ホヤって貝?魚?旬や産地・おすすめの食べ方をご紹介
作成日: 2022/09/21
赤くゴツゴツした形をしているホヤ。ホヤって貝?魚?と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ホヤについて詳しく解説します。ホヤの種類や産地、美味しい食べ方なども詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ホヤとは貝でも魚でもない
「ホヤ貝」と呼ばれることもあるので、貝だと思っている人もいるかもしれませんが、ホヤは貝でも魚でも海藻でもありません。実はホヤは、無脊椎動物です。
無脊椎動物とは哺乳類や魚類など、脊椎動物の原点である原索動物と呼ばれる生物のことを指します。またゴツゴツとした形の特徴から植物のようにも見えるため「海のパイナップル」と呼ばれることもあるなど、不思議な生き物です。
ホヤは独特の塩味と甘みを感じられます。口に入れた瞬間感じられるプリプリとした歯応えも特徴です。また、ホヤには日本だけでも数百種類以上あるといわれていますが、食用にされているのは、主に「マボヤ」「アカボヤ」の2つだけです。養殖のホヤを育てるには、大体3年ほどかかるので高級珍味とも言われています。
ホヤの種類
ホヤは天然のものもありますが、市場に出ているものはほとんど養殖のものです。ここからは、ホヤの種類についてご紹介します。
マボヤ
マボヤは高さ15cmほどの卵のような形をしています。表面は赤褐色の固い皮に覆われており、無数の突起がついているのが特徴です。頭頂部分に2つの大きな突起があり、1つはプラスの形、もう1つはマイナスの形に閉じています。
マボヤは、ホヤ独特の強い風味を感じられるのが特徴です。
アカボヤ
アカボヤはマボヤのようなイボ状の突起物はなく、つるっとした表面をしています。名前の通り、赤い色をしているのが特徴です。
また、マボヤと比べるとクセが少なく、甘みを感じられます。 赤貝のような独特の歯ごたえと、弾力のある食感が魅力です。
ホヤの産地と旬
養殖のホヤの主な産地は北海道と宮城県です。3月頃から水揚げが始まり、6月から8月に旬を迎えます。
天然物の産地は宮城県、北海道、岩手県、青森県など東北地方でよく水揚げされているのが特徴です。4月から8月にかけて旬を迎えます。
以前は韓国でもよく食べられていて、三陸沖などではホヤの輸出も盛んでした。
ホヤの選び方
新鮮なホヤはずっしりと重く、ツヤとハリがあるのが特徴です。また、丸い形をしているホヤは食べられる部分が多いので、形にも注目して選んでみてください。
ホヤは鮮度が落ちると、生臭くなったり甘みが苦みに変わったりしやすいです。そのため、購入時の目利きが重要といえます。
ホヤのさばき方
ホヤのさばき方については、以下のページで動画も交えてご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
また、ホヤをさばく際、ホヤの中に詰まっているホヤ水を捨ててしまうのはもったいないです。ホヤ水は浸け汁に使ったり、身を洗ったりすることで磯の香りを活かせるので、捨てずにとっておきましょう。さらに、ホヤの皮も捨てる人が多いです。しかし、三陸などの産地では数日天日干しをして、出汁を取ることもあるので、ぜひ試してみてください。
ホヤの美味しい食べ方
ここからは、ホヤの美味しい食べ方についてご紹介します。
生で食べる
新鮮なホヤは、生で食べるのがおすすめです。刺身はもちろん、醤油漬けやキュウリなどとともに酢の物などにしても美味しくいただけます。
また、ポン酢やセビーチェなどの洋風味付けも合うので、さまざまなアレンジが可能です。
加熱して食べる
ホヤは加熱して食べるのもおすすめです。焼き物や汁の出汁、天ぷらなどの揚げ物、蒸し物、炊き込みご飯など、さまざまな料理に使えます。
また、和食だけでなくアヒージョなど洋風の料理にも合うのが魅力です。ホヤは塩辛や燻製、干物なども市販されており、おつまみとして人気です。
ホヤの栄養
ここからは、ホヤの栄養について解説していきます。
基本的な栄養
可食部100gあたりのホヤの栄養は、以下のとおりです。
ほや 生 可食部100gあたり
・カロリー 27kcal
・たんぱく質 5.0g
・脂質 0.8g
・炭水化物 0.8g
ミネラル
ホヤにはカリウム、鉄、亜鉛などミネラルが含まれています。
ほや 生 可食部100gあたり
・カリウム 570mg
・鉄 5.7mg
・亜鉛 5.3mg
カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調節に働きます。体内のナトリウムの排出を手助けする作用があるため、塩分のとりすぎを調節してくれます。
鉄は人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在し、不足すると貧血を起こします。
亜鉛はミネラルに分類されており、体内では合成されません。食事から摂取する必要があります。からだの調子をととのえるために必要で、微量ミネラルの中では鉄の次に多い栄養素です。全身の細胞に存在していて、細菌やウイルスが侵入すると免疫システムによって防御しています。妊娠中、乳児期および小児期の体は、十分な成長や発達のために亜鉛が必要です。また、亜鉛は創傷治癒にも効果があり、適正な味覚や臭覚にも関わっています。
ビタミン
ホヤにはビタミンB2、葉酸などビタミンが含まれています。
ほや 生 可食部100gあたり
・ビタミンB2 0.13mg
・葉酸 32μg
ビタミンB12は、水溶性のビタミンの一種でたんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。また、正常な赤血球の生成に欠かせない栄養素です。
また、葉酸は細胞増殖に必要なDNAの合成に関与している重要な栄養素です。
海の風味を楽しめるホヤを楽しもう!
甘み、塩味、酸味、苦み、うまみを一度に堪能できるといわれるホヤは、ハマるとやみつきになる独特な味わいが特徴です。刺身はもちろん、さまざまな料理にして食べても美味しくいただけます。
鮮度が落ちたホヤは磯の嫌な臭みがでやすいので、本記事でご紹介した見分け方で新鮮なホヤをゲットしてみてください。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参照】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「亜鉛 亜鉛とは?その働きは?」亜鉛とは?その働きは?」
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』 ビタミン B12
・厚生労働省e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」(2022/09/21)