葉が特徴です。渋みとコクのある茶葉で飲みやすい紅茶としても知られています。
【ローグロウン】セイロンティーの種類
ローグロウン地域でも、標高の違いによって違った呼び方がされるのが特徴です。ここからはローグロウンエリアのセイロンティーの種類についてご紹介します。
ルフナ
ルフナは、標高200〜700mほどの低地が産地です。高い標高で栽培されるセイロンティーのなかで、ルフナは最も低い地域で栽培されます。
ルフナのセイロンティーはローグロウンならではの濃い赤茶色と、濃厚な味わいを楽しめるのが特徴です。ルンビニ茶園が有名な茶園として知られています。
サバラガムワ
サバラガムワは、数年前まで産地も茶葉もルフナとされていた場所です。ウダプッセワラと同様、標高や気候がルフナと異なることによって、ルフナとは異なる産地、茶葉として新たに加えられました。
他のティーとの違い
ここからは、他のティーとの違いについて解説していきます。
ダージリンティー
ダージリンティーもセイロンティーと同様、地名から名づけられた茶葉です。ダージリンはインドの地名で、標高2,000mの高地で栽培されています。
ダージリンティーは朝夕と日中の気温差が大きい環境で栽培されているのが特徴です。この過酷な環境がダージリンティーのフルーティーな香りと渋みを生み出し、コクのある味わいのある紅茶が生まれます。
アールグレイティー
アールグレイはさまざまな種類の茶葉に、ベルガモットの香りをつけたフレーバーティーのことです。
19世紀にイギリスのグレイ伯爵(アール=伯爵の意)が中国からお礼として献上されたフレーバーティーをとても気に入り、その味を再現するために開発・販売されたのがこのアールグレイと言われています。この紅茶をこよなく愛し、伯爵の名前から「アールグレイ」と名付けられました。そのため、アールグレイという茶葉が存在しているわけではありません。
セイロンティーは産地の標高によってさまざまな違いを楽しめる茶葉
本記事ではセイロンティーの種類についてご紹介しました。セイロンティーはスリランカで栽培されている茶葉の総称で、産地の標高によって異なる味わい・風味が楽しめます。
以下の記事では紅茶の種類についてご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。