「マティーニ」とはどんなお酒?おすすめの飲み方やおつまみをご紹介
作成日: 2023/12/15
更新日: 2024/09/04
カクテルの一種である「マティーニ」。名前は聞いたことがあるけれど、どんなお酒か詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。居酒屋などで見かけることは少なく、オシャレなバーで提供されるお酒というイメージがあるかもしれません。
この記事では、マティーニの特徴や味わいについて解説します。マティーニの種類やおすすめの飲み方、おつまみについてもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
※こちらの記事でご紹介する内容は、アルコールを含む飲料に触れています。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
マティーニとは
マティーニとは、どんなお酒なのでしょうか。ここでは、マティーニの特徴や味わいについてご紹介します。
概要
マティーニ(Martini)とは、ジンをベースにベルモットを配合して作るショートカクテルです。カクテルには「ショート」と「ロング」がありますが、氷を入れて味わう「ロングカクテル」に対して「ショートカクテル」は氷を入れずに飲むのが特徴です。
ショートカクテルは、脚の長い逆三角形のグラスに注いで提供されます。マティーニのグラスのなかにはオリーブが入っていることも特徴で、少しずつかじりながら味わうのもおすすめです。
マティーニは別名「カクテルの王様」とも呼ばれます。古くから親しまれているカクテルで、アメリカの文豪であるヘミングウェイや、イギリスの元首相であるチャーチルもマティーニを好んで飲んでいたといわれています。
マティーニをよりいっそう有名にしたのは、イギリスのスパイ映画です。映画のなかで主人公がマティーニを飲むシーンがあったことにより、世界中に広まりました。
味わい
マティーニは、さわやかでキリッとした風味とほのかな苦味が特徴のカクテルです。甘さは控えめで辛口なのに加えて苦味があるため、大人の味というイメージを持っている方もいるかもしれません。アルコール度数は、25度以上と比較的高めです。ジンとベルモットの配合を変えると、辛さや甘さが調整できます。
ジン
ジンは、大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物に「ボタニカル」と呼ばれる香草や薬草類を加えて作るスピリッツです。ウォッカやテキーラ、ラムと並び、世界4大スピリッツ(蒸留酒)に数えられるお酒でもあります。スピリッツ(蒸留酒)とは、醸造酒からアルコールのみを取り出したお酒で、その度数は40〜50度にもなります。
軽く爽やかな口当たりですが、ほのかな苦味のほかにボタニカルな風味がふわっと香り、すっきりとした後味が楽しめます。マティーニのほかに、ジントニックやギムレットなどのカクテルに使われます。
ベルモット
ベルモットは、イタリアやフランスで親しまれているフレーバードワインの一種です。ニガヨモギやコリアンダー、ナツメグなどのハーブやスパイスを、白ワインに漬け込んで作るため、香りに独特の風味があるのが特徴です。「ベルモット」の名前は、ドイツ語でニガヨモギを意味する「ヴェルムト(Wermut)」に由来しています。
ベルモットはイタリアやフランスで多く作られますが、イタリアは甘口、フランスは辛口のベルモットが有名です。甘みのあるベルモットはスイートベルモットと呼ばれ、甘みのほかにフレーバーが強く感じられるのが特徴です。
それに対して、ドライベルモットと呼ばれる辛口のベルモットは、甘さや香りが控えめでシンプルな味わいが楽しめます。アルコール度数は15〜22度と、一般的なワインよりも高めです。ベルモットは、冷やしてストレートやロックで、食前酒として楽しまれます。
マティーニの種類
マティーニといってもその種類は多種多様で、ジンとベルモットの配合を変えたりベースとなるジンをほかのお酒に変えたりと、200種類以上あるといわれます。ここでは、マティーニの代表的な種類について解説します。
ドライ・マティーニ
基本のマティーニを「ドライ・マティーニ」と呼びます。甘さ控えめのドライベルモットとドライジンで作るドライ・マティーニは、ベルモットの複雑な香りとジンの爽やかな風味が特徴です。
スウィート・マティーニ
ドライ・マティーニで使うドライベルモットを、スイートベルモットに変えて作るのが、スイート・マティーニです。ドライ・マティーニよりも甘みがあり、飲みやすいのが特徴です。通常のマティーニではオリーブを添えますが、スイート・マティーニではチェリーを浮かべます。
ウォッカ・マティーニ
マティーニのベースであるジンをウォッカに変えて作るのが、ウォッカ・マティーニです。有名なイギリスのスパイ映画で主人公が飲んでいたマティーニも、このウォッカ・マティーニです。ジンよりもクセの少ないウォッカをベースにすることで、よりキレのある辛口の味わいに仕上がります。
エスプレッソ・マティーニ
エスプレッソ・マティーニとは、エスプレッソとコーヒーリキュールをウォッカに加えたカクテルです。基本のマティーニに使われるジンやベルモットが入っていないだけでなく、氷を加えてシェイクしてから提供されるなど製法も異なります。エスプレッソの苦味とコーヒーリキュールの甘さのバランスがよく飲みやすいため、辛口のお酒が苦手な方にも人気です。
マティーニの飲み方
マティーニは、氷を入れない「ショートカクテル」の一種です。氷が入っていないため時間が経つとぬるくなってしまうため、提供されてから15分ほどで飲むのがおすすめです。
マティーニに添えてあるオリーブは、お酒を味わう合間に食べても問題ありません。オリーブに種がある場合は、紙ナプキンに出して包んでおくとよいでしょう。
マティーニに合うおつまみ
お酒を飲むときは、そのお酒に合うおつまみがあれば、より美味しく楽しめます。ここでは、マティーニに合うおすすめのおつまみをご紹介します。
ナッツ
キレのある辛さと苦味のあるマティーニには、塩味が効いたナッツがおすすめです。ナッツの香ばしさと塩辛さが、マティーニのボタニカルな風味を引き立たせます。ご自宅でマティーニを味わうときは、市販のアーモンドやピスタチオ、カシューナッツと一緒に楽しみましょう。
生ハム
すっきりとした辛さが特徴のマティーニは、甘みのあるおつまみより塩気が効いた生ハムのようなおつまみと相性ぴったりです。生ハムのスモーキーな香りが、ジンやベルモットの風味を引き立たせ、マティーニの味わいをより風味豊かに仕上げます。
チーズ
チーズの塩気と独特の風味は、辛口の味わいのマティーニによく合います。クセの強いチーズを合わせるなら、濃厚な味わいと旨みが特徴のパルミジャーノチーズがおすすめです。チーズの風味とベルモットの香りが絶妙にマッチして、ついついお酒が進みます。
ドライフルーツ
すっきりとした辛口のマティーニですが、甘いおつまみともよく合います。しっかりとした甘みがあるレーズンやパイナップルのドライフルーツは、マティーニの辛さを抑え飲みやすく仕上げます。またスモモやイチヂクなどのドライフルーツの香りは、ベルモットの風味を引き立てます。
チョコレート
カカオの風味が華やかに香るチョコレートも、マティーニと相性の良いおつまみです。チョコレートリキュールをウォッカで割った、チョコレートマティーニという種類があるほどです。カカオの香りとチョコレートの甘さが、シンプルなマティーニの味わいによく合います。
マティーニの美味しい作り方
「カクテルの王様」と呼ばれるマティーニは、ジンとベルモットのみと作り方がシンプルなため、バーテンダーの腕が試されるともいわれます。一般的なショートカクテルは、シェイカーに注いでシェイクしてから提供されますが、マティーニはシェイクしないことも特徴です。
ここからは、マティーニを美味しく作るコツをご紹介します。ご自宅で作るときの参考にしてください。
コツ①グラスを冷やす
マティーニを美味しく味わうには、温度が重要です。「冷たさが命」ともいわれるカクテルなので、お酒を混ぜるミキシンググラスやマティーニを注ぐグラスは、あらかじめ冷やしておきましょう。
コツ②割合
マティーニは種類によって、さまざまな割合で作られますが、黄金比は「ジン:ベルモット=4:1」の割合です。ご自宅でマティーニを作るときは、この割合を参考にするとよいでしょう。
DELISH KITCHENのマティーニのレシピ
ここからは、マティーニのおすすめレシピをご紹介します。ご自宅で味わうときの参考にしてください。
マティーニ
ジンとベルモットで作るマティーニのご紹介です。ジンを多めに配合しているため、辛口でスッキリとした味わいが楽しめます。ミキシンググラスで混ぜ合わせたあと、氷が入らないようにグラスに注ぐのが、マティーニの正しい作り方です。
エスプレッソ・マティーニ
マティーニのキレのある辛さが苦手な方は、コーヒーリキュールで甘さを加えたエスプレッソ・マティーニがおすすめです。一般的なマティーニと異なりシェイクするので、クリーミーな泡が楽しめます。
お家でマティーニを味わってみよう!
マティーニは、ジンとベルモットを配合して作るカクテルです。「カクテルの王様」とも呼ばれ、昔から多くの人に親しまれてきました。作り方はシンプルですが、ジンとベルモットの割合や使うお酒の種類、作り方などの違いにより、200種類以上のマティーニがあるといわれています。
マティーニを美味しく作る黄金比率は「ジン:ベルモット=4:1」です。この割合を参考に、ぜひご自宅でも美味しいマティーニを味わってみてください。