「湯がく」とは「茹でる」の方言?違いについて解説!
作成日: 2020/06/22
食材を「湯がく」という表現をよく使いますが、「茹でる」との違いを知っていますか。どちらも同じだと思っている人は多いかもしれません。正しく調理するためにも、両者の違いを知っておくことは大切です。
こちらの記事では、湯がくの意味や、湯がくと「茹でる」「湯通し」の違い、湯がく方法が適している食材などについてご紹介します。
湯がくとは?
「湯がく」とは、野菜などの食材をしんなりさせるために、短時間だけ熱湯に入れる下ごしらえの方法です。
野菜のアク抜きやくさみ取り、また食材をやわらかく仕上げるためなどに行います。さらに、しゃぶしゃぶのように肉を熱湯にくぐらせることや、熱湯に短時間だけさらすことも「湯がく」といった使い方ができます。
湯がく際のポイントは、食材の中心まで熱を通さないことです。ただし、西日本では「茹でる」こと全般を「湯がく」と表現するため、湯がくを茹でるの方言とする説もあります。これは、西日本の地域によっても異なるため明確な基準はないようです。
「湯がく」と「茹でる」「湯通し」の違いとは?
湯がくと似た言葉に「茹でる」や「湯通し」などがあります。これらの違いは一体何でしょうか。
「茹でる」とは、湯がくに比べてしっかりと火を通す調理法のことで、熱湯に食材を入れて中心部分までしっかりと加熱するのが特徴です。食材によっても異なりますが、数分間〜数十分程度加熱することがほとんどで、じゃがいもなどの根菜類は茹でる時間が長くなります。
また、しっかりと火を通すパスタやうどんなどには「茹でる」が使われ、特に手製の乾麺の中には15〜20分程度湯がく時間がかかるものもあります。
「湯通し」とは、「湯がく」よりもさらに短時間で行う調理法を指します。食材のにおいや余分な脂などを取り除くことが目的で、熱湯にさっとくぐらせたり食材に熱湯を回しかけたりして表面だけに火を通します。ワカメなどの海藻の色を良くするためにも使われ、油揚げの余分な油を落とすためにも有効です。
肉や魚を湯通しすることを特に「霜降りする」ともいいます。これは、表面に火が通った食材に霜が降りたような見た目になることに由来し、野菜には使われない言葉です。
「湯がく」調理法が適している食材には何がある?
青菜などの葉物野菜
小松菜やほうれん草などの葉物野菜は、しんなりさせたりアクを抜いたりする目的で湯がきます。これらの野菜は、茎の部分を先に30秒程度、その後葉の部分もお湯に浸してさらに10秒程度湯がけば十分です。短時間だけ熱を加えることで、適度な食感を残すことができます。
たけのこ
たけのこなどのアク抜きが目的の場合は長時間しっかりと火を通しますが、この場合も慣用表現として「湯がく」が使われます。
そばやそうめんなどの麺類
そばやそうめんなどのように、細めの麺類をさっと茹でる場合にも「湯がく」が使われます。
「湯がく」がわかるDELISH KITCHENの動画をご紹介
ほうれん草のゆで方
アクの強いほうれん草は、塩を入れた熱湯で湯がきましょう。湯がきすぎるとクタクタになってしまうので、葉物野菜はさっと熱湯にくぐらせるだけで十分です。湯がいたほうれん草を冷水にさらせば、色鮮やかに仕上がります。
こんにゃくの下処理
こんにゃくの独特な気になるにおいを取り除くためには湯がくのが一番です。湯がいたこんにゃくは水にさらすと水っぽくなってしまうので、ザルにあげて冷ましましょう。
「湯がく」を極めて料理の仕上がりをアップ!
料理で大切なのが、食材の下ごしらえをきちんと行うことです。ちょっとした手間をかけるだけで料理の仕上がりがグンと良くなるのでできるだけ丁寧に行いましょう。
「湯がく」「茹でる」「湯通し」などの違いを知っておけば、レシピを見て調理する際にもきっと役立つはずです。料理をする際には、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。