地域によって特徴が異なるアフリカ料理とは?レシピもご紹介
作成日: 2023/06/29
アフリカ料理と聞くと、どのようなイメージがありますか?日本では聞き慣れない料理や、日本で普段食べているものによく似た料理など、アフリカにはさまざまな料理や食文化があります。今回はアフリカ料理の背景や特徴などをご紹介します。
アフリカ料理の特徴
アフリカとは、地球上で2番目に大きな大陸で、赤道を中心に54の国があります。大きな大陸なので、気候区分が地中海性気候、アトラス山脈以南の砂漠気候、赤道直下の熱帯雨林気候、サバンナ気候、地中海性気候などに分かれているのが特徴です。
気候が異なることに加えて、歴史背景にも違いがあるのでアフリカの食文化はさまざまです。中部アフリカ、北部アフリカ、アフリカの角、南部アフリカ、東部アフリカ、西部アフリカそれぞれに独自の食文化やしきたりが存在しています。
各地域のアフリカ料理と歴史
食文化が異なる各地域のアフリカ料理の特徴と歴史をご紹介します。
北部アフリカの食文化
北部アフリカはエジプトやモロッコなどがある、地中海に面した地域です。
砂漠があるものの、地中海性気候に恵まれており、小麦やオリーブが栽培されているほか、ナイル川が流れるエジプトでは川の水を引くことで穀物の栽培が盛んに行われています。
小麦などの穀物栽培が行われているため、主食にはパンやクスクスが食べられています。一方でイスラム圏であることから、豚肉・酒類は禁忌とされています。
南部アフリカの食文化
南部アフリカは南アフリカ、ボツワナ、ナミビアなどの国がある地域です。
元々南アフリカの先住民の食文化は素朴なものでした。食文化の変動があったのは16世紀以降のことです。入植した白人の食文化を受け入れたことで大きく変化しました。
南アフリカでは、braai(ブラーイ)と呼ばれるバーベキューをする習慣があり、また乳製品が多く生産されています。
東部アフリカの食文化
東部アフリカはエチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダなどの国がある地域です。沿岸部と内陸部があり、食文化が異なります。
内陸では農耕や牧畜により食料を得ており、インド洋に面した沿岸部では、アラブ商人などの外来文化の影響を受けています。料理の特徴は、レンズ豆などの豆類や香辛料がよく使われている点です。
西部アフリカの食文化
西部アフリカはセネガル、ガーナ、ナイジェリアなどの国がある、大西洋に面した地域です。
ヨーロッパの食文化やアメリカ大陸原産の食素材が普及した背景には、大航海時代や奴隷貿易などの歴史があります。
西部アフリカでよく使われる食材は、唐辛子などの香辛料、キャッサバ・タロイモなどのイモ類、トマトや落花生です。また、固くて甘みのないバナナ(プランテン)をさまざまな料理に使っています。
有名なアフリカ料理
ここからは有名なアフリカ料理をご紹介します。
ブリック
マルスーカと呼ばれる薄いパイ生地で具材を包んで揚げた料理です。具材は主にツナやじゃがいも、たまごです。半熟卵が具材と絡み、とろりとした食感がたまりません。
クスクス
クスクスとは「世界最小のパスタ」とも言われる、デュラム小麦を原料としたパスタです。直径1mmほどの大きさで、モロッコなどで肉と野菜の煮込みをかけて食べられています。
ムアンバ
ムアンバは鶏肉・トマト・ナッツを煮込んでつくるシチューのような煮込み料理です。ナッツのコクと香ばしさを楽しめます。
フフ
フフは日本の餅に似ている料理です。ヤムイモやキャッサバなどのイモ類を茹でて、ついたものを団子状にしたもので、主食として食べられています。
ハリラ
日本の味噌汁のように飲まれているハリラは、豆類や野菜がたっぷりと入ったスープです。日の出から日没まで食事ができないラマダン(断食月)の日没後に最初に出されることが多く、重要な食べ物として親しまれています。
チェブヤップ
肉と野菜で煮込んだスープで炊いたご飯のことをチェブヤップと言います。チェブがご飯、ヤップがお肉という意味で、牛や羊の肉が使われています。
ジョロフライス
ジョロフライスとは肉や魚、スパイスなどでつくる炊き込みご飯です。具材を煮込んだ煮汁を使って炊き込みます。
バニーチャウ
くり抜いた食パンにカレーを詰めたものをバニーチャウと言います。中に詰めるカレーに決まりはなく、野菜カレーや肉入りのカレーなどさまざまです。
ボボティ
ボボティは南アフリカのミートローフと言われている料理です。溶いた卵を上からかけるので、見た目はグラタンのような仕上がりです。
ショルバ
ショルバは、ラマダン(断食月)によく食べられるスープです。具材は肉や野菜など、さまざまな食材を使用しています。
ムサカ
ムサカとはラザニアに似た料理のことです。食材は地域によって異なりますが、ひき肉、なす、トマトなどを炒めたものを層になるように重ねてチーズを乗せて焼いて食べられています。
ピラウ
ピラウとはピラフの語源で、具材や出汁・香辛料とともに米を炊く料理のことです。じゃがいもや肉などの具材や付け合わせは地域によりさまざまです。
マフェ
マフェとは、トマトシチューのような料理のことです。玉ねぎ、トマト、肉などを炒めて煮込んだ料理で、ピーナッツペーストのコクが味わえます。
DELISH KITCHENのおすすめレシピ
ご家庭でもつくれるアフリカ料理のレシピをご紹介します。
ウガリ
ウガリとは、東アフリカの主食として食べられている料理のことです。豆や肉の野菜スープや煮込み料理と合いますよ。ご家庭でアフリカ料理を楽しむときに、主食をウガリにしてみましょう。
チキンムアンバ
チキンムアンバは鶏肉、トマト、ピーナツを使うアフリカ風のシチューです。アフリカ料理と聞くと、つくり慣れない料理というイメージがあるかもしれませんが、意外に手順は難しくありません。コクのある風味をぜひ楽しんでみてください。
アフリカは地域により食文化がさまざま
世界で2番目に大きいアフリカ大陸は、地域によりさまざまな食文化があります。北部、南部、東部、西部で異なる特色の料理を楽しめるので、ぜひ気になる料理を食べてみてくださいね。