よく聞く「うま煮」とはどんな料理?味付けや特徴・作り方もご紹介
作成日: 2024/04/30
家庭の定番料理としておなじみの「うま煮」。しっとりとした食感と甘辛い味付けが魅力のこの一品には、さまざまな地域性や奥深い歴史があります。今回は「うま煮」の基礎知識から、作り方、地域ごとの特色までをご紹介します。昔ながらの家庭料理の魅力を存分に味わってみてくださいね。
うま煮の基本知識
「うま煮」とは?
「うま煮」とは、豚肉や牛肉、野菜を油で炒め、しょうゆ、砂糖、みりんなどで甘辛く味付けして煮付けた肉料理のことを指します。しっとりとした食感と甘辛い味わいが特徴的で、具材には根菜類や豆類などを加えることも多いですよ。
うま煮の歴史・由来
うま煮の起源は明確ではありませんが、江戸時代から続く昔ながらの家庭料理だと考えられています。
当時は塩分を多めに使い、一度に大量の煮物を作って長期保存するのが一般的でした。「旨い」「甘い」といった意味も含まれるそうで、そうした背景から「うま煮」の名前が付いたと言われています。
筑前煮・煮しめ・五目煮との違いは?
うま煮に似た料理に「筑前煮」「煮しめ」「五目煮」がありますが、それぞれに特徴があります。
筑前煮は鶏肉と野菜、こんにゃくなどを油で炒め、甘辛く味付けした煮物で、福岡県の北部・西部の筑前地方の郷土料理。醤油ベースの味付けがされています。
煮しめは言葉の通り「煮しめる」料理。基本的な材料は、根菜類やいも類、昆布、干ししいたけ、こんにゃく、絹さやなどです。地域によっては鶏肉や練り物など、野菜以外の材料を入れることもあり、使う食材に多少の違いがあります。
五目煮は「たくさんの」という意味が含まれています。5種類に限らず、たくさんの具材を煮た料理のことを呼びます。
うま煮の特徴
和風のうま煮の特徴
和風のうま煮は、豚バラ肉や牛肉などの赤身の肉を、しょうゆ、みりん、砂糖で甘辛く味付けした上で、れんこん、にんじん、ごぼうなどの根菜類や野菜を加えてじっくり煮込む料理です。しっとりとした食感と甘辛い風味が特徴的です。
中華風うま煮の特徴
中華風のうま煮は、豚バラ肉を中華調味料で味付けした上で、にんじん、たけのこ、しいたけなどの野菜を加え、最後に片栗粉でとろみを付けるのが一般的です。甘辛い味付けですが、しょうゆベースでコクがあり、和風のうま煮とはまた違った風味が楽しめます。
地域ごとの特色
うま煮には地域ごとの特色があり、使う具材や味付けが異なります。
関東:しょうゆや砂糖などで比較的甘めに味付けするのが特徴。
関西:だしや薄口しょうゆなどをベースにし、関東に比べるとあっさりとした味付けが多い。
九州:しょうゆや砂糖の使用量が多め。甘くて濃い目の味付けが特徴的。
また、家庭によって味付けや具材に違いがあり、昔ながらの味わいを大切にしている家庭も多数あります。うま煮は手軽に作れる家庭料理ですが、奥深い味わいを楽しめる一品なのです。
定番・白菜のうま煮の作り方
材料 【2人分】
・豚バラ薄切り肉 :150g
・白菜 :1/8個
・にんじん :1/3本
・ねぎ :1/2本
・塩 :少々
・ごま油 :大さじ½
☆調味料
・酒 :大さじ1
・みりん :大さじ1
・塩 :小さじ1/3
・鶏ガラスープの素 :小さじ1/2
・水 :200cc
水溶き片栗粉
・片栗粉 :大さじ1
・水 :大さじ1
手順
①白菜は食べやすい大きさに切り、にんじんは短冊切りにする。ねぎは斜め薄切りにする。
②豚肉は食べやすい大きさに切り、塩をふる。
③フライパンにごま油を入れて熱し、豚肉を入れて肉の色が変わるまで中火で炒める。白菜、にんじんを加えてしんなりするまで炒め、ねぎを加えてさっと炒める。
④☆の調味料を加えて煮立たせ、約3分弱火で炒める。
⑤水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて完成。
詳しいレシピ動画はこちら
お家で簡単に作れる白菜のうま煮のレシピ動画をご紹介します。手順を丁寧に解説しているので、初心者の方でも安心して挑戦できます。
その他のレシピはこちら
他にも様々なうま煮レシピを集めた特集ページです。季節の野菜やお好みの具材を使ったレシピが満載なので、ぜひ参考にしてみてください。
うま煮は、肉や野菜をじっくり煮込んだ、昔ながらの王道家庭料理
基本は肉や野菜を炒めて砂糖、しょうゆ、みりんなどで甘辛い味付けをして煮込むスタイルですが、和風・中華風など、さまざまなアレンジが楽しめます。
和風のうま煮はしっとりと柔らかい肉の食感と、甘辛い香ばしい風味が魅力。中華風は、しょうゆベースのコクのある味わいが特徴的です。
また、地域によっても味付けや具材が微妙に異なり、個性的な料理に仕上がっています。
家庭によっても、代々受け継がれた味わいを大切にしているところも。手軽に作れる一方で、奥深い魅力に溢れるのがうま煮なのです。
ぜひ、この機会に手作りのうま煮を作ってみて、昔ながらの家庭料理の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。