
おせちの栗きんとんにはどんな意味がある?由来・作り方もご紹介
作成日: 2025/12/12
おせち料理の中でも、ひときわ鮮やかな黄金色で目を引くのが栗きんとんです。
しかし、この甘くておいしい一品に、どんな願いや歴史が込められているのかを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、栗きんとんに込められた意味や由来、地域ごとの違い、そして家庭で作れる簡単なレシピまでわかりやすく解説します。
栗きんとんとは?
栗きんとんの特徴
栗きんとんは、おせち料理で親しまれる甘い和の一品です。さつまいもを裏ごししたペーストに甘みを加え、栗の甘露煮を合わせて作られます。なめらかなさつまいもの口当たりと、ホクホクとした栗の食感が合わさり、コクのある味わいが楽しめます。
栗きんとんの意味
おせちに用いられる栗きんとんは「栗金団」と書き、「金の団子」「金の布団」などを意味します。
黄金色の見た目が金塊や小判を連想させるため、豊かさや金運を願う縁起物とされてきました。
また、栗には「勝ち栗」という言い伝えがあり、武家の時代には勝負運を願って食べられたとも言われます。栗きんとんは「金が集まる」「運を呼び込む」という願いを新年に込める象徴的な料理なのです。
栗きんとんの発祥と歴史
栗きんとんのルーツは、平安時代に中国から伝わった「金団(きんとん)」という菓子にあると考えられています。この菓子は宴席などの華やかな場で振る舞われ、豊かさを象徴する存在でした。
日本では室町時代以降に栗やさつまいもを使った「栗金団」が登場し、江戸時代には祝い膳の定番として広まりました。
さらに明治から大正期にかけて、現在のおせちに使われる「栗きんとん」が確立し、黄金色のさつまいもペーストに栗の甘露煮を合わせた形式が新年の縁起物として定着しました。
栗金団と栗金飩の違いは?
実は「栗きんとん」と呼ばれるものには、大きく2つの種類があります。それぞれ漢字や材料、発祥の地が異なります。
おせちの栗金団
おせち料理で親しまれている「栗金団(くりきんとん)」は、全国的に最も知られているタイプです。丁寧に裏ごししたさつまいもの餡に、栗の甘露煮を合わせて作るのが特徴で、なめらかな口当たりとホクホクの栗の食感が楽しめます。
色づけには昔ながらのクチナシの実を使い、鮮やかな黄金色に仕上げるのが伝統的な方法です。この色が小判や金塊を連想させ、新年の福を呼び込む縁起物として大切にされています。
材料はさつまいも・栗・砂糖が基本で、素朴ながら華やかさもあり、家族の一年の繁栄を願う料理として欠かせません。
和菓子の栗金飩
「栗金飩(くりきんとん)」は岐阜県の東美濃地域が発祥とされ、地域の名物として親しまれる和菓子です。炊いた栗に砂糖を加えて練り、茶巾でふんわり絞って形を整えるのが特徴です。
粘りのある餡を使う栗金団とは異なり、栗金飩は栗と砂糖だけで作るため、栗そのもののほろっとした食感と風味が際立ちます。素材の良さをそのまま味わえるのが魅力の和菓子です。
おせちの栗きんとんの作り方をご紹介
材料【2人分】
さつまいも・・・・・・・・・・250g
栗の甘露煮・・・・・・・・・・8個
栗の甘露煮(シロップ)・・・・・ 30cc
砂糖・・・・・・・・・・・・・100g
くちなしの実・・・・・・・・・1個
手順
①さつまいもは厚めに皮をむき、1cm幅に切る。水にさらして水気を切る。
②くちなしの実はお茶パックに入れ、麺棒などで軽くつぶす。
③鍋にさつまいも、くちなしの実、さつまいもが浸るくらいのたっぷりの水(分量外:適量)を入れてひと煮立ちさせる。弱火で10〜12分加熱する。
④くちなしの実を取り出し、水気を切る。さつまいもが熱いうちに裏ごしをする。
⑤鍋にさつまいもを戻し入れ、栗の甘露煮のシロップ、砂糖1/2量(50g)を加えて弱火で熱する。木ベラで全体がなめらかになるまで底からしっかりと練るように混ぜる。
⑥残りの砂糖(50g)を加え、つやが出るまでさらに練るように混ぜる。栗の甘露煮を加え、強めの中火にしてさっと混ぜ合わせる。
詳しい手順はこちらの動画をご覧ください!
一年の幕開けにふさわしい「栗きんとん」
この記事では、栗きんとんの意味や歴史、地域ごとの違いをご紹介しました。黄金色の見た目には、豊かさや幸運を願う気持ちが込められており、新年の食卓を明るくしてくれる存在です。
先ほどご紹介した栗きんとんのレシピは、材料をそろえれば手軽に作れるので、おせち作りにもぴったりですよ。
新しい年の食卓に、ほっこり甘い栗きんとんを添えて、素敵な一年を迎えましょう。
