テンパリングとは?やることの効果や失敗しないためのコツをご紹介!
作成日: 2024/11/15
チョコレート作りにおいて、テンパリングは欠かせない工程です。しかし、その具体的な意味や方法、失敗しないためのコツを理解している方は少ないかもしれません。この記事では、テンパリングの基本から効果、失敗しないためのポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
テンパリングとは?
テンパリングとは、チョコレートに含まれるカカオバターの結晶を安定させるための温度調整のことです。この工程を行うことで、チョコレートに美しいツヤや滑らかな口溶けが生まれます。具体的には、チョコレートを一度溶かし、適切な温度で冷却・再加熱することで、カカオバターの結晶を最も安定した形(V型結晶)に整えます。テンパリングは、特に手作りチョコレートやデコレーションにおいて重要な役割を果たします。
テンパリングを行う効果
テンパリングを正しく行うことで、以下の効果が得られます。
美しいツヤ
チョコレートの表面に光沢が生まれ、見た目が美しくなります。
滑らかな口溶け
口に入れた瞬間にスッと溶ける食感をを作り出すことができます。
適度な硬さ
適度な硬さが生まれパリッとした食感が生まれます。
ブルーム現象の防止
チョコレートの表面が白くなる現象をブルーム現象といいます。
ブルーム現象は温度変化によってチョコレートに含まれるココアバターや砂糖が溶けだし、さらに固まることで起きますが、テンパリングを行うことで防ぐことができます。
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テンパリングをしないとどうなるのか
テンパリングをしないと食べられない、といったことはありませんが、ツヤが出づらくなるため表面がくすんで見えたり、食感がザラザラとしてしまう可能性があります。そのため美味しく美しいチョコレートを作るためにはテンパリングを行うことをおすすめします。
テンパリングが失敗する原因
テンパリングがうまくいかない主な原因は以下の通りです。
温度管理のミス
温度管理が不適切な場合、カカオバターの結晶が不安定なままとなり、仕上がりに影響が出ます。
水分の混入
湯煎や冷却時に水分がチョコレートに混入すると、チョコレートが固まらず、滑らかさが失われます。
混ぜ方が不十分
混ぜ方が不十分であった場合、均一に結晶が形成されず、ムラのある仕上がりになってしまうこともあります。
正しいテンパリングの方法
テンパリングにはいくつかの方法がありますが、ここでは一般的な「水冷法」をご紹介します。
①調理器具の下準備
まな板、包丁、クッキングシート、ゴムベラ、温度計、お湯(50℃)、冷水、熱湯、耐熱容器を用意しておきましょう。作業するときは室温20℃くらいが理想的です。器具に水分、油分がついてないことを確認してください。
②チョコレートを細かく刻む
まな板にクッキングシートを敷き、チョコレートをのせます。角から大きく刻み中心に集めて、細かく刻みましょう。刻んだチョコレートは耐熱容器に入れます。
③湯煎で溶かす
50℃の湯に②の耐熱容器をのせます。混ぜて溶かしチョコレートの温度を40〜45℃程度にし、湯煎から外しましょう。
この時、水分が入らないように十分に気をつけましょう!ホワイトチョコレートとブラックチョコレートをテンパリングする場合も同様に40〜45℃程度に溶かしてください。
④冷水で冷やす
冷水につけて冷やします。底からすくうようにして全体を混ぜながら温度を27℃に下げて、その後冷水から外します。
ホワイトチョコレートの場合は25℃程度、ブラックチョコレートの場合は27〜28℃程度に溶かしましょう。
⑤30℃程度をキープしながら混ぜる
熱湯に2〜3秒程つけて外し、混ぜながら30℃程度にします。
この温度を保ちながら作業しましょう。ホワイトチョコレートとブラックチョコレートも同様に30℃程度にし、温度を超えた場合は工程③からやり直しましょう。
⑥チョコレートの状態を確認して完成
スプーンなどを少しくぐらせて、まもなくして色つやよく固まれば成功です。
詳しい手順はこちらの動画でご確認ください。
テンパリングに挑戦し、美味しいチョコレートを作りましょう!
テンパリングを行うことで、単なるチョコレートが一段と美味しく、見た目も美しいスイーツに変わります。温度を細かく調整し、結晶化を安定させる作業は根気が必要ですが、その過程を楽しみながら取り組むことも大切です。チョコレート作りに慣れてくると、テンパリングもスムーズにできるようになるでしょう。特にバレンタインデーやプレゼント用にチョコレートを作る際には、テンパリングをマスターして、より一層美味しいチョコレート作りに挑戦してみてください。